漢方コラム(146)蓄膿症の漢方治療
蓄膿症になると、鼻水が喉に落ちる後鼻漏(こうびろう)や、においがわかりにくくなる、頭痛、頬の痛み、いびきがひどいなどの症状に悩まされます。通常は抗生物質の投与で改善しますが、中には良くならない方もいます。東洋医学では膿は痰湿(たんしつ)という水に関わる毒素として考えますが、治りにくい蓄膿症の場合、なぜこの毒素が溜まったのか? という体質的な考察が重要です。痰湿が溜まる原因として、冷え、胃腸虚弱、肥厚甘味(ひこうかんみ)の食べ物を取り過ぎている、血行不良、気不足などがあります。鼻の病気なのに食べ物や胃腸が関係するのは不思議ですね。「脾は生痰(せいたん)の源、肺は貯痰(ちょたん)の器」というのが東洋医学の考えです(東洋医学では脾は胃腸の働きのこと、鼻は肺臓の一部)。抗生物質は菌を殺すことはできますが、これらの体質的な問題を解決することはできませんので、体全体の見直しも大切です。
こだま堂漢方薬局
薬剤師:長峯 友恵
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