漢方コラム(113)血流を良くする漢方薬
「血流を良くする」漢方薬は多いですが、どう違うのかよく分からないですよね。実は一言に「血流を良くする」と言っても、さまざまな違いがあります。
①温めて血流を良くする…桂皮や生姜など温める働きの生薬を使う方法です。冷えている方には有効ですが、暑がりで、赤ら顔のタイプには向いていません。
②血を増やして血流を良くする…循環する血が足りないと考えて、血を増やす生薬を使います。当帰(とうき)はその代表で、婦人科で使う漢方薬の多くに含まれています。
1 ③血をさらさらにして流れやすくする…川芎(せんきゅう)や牡丹皮(ぼたんぴ)、丹参(たんじん)など活血薬と呼ばれる生薬を使います。丹参には抗血栓作用も確認されています。
実際に血流を良くするためにはさまざまな作用の生薬を組み合わせます。血流は大事ですが、悪くなるのも良くなるのも少しずつで分かりにくいのが難点です。