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モリテツのスペイン紀行46「最果ての岬で(1)」(フィステーラ〜ムシア)

ここまで来たなら大西洋を望むスペイン最西端の岬フィステーラに行ってみよう。地名の意味は「地の果て」。険しい岩礁のため漁船の難破が多く、「コスタ・ダ・モルテ(死の海岸)」と表される地である。

巡礼者はここで巡礼に使った服や杖を海に流すといわれる。西へ85㌔。バスで1時間半。Ceeという村でバスを乗り換えた。紺碧の海をわき目に半島を10㌔進んだ。小さな港町(写真1)に着いた。予想外に賑やか。空が急に曇り始めた。ガリシア特有の変わりやすい天気。岬の先は灰色の大西洋が広がるだけで荒涼とした趣。巡礼の女性だろうか、岩場に座り込んで物思いに耽る姿が風景にしっとり溶け込んでいる(写真2)。

処分すべき衣服も杖もない。スペイン最西端の地も制覇したからこれで良しと、バス停に戻りかけたところ、ドイツで語学学校を営む50代の日本人マネージャー氏とかち合って声をかけ合った。これからムシアに向かうという。ムシアはCeeの北20㌔。最果ての情景はこちらの方が群を抜いて素晴らしいという。迷わず乗った。

小高い丘に沿って赤煉瓦の古びた家々が並ぶ漁村(写真3)に着いた。(続く)

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