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『もしもし』長谷川豊子の生きるということ
 その13「活字を通して」

その13
「活字を通して」

この夏、映画『九十歳。何がめでたい』を観ました。佐藤愛子さんのエッセイ集が原作で、そちらは何度も読んで、その都度怒って笑って考え込みました。映画も、ケラケラ笑ってホロリと泣いてうーんと唸って、あっという間の時間。佐藤さんは今年11月で101歳。佐藤さんを演じた草笛光子さんは91歳。お二方とも現役で、「まだ私にもやれることがあるのかな」と勇気凛々に。

実は最近、漢字を忘れ、ついさっき考えていたことも思い出せなかったりと、自身が情けないと思うことが多くなっていました。そこで、「何でも書き留めていこう」と、日記を書き始めました。その日を振り返り、感想も書いていく。これ、自分の成長を振り返ることもできていいなと思ったんです。でもね、続かない。三日坊主です。

〝三日坊主でもかまわない。「三日」坊主も、「十回」やれば「一ヶ月」やったことになる。一日でも二日でも、やった分だけ、自分が得をする。〟我が恩師のこの言葉に励まされ、思い出した日からまた日記をつけることを繰り返しています。

思えば、中学卒業以来60年、編集を仕事にしてきました。『もしもし』を創刊したのも、「活字を通して人の思いを伝えたい、人をつなげたい、コミュニティーを広げたい」からでした。一人に実際に会って、その人の息遣い、熱情、表情までもが伝わるようにと一文一文に思いを込めて届けてきました。紙媒体は廃れると囁かれる中、創刊40年目の『もしもし』は紙で伝えることにこだわって、新しい取り組みにも挑戦。つながりを広げます。

PROFILE

長谷川豊子(はせがわとよこ):
『有限会社もしもし』専務取締役。1985年9月、『もしもし』の前身である『奥さまもしもし新聞』を一人で発行。以来第一線で、編集者として取材・執筆・広告営業にと走り続けてきた。


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