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[まちをみる]まちだ里山農(みのり)の会

多摩市から鎌倉街道を南に下り、「小野路」の交差点(町田市)すぐの、街道から横に入る細い道を進むと広がる圃場。かつては耕作放棄地として荒れ放題だったその土地を、生命力あふれる野菜や果樹が育つ農地に生まれ変わらせたのが営農集団『まちだ里山農(みのり)の会』です。

始まりは、2010年4月に町田市が始めた「農業研修事業」。近隣の専業農家を講師に、鍬の使い方の実技指導からスタートし、土づくり、播種、育苗、防除、管理、収穫、販売までを、2年をかけてしっかり学び、将来の農業の担い手を育てます。
その第一期生が修了を前にして「研修終了後もこの素敵な仲間たちと農業を続けていきたい」と発案。農家の後継者である一期生の仲間の畑の一角を援農というかたちで耕作しようと話し合い、10名が参加を表明。準備を進め始めました。

そのスタートに合わせるかのように、遊休農地の解消・里山の保全が図られる「農地バンク」が町田市でスタート。
2012年4月に3ヶ所の圃場を借り受けられることが認められ、活動を始めました。

そこから13年間。
町田市農業研修は、2024年度で14期生が研修を修了。
『まちだ里山農(みのり)の会』にも各期の修了生から新たなメンバーが加わり、2025年現在、30代から80代の幅広い年代の21名が圃場で汗を流しています。
圃場も増えて全6ヶ所。

皆で一緒に作業する共有の圃場の他に、自分のやり方で自由に使える個人圃場もあり、市民農園(シェア畑)と農業体験農園の良いところを取り入れた活動になっています。

「ここでは野菜の話ばかり。地元の活動やまちの話は出てくるけれど、仕事の話は一切ない。だから、誰が何の仕事をしている
のか、知らないんです」と代表の大沼英明さんは愉快気に話します。

昨年植えたジャガイモ。種芋がのこっていました。これは、今年は栽培できません。

イチゴも育てています。

農作業の一番の魅力は、自分で育てて収穫した野菜を自分で食べられること。
手をかけるほどに、〝実り〟という目に見える結果が手にできます。
天気や気候、動物といった自分ではどうしようもない障害で収穫できない時もあるけれど、それらを見据えて、どうしたら成功する
かを考える奥深さも楽しみだと。

毎週土曜日の午前中、メンバーが一緒になってワイワイやりながら、6,300平方メートルの土地で50種以上の多品目野菜を栽培中。
さらに、地域のイベントに積極的に参加したり、地域の方に参加してもらって収穫体験を開催したり、フードバンクの支援なども実施して、農を通して人とのつながりも生んでいます。

 

 

 

2025年の正会員の募集は受付終了していますが、農業体験や準会員は随時募集中です
(写真は、FC町田ゼルビア公式WEBより)

イベントでは、野菜販売や参加者による野菜収穫体験等も実施し、農作業には笑顔がついてくることを実感する

共有圃場で収穫した野菜は、薬師池ウェルカムゲートにある野菜直売所でも販売。
収穫したての新鮮な野菜のおいしさを、一度あじわってみませんか?

DATA

まちだ里山農(みのり)の会
町田市農業研修事業卒業生有志による営農集団。2012年4月活動開始で、現在21名のメンバーが町田市野津田と小野路6ヶ所の圃場でさまざまな品種の野菜や果樹栽培に挑戦中。2025年の正会員の募集は受付終了していますが、農業体験や準会員は随時募集中です。これまでの経緯やイベントのお知らせは、noteで発信中。https://note.com/minorinokai


#町田 #農業 #営農 #野津田 #小野路 #農業体験

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