TamaHito 24
横溝 惇 さん
ニュータウンだからできる ムーブメントを起こしたい
マチに開かれた場を作り地域の方を巻き込みたい
「アジサイ祭りオンライン」「レスキューリプロジェクト」「ランタンフェスティバル」「ニュータウンプレイスタディーズ」「ニュータウンファーマーズ」などなど、その名前を聞いただけでも何だかワクワクしてくるイベントが、今、このマチで開催され続けています。企画・運営しているのが、「このマチを使い倒す人になろう!」と呼び掛けるプロジェクト『ニューマチヅクリシャ』。そしてその『ニューマチヅクリシャ』のメンバーは、建築家集団『スタジオメガネ』と多摩ニュータウンで活動しているアーティストや個人事業主。横溝さんは、『スタジオメガネ』の代表です。
横溝さんは結婚を機に奥様の宮澤祐子さんの実家がある多摩市に転居。
「事務所を開くために物件を探していて、落合商店街の空き物件にあたったんです。面白いなあと思って。設計をしていく過程はオフィスの中での作業が多いんです。でも、商店街に入ることでマチに開くことができ、新しいことができるんじゃないかと思いました」
そして、3年前、講演会に参加したことで社会学者の三浦展氏と知り合い、事務所スペースをいろいろな人達が集まれる場所にしよう、軽く飲食をしながらいろんな話をしようと「建築スナック」という取り組みを始めました。
「〝ちょっと何かやりたい〟と言う人と一緒にやれる共有の場にできたらと思うんです」と、宮澤さんも話します。
マチのリノベーションやっていきたいことです
そんな活動を続ける中で、ニュータウンの近隣センターの活性化を提案、実現していく仕事を委託されます。
「その中で、商店街を支援する活動にも携わり始め、人をつないだり、一緒に何かを作り上げたりといった企画を、関わる皆で考えて運営するようになっていったんです。で、窓口に愛称を付けた方がわかりやすいねと生まれたのが『ニューマチヅクリシャ』でした。ここにマチでやりたいことを持ちかければ、一緒になってやっていく、そんなコアな存在になれたらいいなと思います」
ただ、それらは一過性のものであってはならないと横溝さんは考えます。
「何かやりたいと思っている人の世界観を共有しながら、僕たちだからできるデザインをして、一緒に走っていく。ただし、そのプロジェクトがいつか僕たちの手を離れていくことがあるかもしれない。ひとりで走り出すかもしれない。でも思想が生き残っていけば良いと思っています。マチのリノベーションをしていきたいんですよね」
プロフィール
1983年、埼玉県所沢市生まれ。横浜国立大学大学院Y-GSA卒業後、飯田善彦建築工房を経て、2017年、多摩市落合商店街内に「スタジオメガネ」開設。マチに開かれた一級建築士事務所として、「建築スナック」「メガネキッチン」などを開催。ほかに地域リノベーショングループ「ニューマチヅクリシャ」として、ランタンフェスティバルやレスキューリプロジェクト、ニュータウンファーマーズなど多彩な活動を展開。
「スタジオメガネ」https://www.sm-o-o.com
「ニューマチヅクリシャ」https://m.facebook.com/newmachizukuri/