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漢方コラム(150)漢方薬の補剤と瀉剤

漢方薬には大きく分けて、不足しているものを補う「補剤」と、いらないものを捨て去る「瀉剤(しゃざい)」があります。「補剤」は「虚」、「瀉剤」は「実」の体質・病気に対して使います。性質として、「虚」の方が治療期間は長く必要です。「実」は効き目が悪ければ漢方薬を強くして調節することもできるので、比較的早く効果を実感することができます。しかし、「瀉剤」は漫然と長く使用すると、体質が虚してしまうこともあるので、ある程度良くなったら中止します。「補剤」は虚弱体質の人であれば、健康維持のために長く服用することもあります。また、体質は「虚」でも病気が「実」の場合もあります。例えば高齢者の便秘などが当てはまります。強い瀉下薬(しゃげやく)を使うと体が弱って余計に出なくなってしまいますが、虚を補う治療だけでは早く効果を実感しにくいため、治療に時間が必要です。

こだま堂漢方薬局
薬剤師:長峯 友恵

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