紙上 Placemaking
「向陽台地域への愛を深めるアートを伝え・守る」
/向陽台のアートを伝え・守る会 村尾 義廣さん
多摩ニュータウンの最東端に位置する向陽台エリア。毎年5月のゴールデンウィークには、市民の手づくりの祭りが開催されています。
街びらきは、1988年。丘陵という地形に生まれた街は、丘を背景として地形の流れに沿うように高層・中層・低層の住宅が建ち、その景観の美しさで1995年度の「都市景観大賞」を受賞しています。
そんな向陽台に点在するアートに目を向け、伝え・守る活動をしているのが『向陽台のアートを伝え・守る会』。2022年10月発足の市民団体です。
「向陽台には物語があふれています。まちに溶け込んでいるから気づきにくいけれど、稲城の文化を盛り込んだアートがあちらこちらにあるんです」と代表の村尾さん。
そもそもは6年前のこと。
スーパー三和の向かいにある陽のあたる回廊で手を叩いた村尾さん。
拍手の音が反響し響くことに気がつきます。
すぐそばの龍の池には小さな龍。
「もしかしたら、日光東照宮の鳴き龍と同じ?」と驚きが広がります。
よくよく見ると、龍の池に面した壁面は頭。そして、胴体、尻尾へと続いていく大きな龍の姿を発見。
「これはなんと深い意味があるんだろうと面白くなりました」
そこから向陽台のまちづくりについて関係者に話を聞き、市役所や図書館で調べ、想像力を駆使して検証していきました。
「稲城には、神仏習合の妙見寺、国指定有用無形民俗文化財の江戸の里神楽が伝承される穴澤天神社などなど、多くの歴史と文化が残っています。その文化を、さりげない形でつなげ、伝えているのが向陽台のアートだと発見したんです」
なぜこんなところにこんなものがあるのか、と疑問に思い、調べ、ふとした時に「あ、そうか」とわかった時の楽しさ・嬉しさで、村尾さんの活動が続いてきました。
「アートだと気づくと『本当にすごいな!』と改めて思います。でもアートはいろんな捉え方ができるので押し付けてはいけません。想像力をフルに働かせていけば、こんな楽しいことはないなと思うんです」
そんな村尾さんのユニークな活動に惹かれ、仲間が一人、また一人と集まってきました。
「こんな素晴らしい文化が根ざす向陽台、そして稲城の魅力を、一人でも多くの人に知ってもらいたい」と村尾さんの願いです。
まちを知り、魅力を見つけることで、「このまちで暮らしてよかったなあ」という思いが強くなるのだと思います。
あなたもあなたのまちの魅力を発見してみませんか?
プロフィール
向陽台のアートを伝え・守る会
稲城市向陽台地域にあるモニュメントや建物のデザインを「アート」と呼び、皆で楽しみ、伝え、守る活動をしている市民団体。6年前に村尾さんが一人で始め、次第に仲間が集い、2022年10月、市民団体として発足。活動実績として、アートみっけツアー、向陽台地区の小学生向け授業(講師)、龍の池清掃に参加、向陽台在住シンガーソングライターのライブ、向陽台夏祭りブース出展、妙見尊 蛇より行事見学、アート座談会、アートの保全活動などを開催。会員随時募集。入会金なし・年会費500円。
[申し込み・問い合わせ]art.koyodai@gmail.com
プレイスメイキング とは
そこに行ったら人と出会えて、つながって、ワクワクドキドキ楽しい時間が過ごせて、笑顔が広がって、まちが盛り上がる何かを作り出せる。そんな空間を、私たちが普段暮らすまちの中に作る取り組みが「プレイスメイキング」。
紙上プレイスメイキング とは
『もしもし』紙上が、そんな「プレイスメイキング 」の場になりたい。『もしもし』に触れることで、新しい人とつながったり、ドキドキワクワクの思いが広がったり、新しい発見があったり、このまちで暮らしていることを嬉しく思ったり、安心したり、心が豊かになったり。そして人に優しくしたいなと思えてきたり。そんな『もしもし』を皆さんに届けたい、一緒にこのまちを楽しい場所にしていくきっかけになれたら。そんな思いを込めました。
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