健康生活ー運動の効用
多摩海上ビル診療所 院長 飯島敏彦
「健康生活」を得るためには運動・栄養・休養の3要素がバランスよく実践されていることです。しかしなかなか実践できないのが、運動です。つい億劫になってしまいがちですが、運動にはいくつもの効用があります。
- 循環・呼吸機能の亢進
- 骨格筋の増大
- 体脂肪の燃焼
- 動脈硬化の抑制
- 体内カルシウム代謝の改善による骨粗鬆症への効果
- 免疫力の向上
など。そして各効果を効率良く得るには、それに見合った運動強度があります。(1)(2)には少しハードと感じる中等度以上の強度が必要で、(3)〜(6)にはウォーキング(毎分80〜100m)が良く、一般の方はこちらから始めるのが良いでしょう。若い方や運動慣れしている方はダンベル(3〜5kg)やジョギングもお薦めです。ポイントは持続すること。基礎代謝がアップして、同じ運動でも段々効率良く脂肪が燃え筋力がつきますよ。
更新日時:2008年06月03日 15時56分
原発性胆汁性肝硬変2
井上内科クリニック 院長 井上智雄
原発性胆汁性肝硬変(PBC)には、まったく症状が無く検診や他の病気の治療中などに偶然見つかる無症候性PBCと、皮膚の痒みに始まり黄疸、倦怠感や時に門脈圧亢進症による食道や胃の静脈瘤からの出血で見つかる症候性PBCがあります。
無症候性PBCも20%程は、症候性PBCに移行するので定期的な検査と治療が行われます。PBCの正確な病因は不明ですが、自己免疫疾患と考えられています。肝臓に慢性非化膿性破壊性胆管炎という、細い胆管の特徴的な炎症所見があり、90%以上の方で抗ミトコンドリア抗体という自己抗体が陽性で、シェーグレン症候群、慢性関節リウマチ、橋本病などの自己免疫疾患を合併することがあります。
皮膚科医より一言
チャドクガの毛虫皮膚炎が出始めました。ツバキの木に発生することが多いのでご注意ください。
更新日時:2008年06月03日 15時55分
免疫介在性溶血性貧血
クラーク動物病院 八王子医院 獣医師 井手香織
自分の赤血球が自分の免疫系によって壊されてしまい、急激に貧血になってしまう病気、これが免疫介在性溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血)です。猫よりも犬で多く、コッカースパニエルなど、起こりやすい犬種が知られていますが、どの品種でも起こりえます。一番分かりやすい症状は、元気・食欲の急な低下です。口の中などの粘膜のピンク色が、白くなったり、黄色くなったり(黄疸)もします。また、尿の色がオレンジ色に近いほど濃くなることもあります。
治療は、免疫抑制療法が第一選択です。重度の貧血は生命の危険につながり、治療をしても残念ながら生存率は50%前後というやっかいな病気です。しかし、しっかりと適切な治療をすることによって、良好にコントロールできる可能性も十分ありますので、疑わしい症状が現れたら早めに受診しましょう。
更新日時:2008年06月03日 15時54分
インプラントだからこそ
京王堀之内阿部歯科医院 歯科衛生士 大島 麗
インプラント治療とは、歯のない場所に人工歯根を埋め、その歯根に独立した一本の歯を作るもので、一度失った歯を甦らせるという意味で、ブリッジや入れ歯とは全く異なった治療法です。ブリッジや部分入れ歯は、他の歯を削ったり、残りの歯にバネをかけたりしなければなりませんが、インプラントは独立しているため健康な歯に負担をかけません。また、自分の歯と同じように噛めるだけでなく、精神的な若々しさを取り戻すことができます。
このようなメリットを持つインプラントだからこそ、快適さを維持して頂くためには、定期的なメンテナンスとセルフケアが必要不可欠です。インプラント治療に区切りはあっても完了はありません。定期的な歯科医師の診察とクリーニングと丁寧なセルフケアで、是非インプラント治療の快適さを味わって下さい。
更新日時:2008年06月03日 15時53分
メタボ対策(1)
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
ご存知の方も多いと思いますが、今春から従来の八王子市基本健診に替わり、メタボリック症候群(メタボ)対策に重点をおいた特定健診が始まりました。ウエスト径によって内臓脂肪の蓄積を類推し、男性85cm以上、女性90cm以上の場合に脂質異常、高血圧、空腹時高血糖、喫煙歴からメタボとその予備軍を判定して動脈硬化にならないよう支援していく、というものです。具体的な数値については専門家の間で異論はありますが、自分の体の状態を知る意味でも一度検査してみてはいかがでしょうか。
また、小児のメタボにも注目が集まっており、厚生労働省による6歳〜15歳児の診断基準ではウエスト径が中学生80cm以上、小学生75cm以上、またはウエスト径(cm)÷身長(cm)=0.5以上の場合は脂質、血圧、空腹時血糖を測定して判定する、となっています。
更新日時:2008年06月03日 15時42分
骨粗鬆症とは(3)
ふれあい町田ホスピタル 副院長 市原眞仁
今回は骨粗鬆症の治療についてお話しします。
骨粗鬆症は骨量が減り、骨折しやすくなります。治療薬は大きく分けて3種類あります。骨形成を促すもの、骨吸収を抑制するもの、カルシウム剤です。治療することによって、将来大腿骨や脊椎、手首などの骨折を予防することが期待できます。また、背中や腰の痛みを伴う場合には、カルシトニンを筋肉に注射し、和らげる治療法もあります。
50歳以上の女性、過去に骨粗鬆症で骨折した方、身長が縮んで背中・腰に痛みを抱えた方等は 治療を受けることをお勧めします。
骨粗鬆症であるかどうかは、尿検査、血液検査、脊椎のX線検査、骨密度で識別します。治療効果の判定は骨代謝マーカーや骨密度を検査し、その変化を見て行います。
今後は骨を強くするだけでなく、弾力性がある質の良い骨を作る薬が求められており、現在開発が進められています。
今、最も多く使われている薬剤は骨を硬くする効果が非常に強く、顎の骨の骨壊死を起こしてしまうことがあります。歯を抜く必要がある時は、使用を控えた方が良い場合もあります。
更新日時:2008年06月03日 15時37分
乳幼児の免疫力(1)
唐木田こどもクリニック 院長 向後俊昭
免疫力とは、有害なものから身を守り、病原体に対する抵抗力を獲得する働きをいいます。一般に新生児は病気に罹りやすいと考えられています。しかし母親の抵抗力(抗体)が胎盤を通って、児に与えられて感染を防いでいます。この現象を母子免疫といい、与えられた抗体を移行抗体といいます。この抗体によって防がれている疾患に、麻疹、風疹、おたふくかぜ等があります。一方、百日咳、水痘の移行抗体は少ない場合があり、感染することがあります。一般に乳児期早期の百日咳は重症化します。ポリオに対する抗体は胎盤を通過できず児に移行しません。結核は免疫細胞によって防御されており、これを細胞性免疫といい、母子免疫は成立しません。したがって、百日咳、ポリオ、結核に対しては乳児期早期に予防接種を受け、乳児自身が免疫力をつけなければなりません。
更新日時:2008年05月01日 11時24分
原発性胆汁性肝硬変1
井上内科クリニック 院長 井上智雄
原因となるような薬の服用歴や飲酒歴もなく、肝臓や胆嚢・胆管の手術歴もないのに、市検診や人間ドックの血液検査でALPやγ‐GTPといった胆道系酵素を中心とする肝機能検査異常が認められることがあります。再検査でもALPやγ‐GTPが高く、腹部超音波検査で肝臓に腫瘍等の占拠性病変や胆嚢・胆管系に異常もみられず、特に女性の場合には、原発性胆汁性肝硬変(PBC)という病気の可能性があります。肝硬変の研究からこの病気が見出されたために付いた名前で、全く自覚症状も無いのに、突然、肝硬変と言われて驚かれる方が殆どです。特殊な病気ですが、時々診療する機会のある病気です。詳しくは次回で。
皮膚科医より一言
足白癬(水虫)で受診される方が増えてきました。皮膚の白癬症はぬり薬で、爪の白癬症(爪水虫)は飲み薬で治療します。
更新日時:2008年05月01日 11時21分
インスリン療法の話
多摩センター クリニックみらい 副院長 藤井仁美
インスリン注射をご存知でしょうか? 血液中の糖を細胞で使ったり蓄えたりする時の「鍵」の役割をするホルモンです。「注射をするようになったら糖尿病もおしまい」と思っている人もいるかもしれませんが、最近では比較的早期からインスリンできちんと血糖を下げ、疲弊したすい臓を回復させましょうという治療が行われます。内服薬を飲みながら一日一回、例えば寝る前だけインスリンを注射するという方法もとられています。去年末日本で発売になったインスリンは血糖がばらつきにくく、肥満が助長されないということが注目を集めており、この世界も日進月歩です。
さらに、来たるべきインスリンが飲み薬になる、あるいはすい臓を再生する時代までに合併症を悪化させないように、「糖尿病」を大事にコントロールしていきたいものです。
更新日時:2008年05月01日 11時18分
お口の健康136—やっぱり予防歯科(36)—
あきいけ歯科医院 院長 秋池成律
今回も「バイオフィルム」について話します。
歯肉の上、つまり歯に着いているデンタルプラーク中に最も多いのはミュータンス菌で大きさは1μmで、1mmの長さに、1,000個が並んでいる計算になります。1mgの重さで10億の細菌が存在することになります。特に歯に着く細菌のバイオフィルムは80%位は死んでいますが、密度が高くなっています。歯に着いている細菌は、唾液中のアミノ酸を栄養にし、歯周ポケット内の中の細菌は、歯肉からの滲出液を主に栄養にしています。唾液中には抗菌性物質があり、それらに抵抗できるのが、バイオフィルム中の細菌なのです。最も有名なのはミュータンス菌で、乳歯が萌出直後から検出され、小学校でかなり多く検出されます。親から子への感染で増えるので、親の菌を減らすことで、子のう蝕も減らせることがわかっています。
更新日時:2008年05月01日 11時15分