1. HOME
  2. Tama Hito 61 中河西 慎平 さん「地域の力を活用し、「学び」の可能性を広げよう」

Tama Hito 61
中河西 慎平 さん
「地域の力を活用し、「学び」の可能性を広げよう」

選べる学び方で、学習に遅れない仕組み

大学卒業後、教育系の仕事でキャリアを重ねてきた中河西さん。その中で、いろいろな特性の子どもに向き合ったり、仕事以外の地域活動に取り組んだりしてきました。そして、もともと独立志向が強かったこともあり、2018年4月に、稲城で個人事業主として家庭教師を始めました。

そうするうちに不登校の子どもに学びの場を設けたいと考えるように。

「自分自身が人に教わるのが好きじゃなかったんですね、学校の授業がつまらないというか、わからないというか。だからそういった子どもたちに共感するんです。学びには、こんなやり方もあんなやり方もある。それぞれの子に合った教え方ができたらいいなと」

そして立ち上げたのが『まなびナビ』です。自宅学習サポートと教室サポート、訪問支援の3本柱で運営している、子どもの学習サポートの場です。

「令和3年度の、小中学校の不登校児童生徒数は全国で約25万人。前年度が約20万人で、9年連続で増加しています。小中学生が不登校になると代替的な学びの場がないのが現状で。公的支援もありますが、アクセスが悪かったり環境が整ってなかったり、なかなか利用が難しかったりするんです」

「学校にいかなくても良いんじゃないかなと思う」と中河西さん。「戻れなくても学習に遅れない、そんな制度をうまく使うことができれば良い」とも。

「学ぶことにネガティブだと、勉強という手段が人生で使えないので、ずっと尾をひくことになります。やろうと思ってもできないことが増えてくる。人生、何が起きるかわからない。新しいスキルが必要になったときに、新しい学びに向き合うことができる前向きな姿勢があれば大丈夫だと思うんです」

まちに民間の教育支援センターを

学びは子どもだけのものではないと中河西さんは考えています。学びやすくなる仕組みを考えて、ゆくゆくは民間の教育支援センターが作れるといいなと。それが「まなびナビの『窓口』」という構想です。まちの中に、学びについて気軽に聞けてワンストップで解決できるスポットを作るというものです。

実はこの構想、11月に実施された「みたかビジネスプランコンテスト」で最優秀賞を受賞しました。

地域の力で「学び」をサポートする新しいシステムが、これからどう進んでいくのか楽しみです。

 

 

和気藹々とした雰囲気に包まれて学ぶ子どもたちと一緒に

プロフィール

1987年稲城市生まれ、稲城市在住。高校卒業後大学に進学するも、すぐに退学。日本ジャーナリスト専門学校ライター科でライティングを学ぶ。3年後、改めて学びたいと早稲田大学に入学。卒業後、主に教育系の企業でキャリアを積む。2021年4月学習サポート事業『まなびナビ』を開始。2022年1月府中市ソーシャルビジネスコンテスト最優秀賞受賞。6月法人化。この他に、月に3回、城山体験学習館で無料学習塾も開催中。https://mana-navigation.com/

関連記事