漢方コラム(134)味覚異常の体質
食べていないときも不快な味を感じるのは、胃腸病や肝臓疾患、糖尿病などが原因のこともあるので注意が必要ですが、病気でない味覚異常でしたら、東洋医学の出番かもしれません。よくご相談にあるのが、「口が苦い」症状。これは胆の熱が上昇して生じると考えます。風邪をひいた後、お酒をよく飲む、便秘、ストレス等が続くなどで胆に熱が生じて舌に移り苦くなります。清熱の生薬は苦いのですが、良くなってくると普段の苦みは無くなってきます。次に多いのは「酸っぱい」症状です。これは肝の熱が上昇して生じる場合と、胃酸が上がって酸っぱい場合があります。熱が原因の場合は前述と同様に清熱の生薬を用い、胃酸が上がる場合は消化を助ける漢方薬を用います。
他にも「しょっぱい味」「甘い味」「口の中が粘る」等の症状がありますが、それも各々漢方的な体質の違いがあります。