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紙上 Placemaking
「本を通してつながる『本棚』を始めませんか」
/きんじょの本棚®︎ 本等のプロ きんじょう みゆき さん

町田のまちを歩いていると目にする「きんじょの本棚」の看板。お店の中だったり個人のお宅の軒先に本が並ぶ本棚がしつらえてあります。この「きんじょの本棚」の本なら、どこで借りても、どこで返してもOK。それが、本等(ほんとう)のプロでありブックコーディネーターである、きんじょうみゆきさんが始めた「きんじょの本棚®︎です。


『きんじょの本棚®︎』ファウンダー・本等のプロ きんじょうみゆきさん


『もしもし』編集部の恒住がお話を伺ってきました。

本が好きで、本を読む人が好きで、本を読んでいる人に「何を読んでるの?」と聞きたいと思っていたきんじょうさん。「家の前に本を置いてくれたら聞かなくてもいいな」と思い立ち、2018年、行きつけのコーヒー屋さんと友達の工務店、美容室、そして自身も含め4ヶ所で「きんじょの本棚®︎活動を始めました。

最初の1年半くらい、誰も借りても貸してもくれなかったと言います。一人で借りて貸して回している状況。「何やってるんだろう」と思った時に、息子さんから「自己満足って言えばいいじゃん」と言われ、「ああ、そうか」とストンと落ちたと話します。

そんな中で迎えたコロナ禍。本屋も図書館も閉まり、人の外出もままならない状況になっていきました。
「でも、食品は買いに行かねばならない。そこで、あるパン屋さんがテイクアウト待ちのお客さん向けに本棚を置いたら、本を返すためにお店に来てくれてパンも買ってくれるようになり、『面白いことやってるね』と広がっていきました」

「面白い!」と思う人の輪が広がって、今や、沖縄、長野と、日本全国で本棚を開く人が増え、2023年11月末時点で209店舗に!

一番の喜びは、「きんじょの本棚®︎を通じて人がつながっていっていること。
「住みびらき」を考えながらも一歩が踏み出せなかった人が、「きんじょの本棚®︎」を始めたことで街に開いた活動を始めることができるようになったりもしています。

本棚の運営は、各店主の裁量にすべて任せています。そこには無理がなく、だからこそ長く続けていける秘密があります。

面白い取り組みだなあ、あったかい取り組みだなあと、話を伺うほどに思いが強まりました。
けれど、本を読むことが大好きで、我が家にある本は、どれもが大切な一冊。だから、大切な本を貸し出すこと。汚されるんじゃないか、戻ってこないんじゃないか、などなど、どうしても一歩が踏み出せない、そんな思いをきんじょうさんに素直にぶつけてみました。

「大事な本であればあるほど並べるのをためらう気持ち、わかります。でも、自分以外の多くの人に読んでもらう方が本冥利につきるんじゃないでしょうか。どうしても大切にしたいなら、2冊買っちゃうっていう方法もありますしね。そして、本を貸し出して戻ってこないのは、本が旅に出てると思えば楽しいですよ」

本が旅をしている。その発想、いいな。
私が選んだオススメの本が、誰かが読み、読み終えたら次へとつながっていき。それを繰り返して、いろんな人の役に立つように旅をし続けている。
私の本に込めた思いも広がっているんだなと思うと、面白いーーー! 知らない誰かと本でつながっていける、この楽しさ。私も味わいたいと思いました。

店主が集う「本棚まつり」というイベントも実施しています

「きんじょの本棚®︎を始めたい方、公式ホームページをご覧に

プロフィール

きんじょの本棚®︎

どこで借りても、どこで返しても良いまちの本棚。2018年、きんじょうさんが町田市で行きつけのコーヒー店と友人の工務店、美容室に本棚を置いてもらうことからスタート。当初は、なかなか参加店舗が広がらなかったと。それが、コロナ禍で本屋さんも図書館も閉まってしまい、人々も外出がままならない状況を迎える中、「面白い」と思う人の間で広がりを見せるように。そして、2023年11月末現在、全国に209店を数える。全てボランティアで運営。本が好きという思いと場所があれば、誰でもどこでも始められます。始め方や詳細は公式ホームページで。
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プレイスメイキング とは
そこに行ったら人と出会えて、つながって、ワクワクドキドキ楽しい時間が過ごせて、笑顔が広がって、まちが盛り上がる何かを作り出せる。そんな空間を、私たちが普段暮らすまちの中に作る取り組みが「プレイスメイキング」。

紙上プレイスメイキング とは
『もしもし』紙上が、そんな「プレイスメイキング 」の場になりたい。『もしもし』に触れることで、新しい人とつながったり、ドキドキワクワクの思いが広がったり、新しい発見があったり、このまちで暮らしていることを嬉しく思ったり、安心したり、心が豊かになったり。そして人に優しくしたいなと思えてきたり。そんな『もしもし』を皆さんに届けたい、一緒にこのまちを楽しい場所にしていくきっかけになれたら。そんな思いを込めました。

 


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