漢方コラム(136)赤鼻の漢方薬
赤鼻やシミに使う「葛根紅花湯」という漢方薬があります。赤鼻は酒さ鼻のことですが、必ずしも酒飲みの方がなるわけではなく、限局的に顔の皮膚が赤く、毛細血管が拡張し、組織が増殖・腫脹する症状です。鼻以外にも頰や眉間等にも生じるので、正確には酒さ様皮膚炎といいます。慢性的な皮膚炎や化粧品、ステロイド薬等の長期使用も原因になります。名前は「葛根湯」に似ていますが、全く異なる処方で、血の熱を冷まし、血行を良くする生薬が配合されています。血行を良くすると、余計に赤くなるのでは? と思われそうですが、東洋医学では、毛細血管の拡張やシミの症状は瘀血と考えて治療します。温めずに清熱しながら活血するのがこの処方の特徴です。酒さ様皮膚炎は、慢性的な症状なので、数年の服用が必要です。定期的に写真を撮って、比較しながら服用されると良いと思います。
こだま堂漢方薬局
薬剤師:長峯 友恵
#健幸