
夏の冷えにご注意を!
南大沢メディカルプラザ 消化器内科 林 重之
真夏の猛暑に引き続き厳しい残暑ですね。今年はさかんに熱射病や熱中症への注意が喚起されていますが、その半面、クーラーの効いたオフィスや家庭での冷えによるトラブルも起こりがちです。皆さんは冷房病・クーラー病(不適応症候群)をご存じでしょうか。これは正式な医学用語ではなく、冷房で体を冷やすことで起こる様々な症状を総称したものです。人体には本来、暑さや寒さにも自然に対応できる能力が備わっているのですが、冷房が普及して快適に過ごせるようになった現代では夏場の冷房による冷えが健康上の大きな問題になっているのです。
冷えの結果、自律神経機能が衰えると様々な症状が出現し、悩まされます。具体的には体の冷え、むくみ、疲労感、肩こり、頭痛、めまい、ふらつき、神経痛、腰痛、腹痛、食欲不振、便秘など様々です。自律神経はホルモンや免疫の働きとも深く関わっているので、風邪をひきやすくなったり、女性では月経不順や月経痛の原因にもなります。
予防はできるだけ屋外と屋内の気温差をなくすことです。屋外と屋内の気温の差が5度以内、設定温度は24度以上が良いとされています。室内は27~28度が理想ですが、外気温が極度に上昇している場合は屋外と屋内の気温の差を5度以内にすることが困難なこともあります。そんな時には屋内ではカーディガンやひざ掛けなどを使用し、外出時には一枚脱いで、再度冷房のかかったところに入る時は一枚着るなど、着衣での調節を行って、できるだけ人体への気温差をなくすことが必要です。冷気は足下へ流れるのでスリッパや靴下を履くことも効果的です。また、クーラーの風を直接浴びないことも重要です。室内に長くいる人は、冷えていなくてもじっと座っていれば血液循環が悪くなります。まめに歩いたり、階段を上ったり意識的に体を動かしてみましょう。
冷房をつけたままで眠ると、だるさが出現したり、風邪をひいてしまったりすることがあります。これは就寝中に体が極度に冷えてしまった結果の症状です。就寝中に体を冷やさないようにするため、寝床に入ったらタイマーをセットし、就寝中は冷房が切れるようにしましょう。冷たい風が直接体に当たらないよう風向きを調節するのは言うまでもありません。タイマーが切れてから朝までの間、汗をかきながら眠れる習慣がつけば、健康的に夏を乗り越えられます。寝ている間にお腹を冷やし、腹痛や下痢を主訴に外来を受診される患者さんもいらっしゃいます。腹巻をしてお腹を冷やさないようにするのも良いでしょう。
また、温かい飲み物を摂るようにすれば体の内側から温まり、症状が緩和されます。体を温める方法として入浴も効果的です。37~38度くらいのぬるめのお湯で、30分くらいの少し長めの半身浴がおすすめです。
冷房病は対策をせずに放置すると慢性化し、次第に冷房の風に少し当たっただけでもものすごく寒く感じて温暖な場所でも冷え感が抜けきらないようになってしまいます。
また、冷えの慢性化が悪化すると手足が冷えるというよりほてるようになってきます。ここまで悪化すると、年中冷えによる様々な体調不良に悩まされるようになることもあります。冷房病は放置せず早めの対策が大切です。夏場はしっかり汗をかきましょう。発汗は自律神経の働きを改善し血行を良くします。しのぎやすい時間帯はなるべくクーラーを使わないで過ごしてみましょう。
最近は地球温暖化が進み、日本の夏は熱帯のようです。冷房を使わざるを得ない状況になってきてしまっています。夏、朝晩の涼しいそよ風の中で風鈴の音を聞きながら縁側でうちわを片手に汗をかく。そんな昔ながらの風景がなくならないでほしいと思うのは私だけでしょうか。
更新日時:2010年08月25日 14時50分
足のむくみ
南大沢メディカルプラザ 循環器内科・心臓血管外科 塚本三重生
血液は左心室が収縮することで心臓から送り出されます。では、手足の血液はどうやって心臓に戻っていくのでしょう? 腕を下げてしばらく手の甲を眺めていると、静脈が怒張して血液が溜まってくるのがわかります。その後で手を頭の上にかざすと血液が心臓に戻っていき、静脈が虚脱して膨らみがなくなります。しかしいつも手を上げて血液を心臓に返すわけにもいきませんし、逆立ちをしないと足の血液が心臓に戻らないのでは困ってしまいますよね (ここでは太もも、ふくらはぎを含めて足と表現することにします)。
手足の静脈は皮膚のすぐ下にあって、青く透けて見える表在静脈と、筋肉より深い骨の近くを走る深部静脈があります。深部静脈は筋肉に包まれているため、手足を動かして筋肉を収縮させると筋肉が血管を揉むような格好になります。これで血管に圧力がかかり、血液が押し出されて心臓に帰ります。これをミルキング作用と呼びます。静脈には弁があり、血液の逆流を防いでいるので、血液は心臓に向けてのみ押し出され、一度押し出された血液は再び足に戻ることはありません。
長時間電車や飛行機に乗って足がむくんだ経験をお持ちの方も少なくないと思います。これは長時間足を動かさないためにミルキング作用が不足し、足の血液(水分)が押し出されずむくみとなったもので、心臓の機能が低下して足がむくむのとは全く異なった機序によるものです。また、血液が静脈の中で動かずにいると血液はそこで固まってしまい、血管が詰まって足が暗赤色に腫れ上がります。これが深部静脈血栓症です。さらにこの血栓(血の固まり)が血液の流れに乗って肺に流れ込むと、肺動脈を詰まらせて肺動脈塞栓症となり、生命の危険にさらされます。突然死になることもあり、これがいわゆるエコノミークラス症候群です。
長い間あまり足を動かさずに座っていると、誰でも足がむくんでしまうものです。脳梗塞や足が不自由なために活動性が低下し、あまり歩くことなく過ごされている方は特にむくみやすくなっています。時々、足首を動かすような運動をするだけで、むくみの改善やエコノミークラス症候群の予防になりますので、ぜひやってみてください。
更新日時:2010年08月16日 14時02分
小児の包茎はどうしたらいいの?
南大沢メディカルプラザ 泌尿器科 伊藤貴章
子どもの陰茎(おちんちん)は生まれてきた時には、真性包茎(皮をかぶっていてむけない)が普通です。小児の包茎をどうするかについては、以前より様々な議論がなされてきました。それらを集約すると、日本においては多くの医師が手術しないで保存的に扱っているようです。その理由としては次のことがあげられます。
- 小児の包茎は生理的なもの(生まれた時には包茎)であって、年と共に大多数はむけるようになる。
- 亀頭包皮炎(おちんちんの炎症)になっても、お薬で治り、繰り返すからといって重症になることはほとんどない。
- 小児の包茎手術は全身麻酔を必要とすることもあり、手術の合併症やリスクを考えると手軽に行うべきではない。
- 無理に皮をめくったりすると、かえって炎症を起こしやすくなる。
- 手術後、亀頭が露出されるようになると、まわりの子と見た目が違うことから、かえって精神的に不安定になったりすることがある。
以上の理由で、小児の包茎は安易に手術をすることはお勧めできません。
予防的に包皮の出口の部分を広げる方法として、中〜弱めのステロイドが入った軟膏を、出口を広げるように、内部にも入れるように、包皮をずりさげめくるように塗るとむけるようになり、仮性包茎の状態になります。無理にむくと、むけたまま戻らなくなることもありますし (嵌頓包茎)、炎症を起こすこともありますから必ず医師に相談した上で行ってください。たとえむけなくても、あまり心配してはいけません。決して無理にむいてはいけません。
更新日時:2010年07月20日 13時53分

尿路感染症って何ですか?
南大沢メディカルプラザ 泌尿器科 伊藤貴章
尿路、つまりおしっこの流れる道に何らかの細菌の感染が起きた病気が「尿路感染症」です。部位によって、尿道炎、前立腺炎、膀胱炎、腎盂腎炎等に分かれます。また、何も元になる病気のない単純性、元になる病気(例えば結石や癌等)がある複雑性に分かれます。
膀胱炎は女性に多い
女性は男性に比べ膀胱の位置が下にあります。そのため、尿道が男性より短く、3~4cmしかありません。そのかわり尿道が太く、入り口が肛門に近い位置にあります。このように女性は外からの細菌が侵入しやすい構造になっています。
膀胱炎になると、排尿時や終わり頃に下腹部や尿道に痛みや違和感を感じます。排尿後もまだ尿が残っている感じがしたり、トイレが近くなったり、尿が濁ったりします。ひどい時は血が混じったりします。このような症状があった時は、早めに泌尿器科を受診しましょう。検査としては、まず尿検査を行い、尿の中に白血球や赤血球が正常より多く出ていないかを見ます。同時に尿の培養の検査を行い、どんな菌が原因か調べます。最近では大腸菌でも、抗生物質に抵抗力を持つもの(耐性菌)が出現することがあり、最初に投与された抗生物質で症状が良くなっても、尿が完全に良くなるまで診療を受け続けた方が良いでしょう。
膀胱炎は水分を沢山とり、どんどん排尿することで良くなることもありますが、完全に良くなっていないと、結果的に繰り返すことになってしまうので注意が必要です。
男性は尿道炎、前立腺炎に注意
男性は女性と違い、尿道が長く屈曲していますから、膀胱炎ではなく尿道炎や前立腺炎になります。ただし、排尿時痛や頻尿、残尿感など女性の膀胱炎と症状に明らかな違いはありません。尿道から膿のような分泌物が出たり、包皮が腫れたりすることもあります。
多いのは大腸菌などの一般細菌の他に、クラジミアや淋菌といった性行為に関連する病原体もしばしば見かけます。原因となる病原体によって使用する抗生物質が異なってきますから、検査結果によっては薬を変えたり、注射や点滴に変更する必要も出てきますから、泌尿器科を受診すると良いでしょう。
熱が出たら、腎盂腎炎、前立腺炎 (男性)、精巣上体炎 (男性) に注意
女性の膀胱炎や、男性の尿道炎だけでは決して熱が出たりしません。熱が出た場合は、腎盂腎炎や男性では前立腺炎・精巣上体炎を起こしている可能性があります。これらに発展すると重症化する場合がありますので、注意が必要です。
更新日時:2010年07月15日 10時57分

混合診療とピロリ菌感染
南大沢メディカルプラザ 消化器内科 木村一史
現在は、経鼻内視鏡ができるようになり、検査中の嘔吐反射が少なくなり、検査中の患者様と話すことができるようになりました。それで、検査中に胃の状態を説明しています。胃炎の所見があり、それを説明すると、患者様は「どうして胃が荒れているのでしょうか?」と聞いてきます。医師が「恐らく、ピロリ菌感染によるものだと思います」と説明した時に、「じゃあ、ピロリ菌の検査をお願いします」と言われたら、大変です。
ピロリ菌の検査は、現在のところ、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の人にしか保険診療が認められていなく、潰瘍がなくてピロリ菌の検査をすることは、その検査の部分を自費(患者様の負担)でとしても、混合診療になるため、保険のルール上、内視鏡検査からのすべてを自費扱いにしなければならなくなるのです。
患者様にこのようなことを検査中に説明しても納得していただけるはずがありません。そもそも、混合診療禁止制度が何故あるのかを自分でさえ理解できていないので、患者様にもうまく説明できません。インターネットで調べると、混合診療が禁止されているのは、以下の理由によるようです。
- 所得に関わらず平等に一定水準の医療。
- 患者をエビデンス(根拠)のない、法外な治療から守る。
- 結果的に医療費の削減になる。
どうして、支払い能力のある人が、より高度な医療を受けられないのかは、はなはだ疑問であります。「潰瘍の人以外は、等しくピロリ菌を持っていなさい」ということが、現在の保険診療の意図するところでしょうか。
多くの研究報告より、ピロリ菌除去が胃がんの予防に寄与することは明らかです。そして、日本ヘリコバクター学会のガイドラインも、除菌の対象者はすべて感染者としています。除菌することで、胃がんや胃潰瘍患者が減るので、国家的医療費の削減になるという試算も明らかになっています。
インフルエンザのように、症状のある人・感染している人すべてに検査治療ができるように、ピロリ菌も自由に診療することを認めてほしいものです。全ての人に難しいのなら、せめて、内視鏡検査をされる人には検査することを認めていただきたい。
B型肝炎とC型肝炎は、感染予防のため内視鏡検査前に検査できることになっています。ピロリ菌は肝炎ウイルス以上に非衛生的な検査により感染する病原体です。肝炎ウイルスが内視鏡感染し、急性肝炎の原因になると同様に、ピロリ菌の感染により、検査後に急性胃粘膜病変(胃がひどく荒れた状態)になる可能性があります。ピロリ菌感染は肝炎ウイルスと同じ感染症なのです。ですから、内視鏡検査前にするべき検査なのですが、この感染症が不運にも胃カメラ検査の目的と関連するために、混合診療の禁止という障壁にあってしまい、自由に検査できないのが現状です。
このように一般の診療においては自由にピロリ菌の検査治療が難しいため、ピロリ菌についてご心配な方は、次のようにピロリ菌除菌外来をしていますので受診ください。
更新日時:2010年06月07日 18時20分

胃腸の不調でお悩みの方へ
南大沢メディカルプラザ 消化器内科 林 重之
最近は多忙で不規則な生活からのストレスで、胃重感、下痢、便秘などの腹部症状に悩まされている方が多く受診されます。皆さん“機能性消化管障害”という病態をご存知でしょうか。これは検査で異常が認められないにもかかわらず、消化器症状(胃痛、胃もたれ、腹痛、腹部不快感、下痢、便秘)などを繰り返す疾患です。つまり消化管の機能(動き)が障害されている疾患であり、生命を脅かす疾患ではありませんが、つらい症状に悩まされます。代表的なものは、機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群があり、両者は合併しやすい性質があります。
機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)
胃部不快感、心窩部痛、食後のつらい胃もたれ感、早期満腹感などの上部消化管症状が中心です。つらい症状は常に安定して存在するわけではなく、時間とともに大きく変化し一定していません。常に、程度も頻度も様々な不定症状が続きます。原因は様々ですが、中でも最近は、胃酸が症状発現に大きく関与していると考えられています。胃酸分泌が亢進し胃内の酸性が強くなると、胃のぜん動運動が抑制されFDが出現します。これらの症状を軽減していくためにアルコールの飲みすぎに注意する、可能な限り禁煙する、睡眠を十分にとる、さらに適度な運動などを行いストレスをためないことが必要です。食生活では毎日3度の食事をきちんと規則正しく食べる、その際にはゆっくりと良く噛む、一度に食べすぎない、また食事の内容にも注意が必要で甘いもの、脂肪分の多いもの、硬いものを控え、揚げ物や濃い味付け、強い香辛料の使用を避け、焼いたり蒸したり煮炊きして消化を良くして食べましょう。薬物治療は、基本的には最初に胃酸分泌を抑えるH2ブロッカーで治療を開始し、症状の改善具合に応じて消化管運動機能改善薬や抗うつ薬を併用します。内服治療を行いながら肉体的精神的ストレスの解消を行うことで速やかな症状の改善が期待されます。
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)
腹痛や腹部不快感を伴う下痢や便秘を繰り返す下部消化管症状が中心です。症状は緊張を強いられる会議や試験の時におなかの調子が悪くなる、おなかが痛くて学校や行事に行けないなど、具体的には腹痛、おなかの張り、おなかの不快感、おなかが鳴るなどの症状が出現します。病型は、下痢型と便秘型があります。我が国では人口の約10~15%がIBSに罹患していると考えられ、男性では下痢型が多く、女性では便秘型・混合型が多いことがわかっています。また有病率は20代、30代の若い年代で高い傾向にあり、不安、緊張などから消化管運動異常や内臓知覚過敏などが出現する脳腸相関の悪循環が指摘されています。
1. 下痢型IBS
通勤や通学途中で駅に降りトイレに行かなければならない、下痢軟便が1日2~3回以上起こる、いつ下痢になるか不安に思うなどの症状があります。トイレの場所に詳しくなったら要注意です。
2. 便秘型IBS
排便回数が減少したり、便が出にくかったりする、コロコロしたウサギのふんのような便が出る、便が出なくて不安になる、便が出ないことが気になるなどの症状があります。
IBSの治療は食事生活指導から開始し、詳細な問診から個々に適した薬物療法を開始します。詳しくは遠慮せずにお尋ねください。日常生活では休息・睡眠を十分にとり、散歩などの軽い運動を生活に取り入れましょう。またスポーツや趣味で気分転換を行い、ストレス解消を心がけることも大切です。食生活では毎日3度の食事をきちんと規則正しく食べ、その際にはゆっくりと良く噛み、一度に食べすぎないようにし、胃腸に負担をかけないようにしましょう。また下痢の時は冷たいもの、脂っこいもの、辛いもの、お酒、コーヒー、炭酸飲料を控えるようにしましょう。
最後に、FD、IBSの診断はいずれも“胃カメラ、大腸内視鏡、腹部エコー・CT、血液検査で異常がないこと”が大前提となっています。胃腸や肝臓、胆のう、膵臓などに病変があり、その結果FDやIBSと似た症状を呈していることもあり要注意です。長く症状に悩んでいる場合は、まず症状から機能性消化管障害として食事・薬物療法を開始し、並行して胃カメラ、大腸内視鏡や腹部エコー、CT検査による精査をお勧めします。おなかがすっきりせずにお悩みの方は、是非お尋ねください。
更新日時:2010年05月25日 01時00分
ED(勃起障害)は生活習慣病
南大沢メディカルプラザ 泌尿器科 伊藤貴章
EDって何?
以前は全く勃起しないことを意味するインポテンツという言葉がありましたが、今では勃起するまでに時間がかかる、勃起の持続時間が短い、性交渉の途中で萎えてしまう、という状態を含めてED(勃起障害)といいます。
EDの原因は動脈硬化?
確かにEDには心の問題が大きく関わっていることもあります。しかしながらEDの発症には血管内皮から出るNO(一酸化窒素)が大きく関わっています。血管内皮に障害があると、NOの生産量が減って動脈硬化が進展し、1mm~2mmと細い陰茎の動脈(心臓や脳の動脈より細い)に最初の兆候が現れます。それがEDです。高血圧や高脂血症、糖尿病やメタボリック症候群と関連していることもしばしばあり、これらを発見する手がかりにもなります。
40歳が一つの曲がり角
血管内皮の障害は40歳位が境目とされています。この頃から動脈硬化が始まるようです。また、ストレスが多い現代社会においては交感神経が活性化した状態にあることが多く、リラックスした状態になりにくかったり、テストステロン(男性ホルモン)も40歳~50歳位から加齢と共に低下し、EDになりやすくなります。
EDの治療は?
EDにはNOが大きく関わっていると前述しましたが、この働きを間接的に助ける“PDE5阻害剤”が主に使われます。最近では勃起のみではなく動脈硬化や血管全般の機能改善の効果も注目されています。現在日本では3種類があり、持続時間や食事の影響等、それぞれに特徴があります。いずれも医師の処方が必要ですし、それ以外で入手したものは偽物の可能性もありますので注意してください。ただし、心臓等に持病のある方には適さない場合があります。また意欲や性欲等の減退もある場合は、他の病気も考えなくてはいけません。
更新日時:2010年05月17日 17時21分
最近多い、子どもの感冒性胃腸炎
南大沢メディカルプラザ 小児科医師 松居えり子
最近受診されるお子さん達に多いのが感冒性胃腸炎です。感冒性胃腸炎は、毎年冬から春にかけて流行るウィルス感染によるものです。症状の特徴は、最初の1日~2日間吐きます。その後に黄色~白色の水様性~泥状の下痢が、5日~10日間程続きます。中には、最初の1日~2日間熱が出ることもあります。
治療は、第一に脱水症を起こさないことです。吐き気が強い間は、何も与えないでください。吐いてから1時間ほどして、少し落ち着いたら、スプーン2杯くらいの水分をあげてください。10分程様子をみて、吐かないようなら30mlくらいの水分を追加してください。さらに30分程しても吐かないようでしたら、普通に水分を飲ませてください。固形物は、欲しがれば消化の良いものをあげても良いです。水分を摂るから下痢になるのではありません。下痢で水分が失われるからこそ、少量でも頻回に水分を飲ませてあげてください。薬は、対症療法として、吐き気を軽くする薬や下痢止めを処方いたします。
前述のようにしてもなかなか水分が摂れなくて、脱水症状(ぐったりとする・唇がカサカサで口の中も乾いている・泣いても涙が出ない・尿量がいつもの3分の2以下になる…等)があれば、点滴が必要な場合もありますので、すぐに専門医にご相談ください。
更新日時:2010年04月19日 13時50分

花粉症、お困りではないでしょうか?
南大沢メディカルプラザ 消化器内科 林 重之
花粉症とは
鼻水、鼻づまり、目のかゆみが辛い花粉症の時期です。花粉症は毎年2月から4月にかけてスギ、4月から5月にかけてヒノキ、秋頃にはブタクサが代表的です。花粉の大きさは約20~30マイクロで、ホコリ等(0.3マイクロ)に比べ大きいため、鼻や眼に付着しやすく、そのため鼻や眼の症状が主体です。スギ花粉の飛散量は前年度の梅雨の雨量と夏の暑さの度合い(スギの実の成熟度)により決まり、花粉が飛びやすい条件としては、
- 乾燥
- 強風
- 晴天
- 気温の上昇
が挙げられます。また昨年まで無症状に過ごされた方でも今年から突然に花粉症になってしまうこともあります。要注意です。
花粉症の対策
マスクやメガネの着用をしましょう。また外出後の衣類や髪には花粉がたくさん付いています。花粉を室内に持ち込まないように玄関先で脱衣しましょう。花粉が付着しないように、洗濯物は風のあまり吹かない午前中などに干すことも有効です。夜更かしやストレスによる体調不良も花粉症症状を悪化させますので気をつけてください。
薬物療法
点眼薬
大きく分けて抗アレルギー点眼液とステロイド点眼液があります。効果的に良いのはステロイド点眼液ですが、副作用(眼圧上昇など)があり、緑内障や角膜ヘルペスの既往のある場合は禁忌です。
点鼻薬
大きく分けて、
- 抗アレルギー作用
- 抗ヒスタミン作用
- ステロイド
- 血管収縮作用
の4つがあります。症状に応じ使い分けます。
内服薬
内服薬は様々なものがありますが、一般的に鼻汁を止める作用が強くなると、眠気の副作用も強くなる傾向にあります。皆さまの症状やライフスタイルに合わせて選択します。
最後に
冬になると症状の軽い風邪から、咳や発熱を伴う急性扁桃腺炎、急性気管支炎、肺炎まで呼吸器感染症が増加します。花粉症による慢性鼻炎・鼻詰まりから無意識に口呼吸となり、その結果、呼吸器感染症を反復する患者さんをよく経験します (夜にいびきがうるさいと言われる方は要注意です)。口呼吸の改善がなければ再び急性気道感染を再燃します。口呼吸を改善するためには鼻詰まりの治療が重要です。冬になると風邪をひきやすく困っているという方、花粉症(アレルギー性鼻炎)ではありませんか? この憂鬱な鬱陶しい症状を是非一緒に乗り切りましょう。
更新日時:2010年04月12日 13時48分
子どもたちと私
南大沢メディカルプラザ 小児科 志水達雄
ついこの間まで「自分が親になる」など、考えもしませんでした。また、想像しても、果たして務まるものだろうかと不安ばかりがありました。「親になる」とは、自らを律し、かつ自分以外の人間の世話もしなければならないと思っていたからです。
さて、「親になった」らどうでしょうか。長男が産まれても、何と半年近くも「私の、この目の前に存在する、動いている生物は何だろう?」と感じていました。これは診察時の感覚とは明らかに違うものでした。さらに何事もなく元気に育ってくれるかとか、具合が悪くなっても冷静に対応できるかとか、考えればきりがありませんでした。しかし、毎日我が子と触れ合い、相互のやりとりが確立するにつれ、ようやく「ああ、目の前の子が私の子なんだなあ、そして自分は父親になったんだなあ」という実感がわき、気持ちにも少し余裕がもてるようになりました。
長男誕生から1年11ヶ月後に次男が、さらに2年6ヶ月後に三男が産まれました。今から振り返れば、長男が産まれた時のあの戸惑いは、時間が経てば徐々になくなっていくもので、それはまた親になる心の準備期間であった、ということに気付きました。
日々の診療をしていると、「~しなければならない、余裕がない」という表情の親御さんがしばしば来院されます。育児書にはそう書いてあるから、「~しなければならない」と思い込んでしまうのです。育児に一生懸命な故に、かえって身動きが取れなくなってしまうのでしょう。しなければならないことも勿論たくさんあり、余裕を持てなくなる時もあると思います。しかし、不安を持つ時は親として成長する時でもあります。「育児は育自」で、親と一緒に成長するものなのです。私も子どもたちに恵まれなかったら、このような感覚を持たずに小児科医をしていたと思います。皆様も子どもたちと真っすぐ向き合い、共に成長していきましょう。
更新日時:2010年03月23日 10時50分