インフルエンザワクチン
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
前回に続きインフルエンザワクチンのお話です。
10月23日に八王子医師会から各医療関係者に説明があり、医療従事者には10月26日に、一般向けには11月上旬よりワクチンの供給が始まるとのことですが、国の直接管理のため一度に何本入ってくるのかわかりません。恐らくご希望の方全員に接種する事は不可能なため、今回は当院に通院なさっている方を最優先したいと思います (それでも足りないと思われます)。詳細はインターネットか、直接受付でご確認下さい。
インフルエンザ自体は、10月下旬時点でどうやらピークを過ぎたようです。「新型かどうか」とよく質問されますが、通常の迅速診断キットでは判別出来ません。殆どは新型かと思いますが、一部季節性のウィルスが検出されているようですし、今季既に罹患された方でも油断しないで下さい。
更新日時:2009年11月04日 15時47分
新型インフルエンザ
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
インフルエンザの流行が続いています。特に7月以降検出されるウィルスの98%は新型インフルエンザで、国民の殆どが免疫を持っていない現在、秋季でも流行の規模はかなり大きくなる可能性があります。新型インフルエンザは簡易検査での検出率が約70%という話もあり、検査で陰性といっても感染は否定できませんし、潜伏期間中(感染後2~3日以内)に陽性になることはないので、総合診断的に感染が疑わしければ積極的に治療することになります。
ワクチンは新型についてはどうやら指定の医療機関での接種ということらしいのですが、9月下旬の時点では詳細不明です。季節性のワクチンは新型のあおりで生産量が20%減り、供給量も「前年の」80%に抑えられることになりました。両者とも不活化ワクチンで効果は限定的ですが重症化を防ぐことは可能です。
更新日時:2009年10月09日 10時57分
メタボリック症候群~その後
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
昨年度から始まった特定健診の目玉であるメタボリック症候群の判定基準に腹囲測定があります。男性85cm、女性90cmが基準値ですが、最近この腹囲基準に対する問題点が色々と指摘されるようになりました。幾つかあげると、
- 男性の腹囲基準85cmは細すぎ、腹囲90cm以上でないと心血管疾患が多くならない
- 女性の腹囲基準90cmは太すぎ、実際には腹囲80~90cmの人に心血管疾患が多い
- 非肥満者の代謝性危険因子は意外に高く、腹囲がメタボリック症候群の必須条件にならない
等があります。最近の研究では、肥満や内臓脂肪よりも過剰なエネルギー摂取による脂肪組織の炎症が病気の本質ではないかといわれており、厚生省の調査でも10kg近く体重が増加した中高年の死亡率に変化がなかったという結果も出、今後の健診のあり方に一石を投じそうです。
更新日時:2009年09月03日 02時46分
子どもの包茎
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
包茎には真性と仮性があり、陰茎の包皮を翻転して亀頭が全く露出しない場合を真性包茎、そうでない場合を仮性包茎といいます。新生児期はほぼ100%真性包茎ですが、小学校低学年で約40%、思春期前後になると約5%以下に低下し、ほとんどのお子さんが自然治癒するので治療が必要になることは滅多にありません。ただし、
- 包皮口がピンホール状で排尿時包皮が風船状にふくらんだり尿線が散らばったりする
- 包皮亀頭炎を繰り返す
- 尿路感染を繰り返す
等があれば治療の対象になります。昔は強引に引き剥がしたりしましたが現在は少量の軟膏塗布を繰り返すことで苦痛もなく簡単にむけるため、3歳以上6歳以下位のお子さんで前述の症状がある時や、膀胱尿管逆流がある乳幼児はかかりつけ医に相談して下さい。一方、仮性包茎は治療の必要はありません。
更新日時:2009年07月30日 11時36分
日本脳炎ワクチン
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
日本脳炎はウイルス感染による中枢神経の疾患で、感染しても100人~1,000人に1人しか発病しませんが、発症すると致死率20%~40%といわれます。現行の日本脳炎ワクチンはADEM(急性散在性脳脊髄炎)という副反応のため2005年5月30日以降積極的勧奨が中止されましたが、Vero細胞という培養細胞を使った新ワクチンが完成し、今年6月2日よりやっと法定接種が再開されました。マウス脳を使う旧ワクチンより安全性が高いと期待されますが、生産量も少なく、使用実績もないため当面積極的勧奨は行われません。八王子市では、当初市内6ヶ所の医療機関で受け付け、順次市内全域に拡大していく予定で、対象は3歳~7歳5ヶ月の第一期初回~初回追加接種のお子さんです。罹患リスクの高い地域に行く機会が多いお子さんは接種した方が良いでしょう。
更新日時:2009年07月01日 21時20分
新型インフルエンザ
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
新型インフルエンザの流行が拡大し、5月中旬には都内でも検出されました。明らかに人から人への感染様式を持っています。
遺伝子解析の結果では豚、鳥、人に感染する旧来のウイルスRNAが検出され、どうやら豚の体内でウイルスが混ざり合ったようです。形態分類はソ連型と同じH1N1型で、幸い強い毒性はなく、季節性インフルエンザと変わらない振る舞いをしているようです。タミフルの耐性もないようですが、従来のワクチンによる基礎免疫がほとんど効果なく、幅広い年齢層での感染が懸念されます。予防は冬季同様、人通りの多い所でのマスク着用やうがい、手洗い、帰宅時の着替え(衣服に付いたウイルスは約8時間生きています)等を励行して下さい。
今回はいつ迄流行するのか予想がつかず、しばらく警戒が必要です。
更新日時:2009年06月03日 15時53分
高血圧(2)
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
今回の改訂でも、従来通り、140/90mmHg以上が高血圧ですが、至適血圧(120/80mmHg未満)以上で130/85mmHg未満 (正常血圧)、130・139/85・89mmHg(正常高値)の人は生涯のうちに高血圧へ移行する確率が高く、危険因子(年齢、喫煙、糖尿病、脂質異常、肥満及びメタボリックシンドローム、心血管異常、慢性腎臓病等)によっては、正常血圧でも生活習慣の改善が必要となったり、正常高値血圧でも降圧薬治療の対象となったりします。
降圧目標は診察室内で、若年・中年者130/80mmHg未満、高齢者(65歳以上)140/90mmHg未満、糖尿病・心筋梗塞・慢性腎臓病がある場合130/80mmHg未満を原則として、脳血管障害・75歳以上・心筋梗塞以外の冠動脈疾患や心不全がある場合には140/90mmHg未満に慎重に降圧することになっています (家庭血圧は前述値から5を引く)。
更新日時:2009年04月30日 15時58分
高血圧(1)
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
高血圧ガイドラインが5年ぶりに改訂されました。それによると、現在日本における30歳以上の高血圧者(収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上)数は約4,000万人、男性の47.5%、女性の43.8%が治療を要する、または治療中の有病者です。中で、特に30代~40代では80~90%の人が治療を受けていません。
かつては食塩摂取が極めて多いやせ型の人が多く、脳卒中罹患率が高かったのですが、最近は肥満・メタボリックシンドロームに伴う高血圧が増加し、循環器疾患罹患率が高くなってきており、糖尿病や慢性腎臓病(CKD)の増加が大きな問題になっています。
背景には、依然として多い食塩摂取、飲酒量の多さ (特に中年男性)、過食、運動不足等があり、こうした状況を打開するため、生活習慣の改善と従来より強力な高血圧管理を求めています。
更新日時:2009年04月02日 13時45分
インフルエンザ~その後
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
3月に入ってようやくインフルエンザ流行のピークが過ぎました。国立感染症研究所のまとめでは、関東甲信越地方で検出されたA型インフルエンザのうちソ連型(AH1亜型)は、去年数%だったタミフル耐性株が今年はほぼ100%耐性を持っていました。
また、今年度のワクチンとの反応性は概ね良かったようですが、仙台・山形・福岡等、一部の地域から検出されたAH1亜型とB型ウイルスのうち、ワクチンにあまり反応しないタイプがかなりあったことがわかり、来年度のワクチン戦略に影響が出そうです。今月中はまだB型を中心とした小流行があると思われますので、引き続き予防に努めましょう。
さて、来月からいよいよ新学期が始まります。春先は麻疹の季節でもあり、麻疹─風疹混合(MR)ワクチンが未接種の年長・中1・高3の人は、今月中に必ず接種して下さい。
更新日時:2009年03月06日 02時18分
ヒブワクチンが始まりました
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
Hibとはヘモフィルス・インフルエンザ菌bの略です。小児、特に5歳以下の乳幼児が感染すると、髄膜炎、肺炎、喉頭蓋炎等を引き起こし、抗生剤に対する耐性も強い難治性の感染症となります。中でも髄膜炎の発症頻度と予後不良率は高く、唯一の予防手段はワクチン接種です。既に多くの国で定期接種され、大きな副反応もなく患者数が激減しています。日本でも導入が待望されていましたが、ようやく昨年12月から接種出来るようになりました。対象は生後2ヶ月から5歳未満で、月齢により1回~4回接種となります。任意接種のため、医療機関により1回7,000円~8,000円、三種混合ワクチンとの同時接種も可能ですので、主治医とご相談ください。まだ量産体制が不十分で、希望されてから接種まで多少時間がかかりますが、3月~4月頃から順次解消される見込みです。
更新日時:2009年02月06日 15時05分