漢方コラム(142)乾燥の季節の養生
肌や粘膜の乾燥が気になる季節になってきましたね。東洋医学では、血虚や津液(しんえき)不足の体質は乾燥しやすいと考えます。血が足りないと「血虚生風(けっきょせいふう)」といって、風の病邪である痒みを起こすことがあります。脛やお腹が乾燥して痒い、老人性皮膚掻痒症(そうようしょう)などがこれに当てはまります。潤して血を増やす作用がある代表的な生薬は「地黄(じおう)」で、内服薬や浴剤として使われます。地黄は甘くておいしい薬草なので、ペースト状の食べる薬もあります。また、より滋潤(じじゅん)作用に優れた生薬に「亀板(きばん)」があり、これは亀のお腹の甲羅です。中国では「亀鹿二仙膠(きろくにせんきょう)」という方剤があり、乾燥体質や老化対策に優れた漢方薬として使われています(日本では類似品が食品として販売されています)。日本でもスッポン鍋やスープが美容に良いとされていますね。
乾燥対策に、ぜひ漢方の知恵をご活用ください。
こだま堂漢方薬局
薬剤師:長峯 友恵
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