漢方コラム(127)目の健康
便利な世の中になりましたが、体はその便利さにはついていけてないかもしれません。特に目の疲れや痛みは便利さと引き換えに増えた症状の一つ。眼科でも異常がない場合も多いです。東洋医学では、目は血を多く消耗する臓器で、血を増やすには赤や黒などの色が濃い食物が良いとされています。当薬局では食生活チェックの一環として、野菜摂取量を測定する「ベジチェック」を導入しています。12段階中8以上が理想ですが、平均値は5なので、野菜不足の方がほとんどです。目を守る栄養素のビタミンや抗酸化物質は、緑黄色野菜やブルーベリー等、色が濃い食物に多いことはよく知られています。特にゼアキサンチンは、白内障や黄斑変性症を予防する抗酸化物質で、目の漢方治療で使う赤い実「枸杞子(くこし)」に豊富に含まれています。昔の人の経験が科学的にもつながるのは興味深いですね。