漢方コラム(112)老化予防の漢方と養生
皆さんは「平均寿命」と「健康寿命」の差がどれくらいかご存知ですか? 何と約10年! 健康寿命とは「日常生活に支障ない健康状態」。つまり何らかの介助を必要とする期間が10年もあるということです。驚きですね。東洋医学では「腎」が老化防止の要です。骨・脳・足腰・泌尿器・生殖機能などは「腎」に属します。「腎」を強くするには、足腰を鍛える運動と身体を支える栄養が大切です。老化防止には海産物が良い食材ですが、あら汁や海鮮鍋など丸ごとの出汁が摂れる料理がオススメです。
漢方では「右帰丸」「左帰丸」が補腎薬の代表処方です。これには鹿の角や亀の膠が使われていて、滋養の働きがあります。残念ながら日本では作られていない方剤なので、似たような漢方薬で代用します。老化の度合いは日々の積み重ねで将来に大きく差が出ます。長く元気でいられるように健康貯金と思って、頑張りましょう!