頭部の打撲について
2008年06月27日 11時16分
頭は丸い球のような形をしており、ぶつけた部分は、平らではありません。また、脳脊髄液という液体の中に脳が浮かんでいるという、他にはない特別な環境です (厳密には、くも膜梁柱という細かい組織で支えられています)。
私は、もっぱら見るのが専門ですが、サッカーボールを蹴ったところを想像してください。蹴り方によって、
- ボールが回転しないで飛んでいくもの (まっすぐな力)
- くるくると回転しながら曲がって飛んでいくもの (回転する力) があります。
頭は、首がありますから転がることはありませんが、実はボールと似たような現象が脳にも起こるのです。
脳は「おとうふ」のように柔らかく、頭の骨は厚く硬いものです。外から力が加わると、骨は硬いため、その力が脳にかかります。脳に 1.のような力がかかると、脳内、その周りの膜や血管に傷がつきます。2.のような力がかかると脳にねじれが加わり、脳内や脳の外に出血を伴うことは少ないにしても、神経が広い範囲に渡って切れ、頭のCT、MRI写真では、たいしたことがなくても意識や状態が悪いこともあります。頭を打った時にぼーっとなったり、ふらふらするのは、こういった脳が受けた外力によるものなので、必ず検査を受けることをおすすめします。
赤ちゃんは、すぐ泣いたり、きげんがよく、ミルクや食事がとれていれば心配ないことが多いですが、頭の骨が柔らかいため、骨がへこんだり、ひびがはいることがあり、成長とともに、そのひびが大きくなることもあるので注意が必要です。ご年配の方は、打撲時は問題がなくても、1~2ヶ月して脳と骨の間にゆっくりと血液がたまってくることもあります (慢性硬膜下出血)。
頭部の打撲後、特に24時間以内は何が起きるかわかりません。痛みが継続したり、吐き気、ふらつきなど、いつもと違う何かを感じたら、いつでもいらしてください。外傷は、2~3分で検査出来るCTでの迅速な診断が重要であり、当院ではそれが可能です。気軽にご相談ください。



