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モリテツのキューバ・南米紀行10「意外!! ハバナの夜2」 (ハバナその10)

次第に夜も更けてきたが、オビスポ通りにはそぞろ繁華街に向かう人たちの姿が。日本の夏の夜を思い起こさせる、ゆったりとして抒情味たっぷりの雰囲気で、確かに危険な感じはしない。しばらく歩くと石畳の通りに椅子を並べた野外カフェが賑わっていた。シャッターを閉じた画廊もどこか魅力たっぷり。

Xさんがふらりとある店のドアを開けて入った。狭い店内のバーカウンターの左隅にはヘミングウェイの金色に輝く肖像。オオッ、ここが有名な「フロリディータ」なのだ。ホテル・アンボス・ムンドスで執筆を始めて以来、ヘミングウェイはこのバーに朝夕始終出入り。ノーベル賞を受賞した後は、バー自体世界的に有名に。元はと言えば、1820年に作られた老舗の居酒屋。地元のさまざまな人々で賑わうこの店で寛ぐのが楽しみだったが、1914年、スペイン生まれのコンスタンティノ・リバイラグアというバーテンダーが、ラムとレモンジュース、砂糖をミックスしたカクテル「ダイキリ」を作り出して、ヘミングウェイはその虜になった。

やがて砂糖抜きのダイキリは「パパ・ダブル」と呼ばれ、店に来るときは魔法瓶を持って宿でも飲めるように準備したほど。肖像がある席はお客の記念スポットで人気らしい。Xさんに勧められて吾輩も一枚パチリ。道行く人々の列は絶えない。


#モリテツ #森哲志 #紀行 #キューバ

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