食事と運動について考えてみよう カロリーの話
南大沢メディカルプラザ 循環器内科・心臓血管外科 塚本三重生
最近は、外食をしてもメニューに○カロリーと記載されていることが少なくなく、これは体重やカロリーを気にする方が多いことの表れと思われます。そこで今回は、食事と運動をカロリーの面から考えてみましょう。
当院で栄養指導を受けられる方は、たいてい野菜不足でカロリー超過。「まず野菜をたっぷり食べましょう」とアドバイスされています。ついつい食べ過ぎになりがちな方には良いアイデアだと思います。では食事の量はどうやって計算するのでしょう。カロリー計算は標準体重を求めることから始まります。標準体重=身長×身長×22です。必要なカロリーはそれぞれの人の消費カロリーにより変わりますが、一般的な事務職の方の場合、標準体重×30で計算します。たとえば身長165cmの人は1.65×1.65×22=59.9kgが標準体重で、59.9×30=1797Calが一日の摂取カロリーです。病院で入院患者さんに提供される一般の食事のカロリーがだいたいこのくらいですから、質素に見えて結構カロリーがあるものです。となると、私たちが毎日摂っているカロリーはかなりのものと想像がつきます。
さて、健康診断でメタボリックシンドロームと診断された方は、腹部肥満があり、血圧、脂質、血糖のいずれか二つに異常値が認められたということになり、将来心筋梗塞を引き起こす可能性が、メタボでない人と比較して約3倍高いと考えられています。腹部肥満解消のためには運動も必要です。腹部肥満の原因となっている内臓脂肪を1kg減らすためには7200Calのカロリー消費が必要です。これを仮にウォーキングでやってみましょう。一般に推奨されているウォーキング(60m/分)は3METSという運動の強度に相当します。体重80kgの人が毎日30分(0.5時間)ウォーキングをしたとすると80×3×0.5=120Calの消費となります。7200÷120=60日かかってようやく1kg分の内臓脂肪が燃やされたことになります。
こう考えてみると、簡単に摂取してしまったカロリーを燃焼することは、かなり大変なことだとわかります。腹八分目と毎日の運動。ともに大切なことですね。
更新日時:2010年01月21日 15時15分
キズの手当てについて〜常識の落とし穴〜
多摩ガーデンクリニック 皮膚科 梶山理嘉
ケガや火傷を負った時に出来るキズは、その形や深さによって治癒するまでの間に様々な反応が現れてきます。深いキズの場合は外科的処置が必要になりますが、比較的浅いキズは、そのうち治ると放っておかれがちです。しかし、思いのほか日数がかかったり、傷痕が残ったりすることもあります。傷痕を残さず早く治したいという観点から、以前の治療法が見直されるようになってきました。
まず、常識と考えられていたキズの「消毒」について、必要ない時はしない方が良いということです。消毒液は殺菌作用を持つと同時に、皮膚の再生のために必要な細胞にも有害であるため、治癒を遅らせてしまう可能性があるからです。受傷して直後の化膿していない時は、消毒せずに水で洗い流すだけで良いと考えられています。
もう一つ重要な常識の誤りがあります。キズが出来ると皮膚組織周囲からジクジクとした透明な液体が滲み出てきますが、これを化膿したと誤解して、傷口を乾かした方が良いと一般に考えられてきました。しかし、最近では湿潤療法といってキズを乾かさないでラップフィルムなどで被覆するやり方が良いと言われるようになったのです。これは傷口に滲み出たジクジクした液体に皮膚の再生を促進する作用があることがわかってきたからです。乾かさないと膿むというのは間違いで、細菌感染を起こしてもすぐに水で洗い流して交換しておけば良いのです。この方法は傷口を外界から保護する利点もあり、ガーゼがキズに貼り付いて、取り替えるたびに痛みを我慢する必要もありません。ただし、化膿しているかどうかの判断は難しいので、早めに一度来院してください。火傷の時は冷やして水疱を破らないようにしてご来院ください。
更新日時:2010年01月14日 03時47分
楽しい食生活とQOLの向上
永山センター歯科 院長 長井哲弥
明けましておめでとうございます。お正月は食べることが楽しい時です。何でも食べられることは食生活が楽しくなり、QOL(Quality Of Life=生活の質)向上に直結します。また、よく噛むことは脳の活性化、痴呆防止にもなります。歯や歯茎に不具合があると、正しい咀嚼が出来なくなり、自分では気づき難いのですが、柔らかい食べ物を好んで多く摂るようになります。軟性食材は高糖質のものが多く、生活習慣病を誘因します。歯科の領域は虫歯治療や歯周病改善、欠損歯回復といった「噛めるようになった」で終わりではなく、「何をどのように食べられ、食生活を含めた生活の質の向上」までが目的です。楽しい食生活は健康で若々しい生き方に欠かせません。即ち、アンチエイジングの分野でも歯科は不可欠です。QOL向上のためにも、歯科にご相談ください。
更新日時:2010年01月06日 13時25分
在宅医療34
武島内科クリニック 院長 武島英人
新年明けましておめでとうございます。昨年は新型インフルエンザ(以後新型と記す)の流行や不況が重なり大変でした。今年は良い年にしたいものです。
さて、冬の大敵といえば風邪、特にインフルエンザです。スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪、新型の発生と10年~40年サイクルで新しく変化します。興味深い点は、新型が発生すると既存のウイルスが消えてしまうことです。ただし、ソ連風邪が流行したときは香港風邪ウイルスは消失しませんでした。今後、1種類または3種類になるのか注意が必要です。
不覚にもかかった時は看病する人はマスク、手袋を使用し、換気を頻回に行い空気中のウイルス濃度を下げ、湿度は60%以上に保つようにしてください。患者さんがご高齢の場合、脱水は危険です。経口摂取可能なら経口補水液が良いでしょう。
更新日時:2010年01月06日 13時23分
インフルエンザの今後
おがわクリニック 院長 小川愛一郎
明けましておめでとうございます。去年は新型インフルエンザの流行で大変でしたが、12月初旬からピークを過ぎ年末にはかなり落ち着いてきました。12月の国立感染症研究所の発表では、5~12月に罹患した推定の累積患者数は約1414万人で、大半は合併症なく治癒しましたが、肺炎を併発して急速に重症化した例もあり、特に気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患がある場合は注意が必要です。また、126人がインフルエンザ脳症を併発し、39人が死亡しました。今後の流行を予測することは難しいですが、既に人口の10%以上が感染し、年齢層によっては(特に5~14歳)かなり高い比率で免疫を保有した可能性があるので、ゆっくりと収束していくという意見もありますが、本格的な厳冬期を迎えて季節性インフルエンザの流行も予想されるため、まだ警戒が必要です。
更新日時:2010年01月06日 13時22分
ブリッジについて
京王堀之内阿部歯科医院 院長 村田紀明
今年最初の話は、歯を抜いた後の治療法の一つ、ブリッジ(連続した被せ物)についてです。この治療法は、喪失した歯に近い2本以上の歯を支えに、連続した取り外しの出来ない被せ物で、失った歯を補う治療法です。良い点は、入れ歯に比べ、しっかりと噛め、丈夫で、毎日しっかり歯磨きして頂ければ長く使用出来る所です。しかし、この方法は、どんな場合にも用いられる訳ではありません。支える歯が歯周病等で動揺していたり、歯根が短か過ぎたり、失った歯が多いために支え合う歯の間が長過ぎる場合等は出来ません。また、支えとなる歯は被せ物を入れるため、ムシ歯の有無に関わらず、相当量を削らなければなりません。他にも、入れ歯やインプラント等の治療法があります。どの方法が最適であるのかは、歯科での受診・ご相談の上、決めて頂くことが大切です。
更新日時:2010年01月06日 13時20分
肥満と内臓脂肪について
多摩海上ビル診療所 副院長 高橋正明
内臓脂肪の蓄積による肥満の弊害としてはメタボリック症候群(メタボ)が有名ですが、脂肪肝や以前ご紹介した非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の原因ともなります。
肥満により脂肪が増えると、脂肪組織からはアディポサイトカインと呼ばれる様々な物質が分泌され、これらにより膵臓から分泌されるインスリンの効き目が悪くなり、膵臓は分泌を増やします。こうして糖尿病が起きる他、高血圧や高脂血症が生じると言われています。
さらに様々なアディポサイトカインの影響により動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳血管障害を引き起こすのです。これがメタボの本態です。
さらに肝臓、大腸、乳腺等のガンの原因としても肥満が報告されるようになってきており、アディポサイトカインの分泌異常はさらに重要視されています。皆様、どうか肥満にはご注意ください。
更新日時:2010年01月06日 13時19分
お口の健康156─やっぱり予防歯科(56)
あきいけ歯科医院 院長 秋池成律
明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお付き合いください。出来る限り、医院に来院されていない『もしもし』読者の皆様にも、「活用できる本当の歯科情報」をお届け出来るように医院一丸となって努力してまいりますので、よろしくお願い致します。
今年は、当院に「予防・インプラントセンター」が1月中にオープンします。1年前から導入している「歯科専用CT」による画像診断、細菌検査の充実による精密検査の充実と、「癒し」をテーマに快適に歯科治療が受けられる空間づくりを目指し、患者さん一人一人に合った最適・最良の治療計画をご提案し、治療・メインテナンスをしてまいります。
患者様の歯が1本でも多く残り、1年でも長く機能し、快適に食事が出来、素敵な笑顔で毎日が過ごせますように今まで以上に頑張ります。
更新日時:2010年01月06日 13時17分
脂肪肝1
井上内科クリニック 院長 井上智雄
現在、メタボリックシンドローム対策として特定健診が行われています。肝臓で、メタボリックシンドロームと関連した疾患に脂肪肝があります。
脂肪肝とは、肝細胞の中に脂肪滴として脂質が過剰に溜まった状態です。フランス料理に使われるフォアグラは高度な脂肪肝で、蓄積した脂肪により本来の肝臓の色と異なる白色調を呈しています。実際に、脂肪肝の患者さんの肝臓も白っぽくなっています。脂肪肝は医師の間でもそれほど重大視されて来ませんでしたが、脂肪肝の中に肝硬変や肝癌に至る病態があり、最近、メタボリックシンドロームと関連して注目されています。
皮膚科医より一言
冬になり乾燥からアトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹が悪化し受診される方が増えています。保湿薬とステロイド外用薬等による早めの治療が大切です。
更新日時:2010年01月06日 13時16分
腰部脊柱管狭窄症とは(1)
ふれあい町田ホスピタル 整形外科医師 原田大朗
脊椎(背骨)の役割をご存知ですか? 脊椎には、3つの役割があります。
- 体を支える柱
- 神経の通り道となるトンネル状の入れ物
- 脊椎(頚椎7本、胸椎12本、腰椎5本)のそれぞれが連結し、体幹の動きを担う役割を持っています。
今回、お話しするのが、この脊椎の病気です。「腰部脊柱管狭窄症」といって、中高年の方に多く見られます。
体や骨は、年齢と共に老化していくため、60歳前後になると骨や椎間板、靭帯が厚くなってしまい、トンネルの役割を果たしている脊柱管が狭くなります。そして神経を圧迫し、締め付けることで、足の痛みやしびれといった症状が出てきます。
この症状は、知覚・運動・自律神経に影響が出てきます。足の痛み、しびれ、感覚が鈍くなる、足に力が入らない、筋力の低下、脱力、残尿感、尿漏れ等です。そういった症状が、歩くだけで出てくる、また歩けば歩く程病状は悪化し、少し休めば治る「間欠跛行」という状態が続いてしまうのが特徴です。治療法等については、次回お話しします。
更新日時:2010年01月06日 12時05分