漢方コラム(122)気滞の症状
「気が足りない=気虚(ききょ)」というのはイメージできると思いますが、「気が滞る=気滞(きたい)」というのは、一般の方になかなか理解できない考えでしょう。「気」は目に見えないのに流れているかどうかをどう判断するのか、というと症状で判断します。
例えば、胸苦しいとか胃の辺りが張る、ため息が出る、イライラと落ち着きが無いという症状です。緊張やストレスで生じやすく、症状があちこちに移動することもあります。気滞の症状は医学的な異常はあまり認められないので、自律神経失調症や心因性とされることが多いです。
気は伸びやかに自由に体を循環している状態で健康を保ちます。気滞の症状に使う代表的な漢方薬、加味逍遙散(かみしょうようさん)の「逍遙」とは「気の向くままに自由に歩き回る」という意味があり、気を巡らせることで肩こりや神経症、生理前や更年期の女性のイライラなどによく使われています。