コロナウイルスの経口治療薬
2年に及ぶコロナ禍の間にワクチンが開発され、治療薬も点滴静注用に3種類が実用化されました。静注用治療薬のうち抗ウイルス剤は中等症I 以上、中和抗体薬は重症化リスク因子のある軽症~中等症I の人が対象で、いくつかの制約から一般の診療所では扱うことができません。そんな中、経口治療薬が去年12月24日に厚生省から承認されました。モルヌピラビル(製品名:ラゲブリオ)という抗ウイルス剤で重症化リスク因子のある軽症~中等症Ⅰに相当する人が対象です。現時点では一般に処方可能かどうかは不明ですが、国産を含め、あと2つが第Ⅲ相試験を実施中で、早ければ年内に承認されるのではないかと思います。少しずつですが、コロナウイルスの対抗手段が増えてきました。これからオミクロン株を中心とした第6波が予想されていますが、感染予防に引き続き留意してください。