紙上 Placemaking
「おもちゃ修理で作る、このまちのつながり」
/おもちゃ病院Kebo

日本全国のあちらこちらにある『おもちゃ病院』。壊れたおもちゃや小物などを、原則無料で行うボランティア団体です。

自分の持てる知識と技術、時に互いにアドバイスを交わし、修理を進めるメンバーの皆さん
その中の一つが『おもちゃ病院Kebo』で、多摩市内の公共施設を中心にさまざまな場所で開院しています。
設立は2000年の5月。
以来、年間50~60回を数えるというその精力的な活動には目を見張るものがあります。
「多摩市内や周辺地域には大手電機メーカー勤務で技術を持った人が多く、リタイア後に持て余していたその技術を地域に活かす居場所づくりの一つの役割も持っています」と話す代表の加藤さん。
最近では40代や50代といった現役世代、そして学生の参加もあると。
「修理を通して、物を慈しむ心を伝えたい、環境保全にも役立ちたい、そんな思いもありますね。長い目で見ると、SDGsにもつながっていきます」
マスコットを大事そうに胸にかかえて、お父さんに連れられてやってきた女の子。
「どうしたのか、自分で説明できる?」と加藤さん。
「しっぽが取れちゃったの」と小さな声。

優しい声かけに徐々にリラックスしていく女の子
「大切にしてたんだね。間違えて引っ張っちゃたんだね。この針金をここにさして、つなげるとつくかなあ」とメンバーがわかりやすい言葉で優しく話しかけながら修理を進め、何とか戻せました。
女の子の瞳が明るく輝く瞬間。
中がカラカラ回らなくなったおもちゃの掃除機、大事にしていたのに動かなくなったリモコンカー、おしゃべりしなくなった人形、光らなくなった推しのペンライトなどなど。
「直せますか?」と持ち込む人の表情は一様に不安に包まれています。
でも、引き取りに来た時に動くようになった様子を見て、一気に笑顔に。
どうしても直しきれない場合も、丁寧に修理に挑戦してくれたことに感謝の思いが溢れています。
「『ありがとう』と笑顔で帰る姿を見るときが何よりもの喜びですね」とメンバーもにっこり。
修理を通して、つながりが生まれる瞬間です。

2015年「オール多摩!健幸甲子園プレ大会」で優勝しました
プロフィール
おもちゃびょういん けぼ
2000年5月創立。東京都多摩市の公共施設を中心に、年間50~60回と定期的におもちゃや小物修理をボランティアで行っている団体。修理をお願いする人は、予約不要で当日、付属品や取扱説明書と一緒に持参する。メンバーのリタイア後の居場所にもなっている。開院予定は、WEBにて公開中。
■おもちゃ病院 Kebo の公式WEBはこちら https://omocha-kebo.rdy.jp/
プレイスメイキング とは
そこに行ったら人と出会えて、つながって、ワクワクドキドキ楽しい時間が過ごせて、笑顔が広がって、まちが盛り上がる何かを作り出せる。そんな空間を、私たちが普段暮らすまちの中に作る取り組みが「プレイスメイキング」。
紙上プレイスメイキング とは
『もしもし』紙上が、そんな「プレイスメイキング 」の場になりたい。『もしもし』に触れることで、新しい人とつながったり、ドキドキワクワクの思いが広がったり、新しい発見があったり、このまちで暮らしていることを嬉しく思ったり、安心したり、心が豊かになったり。そして人に優しくしたいなと思えてきたり。そんな『もしもし』を皆さんに届けたい、一緒にこのまちを楽しい場所にしていくきっかけになれたら。そんな思いを込めました。
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