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[まちをみる]
食・まちづくり・アートのスペシャリストが、「おむすび」で、人・食材・まちを結ぶ
おむすびや たまる

多摩市落合団地商店街にある『STOA』で、「お米の一粒一粒がおいしくて、食べても食べても飽きないんです」と、愛おしそうにおむすびを食べる人がいました。
その幸せそうな顔。
ああ、食(しょく)って本当に大切な文化なんだなあ、そう思う一コマでした。

それが、『おむすびや たまる』。料理研究家の岡田香織さん、一級建築士の宮澤祐子さん、そして美術家の平尾菜美さんの三人がそれぞれの専門分野を生かして、2023年に立ち上げたユニットです。

「食も人も一期一会、大切です」(左から)岡田さん・平尾さん・宮澤さん

宮澤さんは、『STOA』を運営する建築設計事務所『スタジオメガネ 』の発起人の一人で、美術だったり、食だったり、文化を展開させる仕事に興味があり、多角的な取り組みをしています。

そして、岡田さん。
『STOA』の前身である『メガネキッチン』で以前から発酵食をテーマとして限定メニューを提供してきました。
「時間を重ねて完成させる風味豊かな発酵調味料。そのまま食べてもおいしくて、いつもの料理がぐんと際立つ無添加調味料。そんな調味料を作っていきたいなと。ただ、作っただけだとなかなか広がらない。広げるための料理があればいいなと思っていたんです」

そんなとき、『STOA』隣の米店『ライス・ステーション』のおむすびが本当においしかった、復活しないかなあという声を耳にします。

「おむすび、いいかも」と、宮澤さんと岡田さんは思います。
ただ、岡田さんがおむすびを常に作るのは、本来の仕事もあって、なかなか難しい。

そこで偶然にも、知り合いだった平尾さんが、お父さんの「これからの、生きていく子どもたちに食の大切さを伝えたい。農家さんを元気にする活動もしていきたい」という思いを引き継ぎ、「おむすびや をやりたい。おむすびを通して美術や文化に身近に触れて欲しい」と考えていたことを知ります。

三人の思いが重なり、2023年の春から構想がスタートしました。

『ライス・ステーション』の櫨山さんから、お米の炊き方から手ほどきを受け、何度も何度も試作を重ね、完成。
11月に豊ヶ丘にある『J Smile多摩八角堂』の朝市で出店し、トークをすることから本格始動。
以来、月に1、2回の開店で、『スタジオ・メガネ』の活動でつながりが生まれた小豆島の食材も取り入れて、平尾さんがふっくらほっこりむすんでいます。

こちらは、小豆島産無添加佃煮の小えびと天かすをさっくりと混ぜこんでむすびます

岡田さんの作る発酵コチュジャンと梅干しと有機ゴマを乗せて、そこにシソをオン

おむすびは昔から変わらない日本人のソウルフードで、まさにケの日の食事。「けれど、その人その人に思い出があり、普通だけれど特別な食事」と、三人の共通の思いです。

人と人との巡り合わせでできていった『たまる』。コミュニケーションからレシピが生まれてもいるそうです。「そこを大切にしています」とレシピを発案する岡田さん。
単におむすびを売るのではなく、さまざまな側面からまちを見つめ、人を結び、文化を結ぶそんな役割も果たそうとしています。

季節毎に変わる味噌玉は、お湯に溶かしていただきます、滋味深い味わい

DATA

おむすびや  たまる
多摩市落合団地商店街のSTOA(GoogleMapで見る)にて、月1、2回の不定期営業。STOAのスケジュールでご確認を。こちらから
8/24(土)、コート・ギャラリー国立(GoogleMapで見る)で開催するconerute festival「ある夏のちょっと変な記憶」に出店します。

Instagram @omusubiya_tamaru


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