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[みらいへつなぐ]
学生がゼロから開発! 自動運転EV「VISMO(ビスモ)」で未来をつなぐ『サレジオ工業高等専門学校』

未来を駆ける車「VISMO」

電気自動車と自動運転技術を融合させた「自動運転EV」。
今、世界中の大手自動車メーカーやIT企業がしのぎを削って開発競争を繰り広げる中で、学生が開発に挑戦! それが『サレジオ工業高等専門学校』(町田市)です。

「本校が開発を進めるオリジナル自動運転EV『VISMO(ビスモ)』は、学生が主体となりゼロから設計しました。高齢者やケガを負った人でも手軽に移動できる車を目指し、交通課題や環境課題の低減を目標にしています」と同校の井組先生。

「VISMO」の名前の由来は〝VISION(未来)〟+〝MOBILITY(可動性)〟。
現実空間とデジタル空間を融合させる〝デジタルツイン〟を目指し、空間認識や物体検知、自動停止などのテクノロジー設計、骨格、駆動部やオリジナルパーツは在校生たちが設計・開発。ボディは卒業生を介した企業との産学連携で制作しました。
1人乗車用でコロンとした丸いボディのデザインは、〝自然〟と〝テクノロジー〟と〝住みやすい街〟が融合したスマートシティでいきいき走り回る昆虫をモチーフにデザインされたといいます。最先端の3Dスキャナーや3Dプリンターを用いて、強度の強い外装に仕上げました。

未来のエンジニアたち

「VISMO」の開発は、2020年からスタート。同校の学生らがそれまでの研究やソーラーカープロジェクトで培った技術、経験をもとに作り始めました。現在の在校生は先輩たちから引き継いだ技術をブラッシュアップし、より精度の高い「レベル3」の車を目指しています。
※自動運転のレベルは0~5までの6段階に分けて定義されており、各レベルに応じて運転タスクの主体や走行領域が設定。「レベル3」は、〝条件付運転自動化〟を指し、限定条件下でシステムが全ての動的運転タスクを実行します。

開発に携わっている5年生の学生さんお二人と先生に話を伺いました。
「今年の春に相模原市の桜まつりで、自分たちが作った車がパレードで完走した時は嬉しかった」と広部さん。
「電流の試験などでうまくいかないことがありました。他でも、思い通りに動かないこともたくさんあります。それでも、試行錯誤しながら開発を研究しています」と力石さん。

「現在は、校内での走行を主な用途としていますが、将来的には『VISMO』のシステムが実際の交通環境で活用できるようになることを目指しています。このプロジェクトを通じて、学生たちは最新の技術に触れ、実践的なスキルを磨くことができています。彼らが将来、社会に出た際には、日本の技術革新を支える重要なエンジニアとして活躍することを期待しています」と井組先生。

まち全体で未来に向けた進化に期待

2024年1月には、相模原市と「スマートモビリティ及びスマートエネルギー社会の実現に関する連携協定」を締結。「VISMO」の実証事業に相模原市が協力し、同市における脱炭素に関する地域課題の解決に向け、共同で研究を進めていきます。

多摩ニュータウンエリアは、坂道が多く、高齢者にとっての移動手段は大きな課題の一つ。「VISMO」の開発により、住民の新たな移動手段になることを期待します。このまちの未来を切り拓く、若きエンジニアたちの挑戦を応援したいです。

DATA)
サレジオ工業高等専門学校
1934年、東京育英工芸学校として杉並に創立。2005年、町田市に移転。時代にあった未来のデジタル人材を育む5年制の高等専門学校。幸福な社会を創るべく、デジタルツイン(現実空間とデジタル空間の融合)等のデジタル領域への更なる進化を目指している。「サレジオ工業高等専門学校」で検索!


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