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紙上 Placemaking
「里山で垣根を超えて地域もつながる」
/明星SATOYAMAプロジェクト 明星大学理工学部准教授 柳川 亜季さん

多摩丘陵に位置する明星大学で、’22年から取り組む「明星SATOYAMAプロジェクト」。構内の恵まれた自然環境の中で生息する動植物の多様性に着目し、学部の垣根を超えて学生や教職員、地域住民、行政、他大学等と連携し、これからの時代にふさわしいSATOYAMAを模索しています。

プロジェクトの発起人である明星大学理工学部総合理工学科准教授・柳川亜季さん

中心となって担当するのが同大学理工学部総合理工学科准教授の柳川亜季さんです。
「それまで、多摩川などさまざまな場所で環境調査に出かけていたのが、コロナで外に出られなくなりまして。キャンパス内での調査なら許されるということで、学生たちとキャンパス内を調べることにしたんです。そうしたら、コナラ林が残っていたり絶滅危惧種のキンランや珍しいタマノカンアオイが自生していたり、ホタルがいる清流があったり。そんなことがわかってきました」

多摩丘陵見られる日本固有種のタマノカンアオイは絶滅危惧類(VU)と貴重な植物です。

取材時は、1人の4年生と柳川先生の2人で月に1回の生体調査でした。

学生が銘々、1ヶ月前に調査した場所を同じようにして調べます。

時代の流れの中で大学の周辺は開発が進んでいきましたが、大学構内は開発の手が届かず、豊かな自然が残っていたのです。
柳川さんは、この自然豊かなキャンパスを活用し、いろいろな立場の人ともクロスして活動を広げていけたらと、行動を起こしました。
そして「多摩の里山を楽しむキャンパス」をみんなで作っていこうと、「明星SATOYAMAプロジェクト」としてスタートを切ったのです。

「プロジェクトは、里山や生き物の保全だけではなく、いかにそれらを活用するかに重きも置いて活動を展開しています」と。
専門的な学びを広げる大学教員が学部を超えて関わるという強みを生かし、生態調査や観察会に加えて、落ち葉を利用したペレット作り、デザインの力を生かしたワークショップ等多岐にわたります。
また、地域の環境団体の協力のもと、野鳥観察なども行われてきました。

2024/3/9開催の「みとりワークショップ+フィールドワーク」では、理工学部機械工学系の齊藤ゼミナールの4年生が自分達で作成したピザ窯で、ピザを焼いて振る舞ってくれました。

「多様な自然を自分ごとにすることで、この地域が好きになる。この地域が良くなるといいなと思います。緑に関心がない人にいかに興味を持っていただくか、参加していただくかを考えながら、ワクワク感を大切により多くの人と進めていけたらいいです。にわか自然ファンを増やしたいですね」

学生と同窓会メンバーと一緒に、ヤエヤマブキを植栽した時の様子。みんないい笑顔です(2022/11/5)

プロフィール

めいせいさとやまぷろじぇくと
明星大学が、多摩丘陵という豊かな自然に囲まれたキャンパスの利点を生かして、学生・教職員、地域住民、行政、そして他大学とも連携して、それぞれの専門領域を生かした取り組みを展開するプロジェクト。大学内だけでなく、地域に広がっているのが大きな特徴でもある。
公式ホームページ Instagram

プレイスメイキング とは
そこに行ったら人と出会えて、つながって、ワクワクドキドキ楽しい時間が過ごせて、笑顔が広がって、まちが盛り上がる何かを作り出せる。そんな空間を、私たちが普段暮らすまちの中に作る取り組みが「プレイスメイキング」。

紙上プレイスメイキング とは
『もしもし』紙上が、そんな「プレイスメイキング 」の場になりたい。『もしもし』に触れることで、新しい人とつながったり、ドキドキワクワクの思いが広がったり、新しい発見があったり、このまちで暮らしていることを嬉しく思ったり、安心したり、心が豊かになったり。そして人に優しくしたいなと思えてきたり。そんな『もしもし』を皆さんに届けたい、一緒にこのまちを楽しい場所にしていくきっかけになれたら。そんな思いを込めました。


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