
くも膜下出血 その2
田村クリニック 脳神経外科医師 稲次忠介
やっと不安定な気候から抜け、陽射しも強くなってきましたが、皆様お元気でしょうか。
さて、今回は、くも膜下出血の第2弾として、発症、検査、治療といった内容にふれていきます。「突然起きた、今までに経験したことのない頭痛」「バットで後頭部を殴られたような頭痛」という、「突然」で「激しい」頭痛の場合は、注意が必要です。よく判断がつきにくい頭痛として「後頭部に突然の鋭い頭痛が、10分おきぐらいに生じる」というもので、多くは後頭神経痛、筋緊張性頭痛(肩こり、首こり)だったりする可能性があり、これは一時的なものがほとんどで、心配ないこともあります。また、意識消失、めまいなどが主症状の場合もあります。小生が救急病院勤務時代に、継続する軽い頭痛で歩いて来院され、くも膜下出血でそのまま入院になった方も、ごくまれにいらっしゃいました。
皆様の質問に「くも膜下出血の前兆の頭痛はありますか?」というものが多くあります。2週間ぐらい前の前兆頭痛が約20%~30%あるとも言われていますが、詳細は不明ですし、心配のいらない頭痛との鑑別が専門医師でも困難な場合が多いのが現状です。しかし、前兆を示す局所の症状で、動眼神経麻痺というのがあります。動眼神経とは、眼を動かしたり、瞳の大きさの調節を行ったり、まぶたの開きを調節したりする神経です。物が二重に見えたり、片方の上まぶたが開きにくかったりする場合は、すぐにご相談ください。くも膜下出血の原因である脳動脈瘤がその神経を圧迫している可能性があります。その他、心配な場合は、画像検査(MRI/MRA)のできる脳ドックでの精査をおすすめいたしますし、どうしたらよいか判断がつかない場合は、外来でご相談ください。
続いて、「くも膜下出血の診断はどうするか?」という問題ですが、まずは頭部CTです。この機械が導入されてから飛躍的に診断能力があがりました。CTで診断できる確率は発症24時間以内であれば、90%以上と言われています。診断できないものは、腰椎穿刺(腰の背骨の間より針をさして脳脊髄液をとります)を行って診断します。もともと、脳脊髄液は無色透明の液体ですが、くも膜下出血があれば薄い赤色を、出血から時間が経過していればやや黄色みをおびています。しかし、腰椎穿刺は再出血を助長することもあるので慎重な対応が必要です。
くも膜下出血の診断が下されたら今度は、どこの血管に異常があるかを判断しなければなりません。最近は診断機械の向上で、CTの機械を使用して、点滴で静脈から造影剤という血管を染める薬を流しながら撮影することで、30分以内に血管の状態が診断できます。特殊なCTの機械ですが、脳神経外科のある手術ができる病院では、ほとんどが備えています。また、それがなくても脳血管撮影というカテーテルを使用した検査を行えば、診断はつきます。カテーテルという管を挿入するのは抵抗があるかもしれませんが、造影剤の量は少なくて済みますし、診断精度は高いです。MRI/MRAも以前は診断が困難とされていましたが、現在は高速で撮影でき、診断のできる機械がでてきています。
動脈瘤と診断された場合、患者の全身状態、重症度、年齢、動脈瘤の大きさ、形や部位により治療方針を検討します。基本的に治療方法は、頭を開いて動脈瘤に血液が行かないようにするネッククリッピング術、頭を開かずに動脈瘤に血液がいかないようにする血管内治療によるコイル塞栓術があります。破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血は、3つの病態から成り立っています。
- 破裂による出血
- 脳血管れん縮(出血が血管に悪さして血管が細くなり脳梗塞をきたしてしまい、程度によっては大きな後遺症や生命にかかわる場合もあり治療が難しい病態)
- 脳脊髄液の循環障害による水頭症
です。前述の手術で治療できる病態は(1)のみです。(1)が成功しても、1~2ヶ月ぐらいの間に(2)(3)で予後が悪くなる方もおられます。この病気は奥が深く、難題が山積みです。救急病院の脳神経外科医師の方々は日夜奮闘されています。
今回は、くも膜下出血の、発症、診断、治療を簡単にまとめてみました。何かご相談があれば当院へご連絡ください。次回は「嚢状動脈瘤と解離性動脈瘤のちがいは?」をお話しいたします。
更新日時:2010年06月03日 10時09分
やっぱり電動歯ブラシ!
ななくに歯科 院長 深沢宗主
歯磨きの方法を変えてみたい方は、電動歯ブラシを使ってみてはどうでしょうか? 30歳以上の約80%が歯周病と言われ、むし歯は昔に比べて大きく減ったものの、やはり存在します。しっかりと歯を磨いているのに、歯周病とむし歯になってしまう、この事実に対してしっかりと向き合わなくてはいけません。解決方法は、
- 正しい予防の知識を知って歯みがきの方法を見直すこと
- 歯科医院で汚れを落とすこと
この2つです。今までの方法では、むし歯と歯周病は再発するでしょう。電動歯ブラシは、現存する歯磨きの道具として最高の方法であると言っても過言ではありません。その電動歯ブラシ『フィリップス ソニッケアー』を数量限定で、通常18,270円を12,600円で販売致します。この機会にぜひ、お使い下さい。
更新日時:2010年06月03日 04時54分

胃腸の不調でお悩みの方へ
南大沢メディカルプラザ 消化器内科 林 重之
最近は多忙で不規則な生活からのストレスで、胃重感、下痢、便秘などの腹部症状に悩まされている方が多く受診されます。皆さん“機能性消化管障害”という病態をご存知でしょうか。これは検査で異常が認められないにもかかわらず、消化器症状(胃痛、胃もたれ、腹痛、腹部不快感、下痢、便秘)などを繰り返す疾患です。つまり消化管の機能(動き)が障害されている疾患であり、生命を脅かす疾患ではありませんが、つらい症状に悩まされます。代表的なものは、機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群があり、両者は合併しやすい性質があります。
機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)
胃部不快感、心窩部痛、食後のつらい胃もたれ感、早期満腹感などの上部消化管症状が中心です。つらい症状は常に安定して存在するわけではなく、時間とともに大きく変化し一定していません。常に、程度も頻度も様々な不定症状が続きます。原因は様々ですが、中でも最近は、胃酸が症状発現に大きく関与していると考えられています。胃酸分泌が亢進し胃内の酸性が強くなると、胃のぜん動運動が抑制されFDが出現します。これらの症状を軽減していくためにアルコールの飲みすぎに注意する、可能な限り禁煙する、睡眠を十分にとる、さらに適度な運動などを行いストレスをためないことが必要です。食生活では毎日3度の食事をきちんと規則正しく食べる、その際にはゆっくりと良く噛む、一度に食べすぎない、また食事の内容にも注意が必要で甘いもの、脂肪分の多いもの、硬いものを控え、揚げ物や濃い味付け、強い香辛料の使用を避け、焼いたり蒸したり煮炊きして消化を良くして食べましょう。薬物治療は、基本的には最初に胃酸分泌を抑えるH2ブロッカーで治療を開始し、症状の改善具合に応じて消化管運動機能改善薬や抗うつ薬を併用します。内服治療を行いながら肉体的精神的ストレスの解消を行うことで速やかな症状の改善が期待されます。
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)
腹痛や腹部不快感を伴う下痢や便秘を繰り返す下部消化管症状が中心です。症状は緊張を強いられる会議や試験の時におなかの調子が悪くなる、おなかが痛くて学校や行事に行けないなど、具体的には腹痛、おなかの張り、おなかの不快感、おなかが鳴るなどの症状が出現します。病型は、下痢型と便秘型があります。我が国では人口の約10~15%がIBSに罹患していると考えられ、男性では下痢型が多く、女性では便秘型・混合型が多いことがわかっています。また有病率は20代、30代の若い年代で高い傾向にあり、不安、緊張などから消化管運動異常や内臓知覚過敏などが出現する脳腸相関の悪循環が指摘されています。
1. 下痢型IBS
通勤や通学途中で駅に降りトイレに行かなければならない、下痢軟便が1日2~3回以上起こる、いつ下痢になるか不安に思うなどの症状があります。トイレの場所に詳しくなったら要注意です。
2. 便秘型IBS
排便回数が減少したり、便が出にくかったりする、コロコロしたウサギのふんのような便が出る、便が出なくて不安になる、便が出ないことが気になるなどの症状があります。
IBSの治療は食事生活指導から開始し、詳細な問診から個々に適した薬物療法を開始します。詳しくは遠慮せずにお尋ねください。日常生活では休息・睡眠を十分にとり、散歩などの軽い運動を生活に取り入れましょう。またスポーツや趣味で気分転換を行い、ストレス解消を心がけることも大切です。食生活では毎日3度の食事をきちんと規則正しく食べ、その際にはゆっくりと良く噛み、一度に食べすぎないようにし、胃腸に負担をかけないようにしましょう。また下痢の時は冷たいもの、脂っこいもの、辛いもの、お酒、コーヒー、炭酸飲料を控えるようにしましょう。
最後に、FD、IBSの診断はいずれも“胃カメラ、大腸内視鏡、腹部エコー・CT、血液検査で異常がないこと”が大前提となっています。胃腸や肝臓、胆のう、膵臓などに病変があり、その結果FDやIBSと似た症状を呈していることもあり要注意です。長く症状に悩んでいる場合は、まず症状から機能性消化管障害として食事・薬物療法を開始し、並行して胃カメラ、大腸内視鏡や腹部エコー、CT検査による精査をお勧めします。おなかがすっきりせずにお悩みの方は、是非お尋ねください。
更新日時:2010年05月25日 01時00分
ED(勃起障害)は生活習慣病
南大沢メディカルプラザ 泌尿器科 伊藤貴章
EDって何?
以前は全く勃起しないことを意味するインポテンツという言葉がありましたが、今では勃起するまでに時間がかかる、勃起の持続時間が短い、性交渉の途中で萎えてしまう、という状態を含めてED(勃起障害)といいます。
EDの原因は動脈硬化?
確かにEDには心の問題が大きく関わっていることもあります。しかしながらEDの発症には血管内皮から出るNO(一酸化窒素)が大きく関わっています。血管内皮に障害があると、NOの生産量が減って動脈硬化が進展し、1mm~2mmと細い陰茎の動脈(心臓や脳の動脈より細い)に最初の兆候が現れます。それがEDです。高血圧や高脂血症、糖尿病やメタボリック症候群と関連していることもしばしばあり、これらを発見する手がかりにもなります。
40歳が一つの曲がり角
血管内皮の障害は40歳位が境目とされています。この頃から動脈硬化が始まるようです。また、ストレスが多い現代社会においては交感神経が活性化した状態にあることが多く、リラックスした状態になりにくかったり、テストステロン(男性ホルモン)も40歳~50歳位から加齢と共に低下し、EDになりやすくなります。
EDの治療は?
EDにはNOが大きく関わっていると前述しましたが、この働きを間接的に助ける“PDE5阻害剤”が主に使われます。最近では勃起のみではなく動脈硬化や血管全般の機能改善の効果も注目されています。現在日本では3種類があり、持続時間や食事の影響等、それぞれに特徴があります。いずれも医師の処方が必要ですし、それ以外で入手したものは偽物の可能性もありますので注意してください。ただし、心臓等に持病のある方には適さない場合があります。また意欲や性欲等の減退もある場合は、他の病気も考えなくてはいけません。
更新日時:2010年05月17日 17時21分
春の健康診断をおすすめします!
田村クリニック健診センター 循環器内科医師 東條 美奈子
さわやかな5月の風に木々の緑もまぶしく、とても過ごしやすい季節となりました。皆さま、お元気にお過ごしでしょうか? いよいよ今年度も健康診断がスタートします。
あなたは健康診断を、毎年お受けになっていますか? 何の症状もないから私だけは安心!と思っているうちに、自覚症状がないまま病気が進行してしまうことがあります。健康診断はご自分のからだの状態を知り、病気になりやすい体質を把握し、深刻な病気を未然に防ぐのに効果的です。気がついたときには手遅れだった…なんてことにならないためだけでなく、あなたの大切な人のためにも定期的に健康診断を受けましょう。
2008年4月から実施されている「メタボ検診」は、国民健康保険、各種健康保険組合に対し、その実施が義務付けられています。この「メタボ検診」は、より早い段階で予防的措置を講じることにより動脈硬化を予防し、重篤な心血管病を防ぐことで、病気によって生じる個人的負担はもちろんのこと、ご家族や社会全体の負担を減らすことが期待されています。
特に検診を受けなかったからといって、受診者の皆さんにペナルティーはありません。しかし、受診率や改善率が低い場合、健康保険を運営する市区町村や企業などに対する補助金が10%の範囲で増減されるなど、財政的なペナルティーが科せられます。これらは各健康保険組合の財政を圧迫し、保険料の値上げにもつながる可能性があるため、メタボ検診を行う医療機関の質を見極めることも重要です。
では、メタボ検診でメタボと判定された場合はどうなるのでしょうか?その場合、食事や運動に対する保健指導や、医療機関を受診するようにといった判定・指導がなされます。せっかくお受けになった検診を無駄にしないためにも、ぜひ、保健指導を参考に、未病のうちに病気の芽を摘み、健康で楽しい生活がおくれますよう、メタボ検診を有効にご活用ください。
早期発見・早期治療は、メタボだけでなく、がんについてもとても大切です。現在のメタボ検診には「がんのチェック」は含まれませんので、がん検診については、別途、人間ドック等で個人的に長期プランを立て、定期的に検査していくことをお勧めいたします。
更新日時:2010年05月11日 11時34分

くも膜下出血 その1
田村クリニック 脳神経外科医師 稲次忠介
4月半ば過ぎまで、雨やら雪やらが降り、服も何を着たらよいものか悩んでしまう日々が続きました。皆様いかがお過ごしでしょうか。体調を崩されている方も多いと思います。くれぐれもお大事になさってください。
若くして病気に倒れたアスリートの衝撃的な映像をご覧になった方も多くおられ、記憶に新しい「くも膜下出血」という病気についてお話をしてみたいと思います。実は、当院をはじめ多くの医療機関で、この日以来、多数の患者様のご相談を受けております。インターネット、新聞、雑誌、テレビなどの情報で皆様の知識は相当あると思いますが、専門的な立場から整理してお話ししたいと思います。
「くも膜下出血」は、「脳内出血」とは異なります。脳表とそれを包んでいるくも膜という間の脳脊髄液が流れているところに、血管から流出した血液が広がっていく病気が「くも膜下出血」です。ですから、脳表面全体に健康なときにはない血液が行き渡りやすい状態になり、脳全体に影響を与えてしまい、重傷化してしまうことが多いのです。交通事故などで起こる外傷性のものと、血管のこぶ(動脈瘤)や血管の異常による非外傷性のものがあります。今回は、この非外傷性のもののなかで、
- 破裂脳動脈瘤
- 解離性脳動脈瘤
に的を絞ってお話ししたいと思います。
くも膜下出血の日本での発症率は、人口10万人に対して年間約20人と言われ、男女比は女性が2倍と多い傾向にあります。脳血管障害のなかで、くも膜下出血の割合は増加傾向で、死亡率も男性が横ばいであるのに対して、女性は倍増してきており、女性の生活習慣の変化によるものが考えられています。発症年齢は、男性45~55歳、女性65~75歳にピークがあるようです。
破裂脳動脈瘤とは、血管の分かれ道の部分にできやすい血管のこぶが破裂する病気です。一般的に動脈瘤全体が破裂してしまうのではなく、その一部の壁が薄くなっている部分が破け、出血すると言われています。実際に手術をするときに動脈瘤周辺を見ますと出血しそうな薄い壁とそうでない壁とが見られます。脳動脈瘤の破裂危険因子は、喫煙 (相対危険率1.9)、高血圧 (2.8)、1週間に150g以上の多飲酒 (4.7) とされています (相対危険度は数字が高いほど関係が深いと考えてください)。ちなみに、コレステロール、糖尿病、心臓疾患との関連は言われていません。また、体重と身長から計算する BMI という指標をもとにした肥満度で評価すると、意外にも痩せた人にくも膜下出血の発症率が高い傾向にあるとのデータもあるようです。もちろん、ただ痩せているだけではなく、高血圧があって、喫煙があるといった危険因子の組み合わせが大きく影響しているようです。未破裂動脈瘤(くも膜下出血を起こしておらず、脳ドックなどで見つかったものです)の有病率は約2%(人口10万人に対して2千人)で、2親等以内の家族性脳動脈瘤は4~10%に認められます。また、くも膜下出血の発症時間は午前6時~12時、午後6時~8時に多いとも言われています。そういえば、実際に救急病院勤務をしているときも、そろそろ自宅に帰宅しようかなと思っているときに救急依頼を受け、夜通し手術を施行したことが多々ありました。
今回は、紙面上の都合もあり、疫学的な話で終わります。次回は、具体的な発症、検査、治療といったお話をしたいと思います。ご相談がある方は、遠慮なく外来予約をとっていらしてください。また、当院は脳ドックも施行しております。詳細はお電話でご確認ください。
更新日時:2010年04月26日 15時16分
頚椎症性脊髄症とは(2)
ふれあい町田ホスピタル 整形外科医師 原田大朗
頚椎のトンネルが狭く脊髄が圧迫される「頚椎症性脊髄症」の治療についてお話しします。わずかな手足のしびれだけで症状が軽く、MRIで脊髄の圧迫がきつくない方は、薬やリハビリ等の保存療法で症状を和らげます。
しかし、保存療法は、実際の脊髄の圧迫を解消するものではありません。圧迫がきつい場合は、基本的には手術で脊髄の圧迫を解消します。圧迫がきつい、壮年の方は、たとえ症状が軽くても手術を勧めます。年齢を経て頚椎が老化すると、さらに圧迫が強まり、たとえ圧迫が変わらなくても年月が経てば脊髄はまいってしまうからです。また、圧迫されている脊髄は「易損性」といって、軽微な衝撃にも弱く、四肢不全麻痺になる恐れがあるので、予防の意味でも手術をします。年配の方でも進行性の症状の方や、握力の低下、箸・ボタン掛けが不自由、歩行障害、排尿障害のある方は手術をお勧めします。特に若い方は早期の手術を強く勧めます。
症状の程度と進行性、年齢、画像所見を組み合わせて、手術すべきかこのまま様子をみるべきかを慎重に決めます。
更新日時:2010年04月26日 15時15分
在宅医療38
武島内科クリニック 院長 武島英人
5月になり徐々に気温が上昇してくると、寝たきりの方は脱水症が心配になります。また、認知症の患者さんも口の渇きを訴えませんので、水分を定期的に補充してあげてください。私達はよく脳梗塞、心筋梗塞予防のために水分を沢山取ってください、と指導しがちですが、どうやら血液粘稠度の下降には決定的には繋がらず、むしろ夜間頻尿の原因になりやすいのです。夜間頻尿の弊害として、夜間頻回に起きると転倒の危険性が高く、心臓にも負荷がかかりやすいとの報告があります。心臓に負荷がかかっているかどうか、脳性Na利尿ペプチド(BNP)を日常よく測定しますが、これが高くなっている人が多いようです (日経メディカル:北上中央病院・菅谷公男)。前立腺肥大症以外の人で夜間2回以上起きる人は、水分摂取量を調節したほうが良いようです。
更新日時:2010年04月26日 15時13分
歯が抜けてしまったら(1)─再植
永山センター歯科 歯科医師 澤江佳子
事故で歯が抜けた場合は、まず、抜け落ちた歯の周りをあまり触らず、表面を乾燥させないよう牛乳につけ (水道水は禁)、来院ください。歯の周りの細胞(歯根膜細胞)は、水道水の塩素や乾燥に弱いのですが、細胞が汚染されずに生き残りが多ければ再植できるからです。
歯根膜細胞には多分化能があるため、細胞の活性化が高いと再植された歯の周りで組織再生を誘導し、予後が良ければ2ヶ月程で指で押しても動かなくなります。ただし、歯周病で骨が元々なかったり、根の病巣がかなり膿んでいて骨の状態自体があまりよくなかったりすると組織再生がスムーズに行われず、適用が難しいこともあります。
また、抜けた場合だけでなく、治療法としてあえて抜歯して再植することもあります。この再植に対して移植やインプラントという方法もあります。詳細は次回以降で。
更新日時:2010年04月26日 15時12分
新しいワクチン(1)
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
今年になって小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸癌予防ワクチンが発売されました。小児細菌感染症の最多を占める肺炎球菌は肺炎、髄膜炎、菌血症の原因となり、ヒブワクチンと両方接種することで重症細菌感染を予防できます。生後2ヶ月以上9歳以下が対象ですが、集団生活を始めた乳幼児のほぼ全員が1~2ヶ月後にインフルエンザ菌や肺炎球菌の持続保菌者になるため、早めの接種が良いでしょう。一方子宮頸癌は20~30歳代の女性に最も多い悪性腫瘍で性的接触によるヒトパピローマウィルス(HPV)感染が原因ですが、全女性の70~80%は一度は感染し、一部が持続感染状態から前癌病変へ発達するため、ワクチン接種によってHPV感染を防ぐことで癌発生を70%阻止できるといわれます。10歳以上の女性が対象ですが、HPV未感染の時期の接種が特に有効です。
更新日時:2010年04月26日 14時58分