多磨高等予備校
小村洋の「『多磨ヨビ』OG対談」
住谷映里佳さん
(大松台小→八雲学園中高→慶應大学文学部)と
代表・小村、英語講師・氷嶋
大学受験は就活や仕事で生きてくる
「氷嶋英語が、就活・仕事に必要な力もつけた」
対談動画は、https://tama-yobi.comでご覧に!
小村「こんにちは。多磨高等予備校の小村です。本日は、本校の英語の氷嶋哲也講師と、2020年春無事就職された、本校の卒業生、慶應大学文学部出身の住谷映里佳さんの対談を一緒に皆さんと聞いていきたいと思います。よろしくお願いします」
氷嶋・住谷「よろしくお願いします」
氷嶋「久し振りですね」
住谷「すごい久し振りですよね」
氷嶋「話すのが何年何ヶ月経ってるんだってくらいの時間が経ってるって思うんだけど。あ。言うの忘れてました。卒業おめでとうございます」
住谷「ありがとうございます」
氷嶋「もう、何年かぶりか忘れてしまって、まだ大学に行ってるんじゃないかって思うくらい」
住谷「大学、卒業しました」
氷嶋「時間が経ってるので、いやあ、もう早いなあって思ったんですけど。今日は、どういうテーマで話すかっていうと、さすがに大学受験終えて何年経ってるんだってところなので、受験の先の話をしたいなと思ってて。実際、今、私が教えてる高校生たちも、浪人生たちも、実際に大学に入るにあたっての選定基準? どうしても就職率とか、大学に入った後のことを考えちゃう人がすごい多いので、そこを深く突っ込んでいこうかなと思っています」
住谷「はい」
氷嶋「で、実際、住谷さんが大学に入って、順当に勉強していって、就職っていうのを考えたのって何年生ぐらいから?」
住谷「具体的に企業とかは、4年生になってからだったんですけど、就職って言葉を意識し始めたのは、大学2年生くらいからでした」
氷嶋「回りも大体2年生くらいから?」
住谷「そうですね。インターンシップが2年生から応募可能になるので、3年生からというよりは『2年生から行こう』という子が回りは多かったので、2年生の6月くらいから徐々に。『大学に入り立てなのに、もう就職を考えなきゃいけないのかなあ』っていうのは少しずつ考えてました」
氷嶋「私の頃も、2年生の夏入るくらいに意識高い系の子は『就職、就職』って言って、大学入ってまだ1年半しか経ってないよっていうくらいで。慶應の文学部だったので、自分の勉強したいテーマがはっきりと、というかあいまいでも決まってくる辺りで、コースを選考するような時期。自分は社会学専攻で勉強したいってことで、コースが決まって。なのに、半年経ったら急に就職っていう。それが『すごい時代だなあ』って思ったんですけど。で、実際問題、就職活動をやってみて、率直な感想としてはどうですか?」
住谷「『文学部が弱い』はあんまり感じられなくて。正直、経済学部でも法学部でも苦労してる人は苦労してるし、文学部でも本当にスパッと決まれば第一希望の企業にすぐ内定をいただいて、もう就職活動終わり…って人も回りにいたので」
氷嶋「実際そうだよね」
住谷「あんまり学部は関係ないと思います」
氷嶋「本当に。学部が就職先に本当に左右されるってのは、どちらかというと専門職かな?」
住谷「そうですね」
氷嶋「弁護士になりたいとか、先生になりたいとか、っていう方がすごく左右されるかなって印象はあるんだけど。就職率ってなるとあんまり関係ないもんね」
住谷「学部で就職率は変わらないと思います」
氷嶋「逆に、就職先のジャンルっていう面でいうとどう?」
住谷「さまざまですね。私の回りは大手企業に行く人がすごい多くて、みんな『どこの企業だよ』って言えば、誰もが知ってるような場所が多いんですけど。ただ、学部によって、特に、湘南藤沢キャンパスの同級生だったりは、ベンチャー企業に飛び込んで行く子が多いので」
氷嶋「あそこはね」
住谷「ちょっと変わってるんです」
氷嶋「むしろ、自ら会社を作るっていうタイプの人が多いね」
住谷「そうです、そうです。起業するためにまずは身近なベンチャー企業で経験を積んで、そこから自分ですぐ起業するっていうパターンが多いので、結構、起業に対して興味が有る人も多いです。あと、確かに中小企業は少ないかなと、学校柄。そこはそうかなと思います」
氷嶋「そうだね。では、就活で企業に面接をしに行ったときの話を。回りにまあ、聞いたことある誰もが知ってる大学の学生たちが並ぶ中で、大学のカラーってやっぱり見える?」
住谷「だんだんわかってきます。今、グループディスカッションってのをいろんな起業が面接で取り入れているんですけど、グループディスカッションで学校名を言わなくてもわかるところはわかります。私は、部活動をやっていて、部活動がら、東京六大学は関わりがすごい強かったので、どうしてもこういう人ってこういう大学だよなってイメージを持っていたこともあって、グループディスカッションで話をしてみて、終わった後に大学名を聞くと、『あ、やっぱりな』ってのはありますね」
氷嶋「やっぱり感性がすごいはっきりとわかってくるんだよね」
住谷「国立か私立かって言われた時に、『あ、この人国立だろう』って思ったら、100%国立っていうのはすごいわかりますね」
氷嶋「それはやっぱり就職もそうだし、部活やってるからこそってのもあるね」
住谷「はい」
氷嶋「私も教えてて、この子は私立だよなっていうのはカラーとしてもあるから。そこはまあ、国公立に行きたい子は頑張って行って欲しいところではあるんだけど、国公立志望でっていう子でも、この子やっぱり目指すべくして目指してるなっていうのがいるから。そこはすごい私も共感できるし。早稲田は早稲田で、やっぱり慶應は慶應」
住谷「ぜんぜん違うんですよ」
氷嶋「すごいやっぱりカラーがあるから。『あ、これ絶対早稲田生だな』って。本当に、話さなくてもわかるようなタイプの子もいるし」
住谷「います」
氷嶋「あと、グループディスカッションで私の世代で結構あるあるだったのが、慶應生は話をまとめるのがうまい」
住谷「議長役、多いです。『何話しますか?』って口火を切るのは、大体慶應生が多くて」
氷嶋「先陣切るのは、やっぱり慶應生。もしくは話が一通りわちゃわちゃするなかで、話をきれいにまとめていくってのが慶應生」
住谷「多いイメージは確かに持ってます」
氷嶋「あるねえ。なんか昔から変わらないっていうか」
住谷「そこが慶應生ぽいっていわれるゆえんのところなのかなあって」
氷嶋「そうだね。ある意味でスマートだし、ある意味で効率重視って」
住谷「効率重視はすごい、そうですね」
氷嶋「あるかなって思いますね。やっぱりこう、私も教えてても、入試問題でもすごい効率重視の子たちがやっぱり欲しいなってのがにじみ出てるような問題もあるし。就職活動で、企業オリジナルの筆記問題みたいなのがあったりするなかで、今の高3生、浪人生の子たちから思考力を重視する試験を受けて欲しいと、入試問題を各大学が一生懸命作って頑張ってるんですけど、慶應はぶれないね」
住谷「もともとが、そっち路線じゃないですか。私が大学受験のときから少し問題の傾向が違っていたので、それで対策に苦労した部分もあったんですけど。今の時代に求められるものというのが、慶應には元々出来上がってるのをすごい感じるので、入ってくる人も、変わらないんだろうなってのは思います」
氷嶋「そうだね。各大学がこれから入試問題を変えたいって一生懸命頑張ってる中で、慶應義塾と東京大学だけは一貫して変えない」
住谷「変えなくても問題がない」
氷嶋「そう。本当に芯がすごい強い大学なので、その分、個性もカラーもはっきりくっきりわかってくるのかなと思うんですけど。あと、住谷さんに聞きたかったのは、就活に向けてどういう対策、就活対策みたいなの、自分なりにやってました?」
住谷「ここが私、結構苦労した部分だったんですけど。私はずっと部活動をやっていて。今は結構変わってきたんですけど、昔だと、『部活動が就職に有利だよ』というふうに言われていたので、部活を4年間がんばることってのが就職活動に直結することだと思って1年生のときから『部活動しっかりがんばろう』って、もちろん勉強はやりつつなんですけど。でも『部活に重点をおいても間違いはないだろうな』って思っていたのが、3年の冬ぐらいで、少しずつ、インターン行った同級生とかから、『ああ、もう部活だけだったら絶対だめだよ』っていう話を聞いたりとかしながら、勉強というより、ゼミの活動だったりだとかを結構重視される企業が多いんだなって。自分も就職活動しながら感じるようになったので、勉強と部活ないしはサークルは、絶対どちらもちゃんとやっておくべき事案だなってのをすごい思って。一昔前の就職活動だと、『部活を一生懸命がんばれ』、体育会とかだったら『成績残しておくことが良いよ』って。でも、今はそれが通用しない世の中になってきているので」
氷嶋「私自身も、英語の先生ではあるけれど、就職活動っていう大学受験の先にある一番大きな舞台をすごい研究をしていて。今の就職っていったいどういうふうに変わってってるのかなあって。本当に激動に変わっている時代だから、今現状どういう感じなのかなあ…ていうのを各大手企業の社長さんとか、就職の面接官を担当されてる方とかにインタビューとかお話を伺う機会が今までなんどかあって。そのお話を聞いている中でやっぱり一番強いなって思うのは、『結局大学4年間であなたは何を学んだの?』っていう。もちろん、今、住谷さんがさっきおっしゃった、『ゼミの活動の説明を聞いて何がわかるの』っていうくらいとにかく突っ込んでくるタイプのひとたちも多いなあっていう印象もあるし。あと、最近は大学の成績を企業に送るっていいますね」
住谷「送ります」
氷嶋「送るのが当たり前になってるんですか」
住谷「絶対送らないといけないんですよ」
氷嶋「そうですよね。昔とそこが全然違うのかなって」
住谷「なんかこう、適当に授業を受けていたってのが、ばれるんですよ。成績を出して、何を履修してたかってのを面接官が見て、『一番印象的だった授業、何ですか?』っていう質問だったり、『一番苦手だったなって授業、どれですか』って言うので、本当に自分が理解してないと、何が苦手だったかだったり、何が得意で印象的だったかってのを話せないので。『あ、この人、ただ、漫然と大学行って授業受けてたんだな』ってのが、速攻見抜かれるので。恐ろしいなと思いました」
氷嶋「本当に、今、大分変わったなあと思うんだよね、就職活動自体も。昔はある意味個性を売る、っていう言い方は変だけど、『自分はこういう人なんで、御社に絶対役に立つと思うんです』って自分をアピールしていくような就職活動がすごい流行った時期があって、そのせいで就職活動専門学校みたいなのが一時期すっごい流行ったんですけど。今はどっちかっていうと、時代が流動的なので、どれほどがんばれる子なのかっていう踏ん張り力っていうんですか」
住谷「すごい見られます」
氷嶋「そこがすごい重要視されるのかなと思うんで、逆に今の子たち、今の高校生なんかは、変化にとっても弱いんですよ。なので、大学に入って、決められたルーティンをこなすことで必死になっちゃう子たちが多い。その面で、就職活動が厳しい子たちがいるのかなあとは思うんですよね。その点、慶應さんは違うのかな」
住谷「どうなんですかね。そういうイメージもって多少なりとも入るじゃないですか。やはりそういう人もいますし、そこで、どんどん、学校の中でも目立っていく存在荷なる人もいるんですけど。そういう感じではない人も一定数はいるので。でも、これが以外と面白かったのが、そういう人たちって、ちょっと就職活動苦労するのかなって勝手に思ってたんですけど、そんなこともなくて」
氷嶋「結構、ころっと行ってしまうの?」
住谷「落ち着くところにちゃんと落ち着くってところで、そこはちょっと大学の名前の有利さなのかなっていうのは思いますね」
氷嶋「あとは、大学にリクルーターさんって来ました?」
住谷「私の学部は来なかったです。もしかしたら学部によるのかもしれないんですね、理工学部とかだとすごい来てます。学校説明会を開いていたりとか。あとは三田のキャンパスの近くに、学生が使える学生専門カフェみたいなのがあるんですけど、そこにリクルーターという名前ではないんですが、企業の人が来て、『ちょっと説明会しますよ』ってのは、ちょこちょこやってましたけど」
氷嶋「やっぱ、あるよね」
住谷「大学が公に認めてやってるかっていうと、そうではない」
氷嶋「ま、そこはね」
住谷「あとはもうただ業界の説明を、大手企業の方が来て、1対200とかでやってるので、リクルーターとかではなく、企業を知るための、業界研究の、一歩踏み出すための講演会みたいなものは、結構いろんな業界が来て充実してやっています。けど、それが、就職活動に直結するかっていわれたら、それは違うかなって」
氷嶋「学歴フィルターを設けてる企業さんと、そうじゃない企業さんとが、今、歴然とはっきりとしてるところで、実際にその学歴フィルターをすごい根強く持ってる企業さんなんかは直接大学にリクルーターって形で行って、学生をゲットしてくるっていう使命があるので、その点では就職の難易度は上位校であればあっただけ、緩和はされるのかな…ていうところではあるんですけど。必ずしも今の時代では、あんまりそこまでいかないのかな」
住谷「そうですね。インターンで学生が企業に行くことが多くなってるので。売り手市場とはいうものの、やはり学生から動いて行かないといけないので、リクルーターが大学に来るというより、学生が早めの準備をして、インターンで企業に乗り込むって方が今は主流かもしれないです」
氷嶋「例えば、韓国とかは、本当に意識高い系の学生さんなんかは、ある意味自分の在学時の能力を上げていくのが当たり前。なんで、大学2年生、3年生の時点でTOEIC900点取るのが当たり前。でも就職活動は必ずインターン行って、企業の情報をふんだんに集めてその上で就職をしていこうって言うのが当たり前で。ホントに会社という会社がすごい少ない中で就職するっていうところなので」
住谷「難しいですね」
氷嶋「難しいでしょうね。多分日本もだんだんだんだん欧米的になってきてるから、新卒一発で採用みたいなところはだんだん難しくなってきてるんですよね。新卒一括採用みたいなものが、日本だと60%~70%になるんだけど、ヨーロッパだと20%、30%が普通なんです。ある意味ちょっと変わった国なんですよね、日本って。なので、海外に行ったらあまり通用しない。って言うのがどんどんどんどん、日本にもその波が寄ってくるのかなあって思っていて。卒業したら即就職っていうのは、結構変な時代にこれからなってくるのかなあ、って今は思うんですよね」
住谷「そうですね」
氷嶋「なので、自分の強みっていうのが、どれほど発揮できるのかなって。そういう制度が今は多分受けるのかなって」
住谷「ガクチカですね」
氷嶋「『大学名=就職力』ってなるかって言われたら、必ずしもそうではないけれど、大学に行ったってのがステータスで終わることなく、そのあと、自分磨きをひたすら頑張ってる子たちは、『○○大なの、ホント?』っていうくらいの、本当にそれくらいの能力を持っている子たちも見え隠れするような風にはなるのかなと思うんです。大学受験と就職活動、似てる部分が実は私の中ではあって。どういう面かというと、高校名と大学名って偏差値でいうと、かなり似てるところがある。例えば、偏差値50の高校出身の子だと、偏差値50前後の大学で落ち着いちゃうとか。偏差値55前後だったら55前後とか。ちょっとがんばって、58、60とかで落ち着いちゃう子もいる中で、やっぱり自分磨きを徹底的にやってる子なんかは、『この高校からこの大学行く?』っていうような、ホントに逆転合格みたいなことをやる子もいるのが事実なので、必ずしも『自分の能力=大学』とか、『自分の高校=大学』みたいな感じにはならないかなと思っていて。就職先もまあ、しかりかなって」
住谷「そうですね。まあ、でも私の場合は、大学のブランド名があるじゃないですか。で、回りも良いところに行く。で焦りだったりとか、そういうところに行けるはずの大学にいるんだからそういうところに就職しないといけないみたいなものは、ちょっと辛くて。他の大学の子たちだと、回りもそんな感じだし、このへんで落ち着いても別になんとも思わないよってのも回りから聞いてる時に、『なんで私はこんなに一生懸命、こんなに大学名に縛られて就職活動しないといけないんだろう』と思った時はあったんです。でも今、実際に内定をいただいた企業で内定者に会ったりしても、やっぱりなるべくしてこの大学で、回りに集まってくる人達も、やっぱりそれなりな人達が集まってくるとなると、自分の大学のブランドっていうものを辛いとも思うんですけど、それをやっぱり武器にしながら、就職活動だったり、これからの生活だったりを送るのは、ホントは感謝しなければいけないんだなって。渦中にいると少し気づけない部分はあるんですけど。でも、終わって落ち着いてみたら、感謝するべきことだなってのをすごい思います」
氷嶋「ある意味、大学の名前っていうレッテルをすごい重たく感じるってのは、実は、今私が教えている高校生たちも同じ思いをしている子がかなり多くいて。『この高校名でその大学行くの?』っていうのが、非常に重たく感じちゃう子たち。ホントに、浪人生なんかはすごい強く感じる子なんかもいます」
住谷「私もそうでした」
氷嶋「ですよね。だと思います。なので、『この高校だからこの大学に行かないともう恥さらしだ』って言われるような、すごい厳しいって思う中でも、結局やり終わってすごい大きな達成感を味わうと、ふと我に返ったときに、高校に感謝だなあとか大学に感謝だなあとかってのがやっぱりあるよね」
住谷「思い返してみる時間を自分で作らないと気づけないままその先に進んでしまうかもしれないんですけど、でも、絶対に感謝する日って来るなってのは思うので。私もそんなに有名な高校ではなかったので、浪人して慶應に入って、でも中学高校6年間、あの学校で過ごしてきたことに対して感謝ができたから、浪人も1年間頑張れたし、で、その先の慶應大学ってところでも頑張れたのかなと思うので、浪人したことに対して一切の後悔もしてないです。ふとした瞬間に、やはり、自分の人生を振り返った時に、ここで良かったなって思える瞬間は絶対来るので、今、あまり自分に納得がいってなくても、きっとそれが、5年先なのか10年先なのか20年先なのかわからないですけど、絶対その瞬間は来ると思います」
氷嶋「なるほど、わかりました。じゃ、最後に、1点だけ聞いておきたいことがありまして。高校生たちも大学に通っている子たちも、気になってると思うんですけど。就職活動の試験って、どんな試験が出るんですか?」
住谷「SPIとWEBテストの2種類があります。WEBテストの場合は、結構クセが強い企業だと、普通の数学だったりとかのそういう能力よりは、読み取りだったり、読解力だったりをすっごい重視するところがあります。文章を読んで、『あてはまる』、『あてはまらない』、『この文章からは推測できない』の3択にわかれるんですけど、『この文章からは推測できない』がホントに選びにくくて。その試験をやっていくと、正解すると文章が長くなっていくんですけど、間違えると短くなるので、今自分が合ってたか間違えてたかが瞬時に、次の問題でわかってしまうので、受けながらメンタルがやられる、結構辛い部分です。それが『言語』って言われるもので。『非言語』だと、表とグラフの読み取りです。電卓は使って大丈夫なので、計算ミスとかは絶対おきないんですけど、何をどの情報から選んで、その数字と数字を割ってパーセンテージを出すとかっていうのが、結構慣れてこないと難しくて。それが問題数が30問あって、時間が結構ぎりぎりで。これ、自宅で自分のパソコンで解くんです。なので、これは自分のペースでやったりとかできるんですけど。もう一つのSPIは試験会場に行って受けるもので。大勢いる中で受けたりするので、まず集中力が結構必要っていうところ。これは言語は中学生くらいの語彙というか熟語だったりが出てきます」
氷嶋「ホントに基礎知識みたいな?」
住谷「懐かしい国語の文法みたいな感じです。修飾している言葉同士の修飾する関係が同じものを選んでいくとか、反対語になっているものを選んでくださいとかで、そんなに難しいとは思わないんですけど、時間制限の中で解かなければいけないので」
氷嶋「日本の試験って情報処理能力が問われるね」
住谷「もはやそれでしかないって」
氷嶋「それだけ、一生懸命に試すような問題が出ちゃってて、情報化社会だからって言うのもあるのか、ネット環境がここまで広がってるからなのか。本当にあまたとある情報の中から欲しいっていう情報を瞬時に探して、そこから導き出せる答えは何かっていうのをすぐにパッと出せるようにして欲しいよっていうのが日本らしい会社なのかなって思う」
住谷「非言語の問題は特に推論っていうのが多いんですけど、推論はホントに情報処理能力でしかない問題なんです。必要なものと、あとはその情報を得たものを自分の頭で考えるって感じなので、計算したりっていうのはあまりないんですよ。なので、いっぱいやればやるほど何パターンも情報の取り方みたいなものを学べるので、問題を解くしかないって感じです。単純な計算が出た企業は2つくらいだったので、あとはもう基本的に推論の、文書を読んで何が必要でっていうのを自分で選んでいくスタイルでした」
氷嶋「多分、住谷さんはほぼ覚えてないかもしれないけど、浪人生活やってる時に、センター試験を受けたと思うんですよ」
住谷「受けました」
氷嶋「センター試験も就職活動のミニチュア版という試験で」
住谷「おっしゃってましたよね、覚えてます」
氷嶋「そうそうそうそう、センター試験って、就職活動試験のミニチュア版みたいな試験なので、この問題にどれくらい時間をかけたらどれくらい効果があるのってのを瞬時に判断してすぐに答えを出すっていうのが、ホントに求められる試験なんです。それが、今度、共通テストっていうのになるんです」
住谷「名前が変わりますよね」
氷嶋「名前が変わって、情報処理能力がますます求められるような試験に変わるので、その傾向は日本はずっと変わらないのかなあって思うんですよね」
住谷「頭から解いていくと死ぬってやつですね」
氷嶋「なかなか大変な試験なんです。さて、海外の企業に就職活動されている友達、回りにいました?」
住谷「外資系は受けてる人はいましたね。私たち、日本の企業だと3月に情報解禁がされて、6月に面接ってなるんですけど。3月に内定出るんですよ、外資は。なので、10月くらいからこつこつインターンに行き始めてる子だと、3月に内定もらえるっていうので、一歩先に内定もらっておくために外資を受けるってのはあります」
氷嶋「逆に外資だと、私の考えですが、情報処理能力ももちろん必要ではあるんだけど、想像力が凄い求められる会社だなって思います」
住谷「すごい求められてると思います」
氷嶋「私が知ってる試験だと、グーグルさんなんかも有名な問題をちょこちょこ出しますよ」
住谷「面白い試験ですよね」
氷嶋「有名なところだと、マンホール問題。マンホールって何で四角じゃなくて丸なんですか?って、凄い有名な問題があって。ホントにそこで、何でなんだろうなって考えちゃダメ。多分これこういうもんなんじゃないの?って想像力をふくらませて考えられる子が欲しいんだなって。それはやっぱり方向性が大分違うのかなって思うんですよね」
住谷「コミュニケーション能力と想像力っていってました」
氷嶋「そうだよね」
住谷「コミュニケーション能力がないと外資は絶対やっていけないって聞いて」
氷嶋「そうね、間違いない」
住谷「良いものをたくさん持ってるのに、自分の思いだったり考えだったりを話せないと意味がないので。コミュニケーション能力というかプレゼン能力ですかね」
氷嶋「そうだね」
住谷「それをいかに人に、良いものですよ、必要なものですよって伝える力がないと、考えるだけだともったいない。なので、そこが発揮されなければ最終面接とかで絶対落とされると聞いたので」
氷嶋「単に知識をたくさん持ってるっていう頭でっかちなタイプじゃなくて、それをわかりやすく丁寧に順序だてて説明できるタイプの人達が欲しいし、日本の試験にはまずないような、ホントに想像力をどれほど豊かに持ってるかっていうタイプの子たちが欲しいのが外資。日本はホントに情報処理をとにかく優先するような子たちが欲しいのかなってのを根強く感じる」
住谷「そうですね。でも、SPI解くにしろ、WEB試験解くにしろ、先生の英語の授業で情報処理というか読み方みたいなこと、ここはいらないから切っていく、ここは反対のこと、二項対立は絶対に出てくるからね、っていうのを教わって、すごい役に立ってたんですよ。ホントにその、ただひたすら文章を読むとかじゃなくて、次にこれが出てくるってのを予想して読むのができるように1年間でなりました。WEBテストは結構その力は必要といいますか、ないと解けない部分になってくるので、すごい感謝してます」
氷嶋「それはホントの読解力ってやつだよね」
住谷「頭から読むってのを、良い意味でやらなくなったので。英語の文章でそれをやって、日本語の文章ってちょっと作り方が違うよってお話もされてたと思うんですけど、それも色んな文章を読むことによって理解ができるようになったので。ここは必要、ここはいらないってのを分けて読む力。それは、これから会社に出て仕事するにも、すごい必要な力だなと思うので、それはホントに感謝しています。本当にありがとうございました」
氷嶋「まとめますと、大学受験っていうものは、ある意味大学に受かるだけのツールではなく、就職活動とかその就職先でも実際に使えるツールになるよっていうことですかね」
住谷「そうですね。今頑張ればこの先に絶対生きてくるので。何のために勉強してるんだろうと思う瞬間が絶対出てくると思うんですけど、大学受験のための勉強というよりかは、就職活動だったりとかこれから仕事において使える力だったりとかというものが自然と養われていく過程にあると思うので、大学受験は。なので、そこまで意識してもらえるときっとモチベーションが少し保てるかなあと思ったり、後はその先のことについて考えるきっかけにもなるので。自分はこういうことが得意だと思えば、そういうのを伸ばしてもらえる会社を選ぶとかにもつながってくるんで、決して無駄だなと思わずに、勉強一つ一つにも意味があるんだなと思いながらやってもらえたら、この先きっと良いことが待ってるんじゃないかなと思います」
氷嶋「実際に就職活動を経験したからこそ言えるようなすごいリアルな話でした。ありがとうございます」
住谷「ありがとうございました」
本対談動画は『多磨高等予備校』のホームページで!
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