乳がん検診のすすめ
田村クリニック 外来医長 長束美貴
乳がんは年々増え続けていて、今では20人に1人が乳がんにかかり、年間約1万人が乳がんで死亡しています。また、女性の壮年層(30歳~64歳)のがん死亡原因のトップであり、社会の中心世代である45歳から49歳に発症のピークがあるため、社会的な影響も大きいのです。
「私は乳がんにならない」「がん家系じゃないから大丈夫」「若いから大丈夫」など、乳がんを他人事のように思っている人も多いのではないでしょうか? 最近は、有名人が自ら乳がんであることを告白したり、マスコミで乳がんを取り上げる機会も増えたので、皆さんも関心は持っていると思いますが、実際に乳がん検診を受ける人はまだまだ少なく、日本では対象人口の1割くらいの人しか検診を受けていないのが現状です。
検診内容は、乳房の視触診、マンモグラフィー、超音波検査になります。今でも乳房の視触診だけの検診が多いと思いますが、小さなしこりやしこりを作らないタイプの癌は、視触診だけでは見落とされる可能性があります。乳がんの早期発見のためには、マンモグラフィーか超音波検査のどちらか一方、または両方の検査を組み合わせることをおすすめします。
マンモグラフィーは、乳房を板で圧迫してレントゲンを撮るので痛みを伴うこともありますが、しこりとして触わることのできない早期の乳がんや石灰化の発見に有用な検査です。超音波検査は、痛みもなく簡便に行えます。数袢の小さなしこりも発見できる精度の高い検査で、人体に無害なので、妊娠中の方でも検査ができます。また、この二つの検査にはそれぞれ長所と短所があるので、どちらの検査をすれば良いのか迷う場合は、一般的な目安として、30代の人は超音波検査、40代は超音波検査とマンモグラフィー、50代以上はマンモグラフィーを受けて頂くと良いと思います。「今まで調べたことがない」「何となく気になって心配」「家族・親戚に乳がんの人がいる」という方は、ぜひ乳がん検診を受けて下さい。
当院は、マンモグラフィーと超音波装置を完備しています。乳がん検診だけでなく、自覚症状のある人(しこりがある、乳頭から分泌物が出る、など)も随時診察を受け付けていますので、ご相談下さい。
更新日時:2008年07月31日 13時55分
頭痛って何…
ふれあい町田ホスピタル 医師 池谷義守
頭痛は、誰しもが経験し、経験したことがない、という人はいないほどです。最近では、頭痛学会もできているほど、注目度の高い、気をつけなければならない病気です。
頭痛には、色々な種類がありますが、大まかに分けると2種類です。脳に病気がある器質性のものと、脳に病変のない機能性のものです。器質性のものには、脳腫瘍、くも膜下出血が該当します。また頭痛と一口に言っても、肩こりによるもの、片頭痛、群発性頭痛など様々です。
原因は症状によって異なりますが、睡眠不足、ストレスによって誘発することがありますので、よく寝て、適度な運動をして、と規則正しい生活を心掛けるとよいでしょう。
何よりも、まず何が原因で起きている頭痛なのかを知ることが大切です。それによって生活スタイル、予防法も変わりますので、頭痛が起きた場合は、病院で診察を受けましょう。「こんなことで、病院に来るなんて」という先生は今は殆どいません。「たかが頭痛」ではなく「されど頭痛」なのです。一度気軽に専門医にご相談下さい。
更新日時:2008年07月31日 13時52分
下痢について
クラーク動物病院 八王子医院 獣医師 井手香織
最近、軟便や下痢で受診される患者さんが多い傾向にあります。急な食事の変更以外には、特に室内飼育の場合、盗食・誤食が原因であるケースが多いので、動物たちを過信せず、日常的に注意が必要です。また、むやみに人間の食べ物を与えるのも良くありません。便の異常があるときは、まず検便が大切なので、なるべく便をご持参下さい。
若齢の場合や屋外飼育の場合は、原虫・寄生虫関係もよく見つかります。また、腸内細菌バランスの乱れも比較的多く認められます。
これらの原因が除外されても、なお便の異常が慢性的に続く場合や、高齢で少しずつ悪化する場合は、重大な疾患が隠れている場合もありますので、X線検査、超音波検査、内視鏡検査と必要に応じて行うことが大切です。気になるときは、ためらわずにご相談下さい。
更新日時:2008年07月31日 13時49分
時代はインプラントへ
京王堀之内阿部歯科医院 国際インプラント学会米国認定医 阿部 健
誰でも「抜けた歯が再び蘇るなら」と願っています。歯は失って初めてその有り難みがわかるもので、歯のない不自然さを嘆く方々は大変多いです。インプラントは、そんな方々のためにできた第三の歯と言えましょう。
よく皆様から「インプラントの手術は痛くないですか?」という質問を受けます。手術中は局所麻酔が効いているため無痛です。治療後は処方された薬をきちんと内服し、消毒にも通って手術した部分の清潔を心がけることが大切です。歯を抜く時と同じ麻酔状態で行う処置ですが、数ヶ月後に完成するインプラントの人口歯根を埋めるという気持ちのためか手術後の患者様の顔は明るいです。
入れ歯で悩む時代は終わりました。不自由さから解放され美しさと若さを取り戻すインプラントをぜひお試しください。やって良かったと皆様に喜んでいただければ。
更新日時:2008年07月31日 13時48分
熱中症
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
今回は臨時に熱中症の話をします。熱中症は暑い環境で発生する障害の総称で、
- 熱失神:皮膚血管の拡張による血圧や脳血流の低下(眩暈、失神)
- 熱疲労:脱水による倦怠感、脱力感、頭痛、嘔気
- 熱痙攣:発汗した時水しか補給しないと血液中の塩分が薄まり手足や腹部の筋肉が痙攣する
- 熱射病:体温上昇による中枢神経障害で意識が混濁し、全身の内蔵障害も起こる危険な状態
の4型があります。
発生には気温 (特に急に暑くなった時)、湿度 (高いほど危険)、直射日光、風速、運動強度が関係し、体が暑さに慣れていない時が危険なので慣れるまで運動は控えめに、汗をかいた時は食塩水の摂取が有効ですが、イオン飲料等は塩分がやや薄いので500裨に塩1裼を加えるか、自家製なら水1褄に対して塩3~4裼に角砂糖2~3個とレモン果汁で味を調えると良いです。
更新日時:2008年07月31日 13時45分
原発性胆汁性肝硬変4
井上内科クリニック 院長 井上智雄
前回は原発性胆汁性肝硬変(PBC)に対して、20年程前より治療に使われているウルソデオキシコール酸(UDCA)という薬についてお話ししました。
10年程前からベザフィブラートという薬も PBC の治療に使われています。ベザフィブラートは元々は高脂血症の代表的な治療薬で、中性脂肪の高い方で現在も広く使われています。UDCA と同様に ALP やγ-GTP などの胆道系酵素を含めた肝機能異常の改善や肝臓組織での胆管炎の改善効果もあります。UDCAで十分な治療効果が得られない場合に、ベザフィブラートを併用することで更なる治療効果が期待できます。
皮膚科医より一言
過度の日焼けは痛みが強く紅斑・浮腫・水疱等を生じます。ステロイドの軟膏やスプレー剤等による治療が有効ですが、日焼け止めによる予防が大切です。
更新日時:2008年07月31日 13時35分
夏季の主な感染症
唐木田こどもクリニック 院長 向後俊昭
ウイルス感染症としては、手足口病 (手足、口腔粘膜の発疹)、ヘルパンギーナ (発熱と口腔粘膜の発疹)、咽頭結膜熱 [プール熱](発熱、咽頭炎、眼の症状)等です。一般的な感染経路は糞口あるいは飛沫感染で、潜伏期は3日~6日です。予防策は、患児に近づかない、手洗いを、特にトイレの後はしっかり行うことが大切です。プール熱の場合は、泳ぐ前後にシャワーを浴びること、タオルは共用しないこともあります。
細菌による溶連菌感染症(発熱、咽頭痛、イチゴ舌、発疹など)は飛沫感染で、潜伏期は3日~5日です。早期診断と治療で腎炎などの合併症を防ぐことが大切です。尚、夏季は食中毒も要注意です。予防対策の三原則は、
- 菌をつけない(洗浄・消毒・清潔)
- 菌を増やさない(迅速処理)
- 菌を死滅させる(加熱)
などです。
更新日時:2008年07月31日 13時32分
お口の健康と水分補給
永山センター歯科 歯科医師 澤江佳子
いよいよ夏本番、喉が渇く季節です。現在は、ペットボトルでジュースやお茶が気軽に飲めるので便利です。しかし、飲む種類や飲み方によっては、お口の健康を損ねているかもしれないということをご存知ですか?
お口の中は飲食によって唾液のPHペーハーがグンと下がり酸性になります。歯は酸性下では溶解しやすくなるのです。ただしお口を満たす唾液には緩衝機能といってPHを元に戻す機能が働くので、実際は、簡単に溶けません。しかし絶えず炭酸飲料や甘いジュースを飲んでいると、歯は溶けやすくなります。では他の飲み物なら大丈夫かというと一概には言えません。日本茶、麦茶はOKですが、コーヒー、紅茶はかなりの砂糖が含まれているものが多いからです。また、コーヒー等歯に着色しやすいものも注意ください。就寝前の水分補給もなるべくお水が良いでしょう。
更新日時:2008年07月31日 13時27分
在宅医療17
武島内科クリニック 院長 武島英人
癌末期になると痛みが強くなり、次第に苦痛を伴い、不眠が生じることがあります。このような時は、躊躇せず麻薬を用いることが大切です。しかしながら我が国の麻薬消費量は、最も消費の多い米国の1/50、フランスや英国の1/7と、先進国の中でも極端に少なくなっています (癌緩和ケアガイドブック)。このことからも、十分な緩和ケア、すなわち癌の痛みやそれに伴う様々な症状が十分にコントロールされてないことがわかります。その理由の一つとして、日本では緩和ケアの専門機関が少ないことがあげられます。英国ではがん患者の70%以上が緩和ケアを利用しているのに対し、日本では10%以下に過ぎません。では希望の療養場所は、痛みを伴う癌末期の患者さんの場合、約60%が自宅です。一方、自宅で最期を迎えたい人という人は、10%にとどまるようです。
更新日時:2008年07月31日 13時25分
お口の健康139─やっぱり予防歯科(39)─
あきいけ歯科医院 院長 秋池成律
今回もバイオフィルム「歯周病編」です。「慢性歯周炎」には限局性と広範性があります。その中でも経過が早く、2ヶ月足らずで2袢以上も歯肉の付着が失われる重篤な歯周ポケット内には、白血球の攻撃から身を守る膜を持っていたり、酵素の免疫に関係する酵素を分解したり、歯周組織を破壊する酵素を持っている細菌が存在します。さらに、手強いことに、数種類の細菌で特有のバイオフィルムを作り、防御機構に抵抗しています。
他にも、様々な免疫機構に抵抗する細菌が多く存在し、歯周病を起こしています。歯周病で骨が溶けるのは、アレルギーも関係があるといわれている抗体と細菌が結びついた物質が組織に蓄積すると、白血球がこれを排除しようとして排泄する活性酸素や酵素により自分で組織を破壊するからです。その他にも様々な因子が関係しています。
更新日時:2008年07月31日 13時19分