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Tama Hito 63
大和 直子 さん
「エシカルな古着販売を通して、まちを人をつなげます」

開店から21年、自分を見つめ直したくて再出発

聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩6分。大栗川沿いに地域で愛された古着屋カフェ『Mametra』がありました。その共同代表の一人が大和直子さんでした。

「最初の店から移転オープンし、カフェとギャラリーを併設したことで、いろいろな人が集えるお店になり、一緒に関わってくださる方に恵まれました。そして皆さんがお店のために動いてくださっていることを実感してきました」

いろいろな方達との出会いに感謝の毎日を過ごしてきた大和さん。

「でも、同じ場所で長く立ち続けてきて、古着販売から離れて私にできることを見つめ直したいと思ったんです」

213月、大和さんは店を閉めます。その後、縁あって、障害者福祉施設の服飾部門でアルバイトを始めた大和さん。

「そこでもとてもよくしていただきました。そして、自身がその場に身を置いたことで、障害がある方が社会とつながる時の難しさを実感しました。そんな毎日を過ごす中で、古着を次の方に丁寧に渡す仕事が私は好きなんだ、と改めて気づき、古着販売をしながら人の役に立つ何かができないかと思い始めました」

大和さんは再び古着販売に向き合い、オンラインショップ『SAJI』を立ち上げ、売上の一部を寄付する活動を開始。実店舗開店に向けても動き始めます。

人が交わり合う空間、循環する古着屋が生まれます

SAJI」は「匙」。置かれた環境が違う人と人の交わり合いを大切にし、互いの理解を深めたい、との大和さんの思いがそこに込められます。

「目立つことが好きじゃなく、ひっそり、を願う私が、いろいろな方と交わることで世界を広げられてきました」

舞台衣装を製作する方との出会いで、身体的に障害のある方のために着脱しやすいように作り変える「シカケフク」をスタートしたり、自然発生的に子育てを助け合う社会ができたらと、「おさがり服」を発想したりします。

さらに、商店街の建築設計事務所の横溝さんとの出会いで、商店街内での住民参加型の古着屋さんのオープンに向けて走り始めたりも!

「古着をずっと見つめてきた目で、質の良いもの、デザイン性の良いものを見極め、丁寧に他の方に譲ることのできる古着の循環文化を、このまちで作ることができたらと思っています」

〝次につなぐ〟ことはこのまちで暮らす人の笑顔を広げていきそうです。

「大切にしてきた洋服を、次の方に丁寧にお譲りしたい。その思いに応えたいです」と大和さん。

 

プロフィール

1971年多摩市出身。多摩市在住。美容師をやめ、好きな服の世界でとショップでアルバイト後独立。2000年、聖蹟桜ヶ丘に古着屋『Mametra』をオープン。2015年、カフェを備えた店舗として大栗川沿いに移転オープン。多くの人が交流を広げ、愛される店になるも、「もう一度、これからの自分を見つめ直したい」と、20213月閉店。1年間、障害者福祉施設の服飾部門でアルバイトをする。その中で「やはり服に関わっていこう」と退職。オンラインで古着販売と売上の一部を寄付する活動をスタートする。そして、今年21日、落合団地商店街に、住民参加型古着屋『SAJI』をオープンさせる。公式ホームページはこちら
Instagram]「古着屋SAJI」「シカケフク

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