LIXIL不動産ショップ 中央企画
相続相談 不動産のプロによる相続サポート⑪」
多摩地域で40年以上の実績を持つ不動産のプロ『LIXIL不動産ショップ相続サロン』代表・田岡浩一郎氏が、今注目の「家族信託」や不動産相続などについて話します。
深刻な日本の「空き家」問題
「家族信託」でできる対策は?
近年、日本では人の住まない「空き家」が増加しています。総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、平成30年の全国の空き家は約849万戸で、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は、約13.6%を占めています。
空き家の増加、そして、それに伴う空き家を原因とする周辺環境への悪影響・犯罪リスクの上昇等は、現在、日本では深刻な社会問題となっています。
ただ、すべての空き家が問題になるわけではありません。空き家が問題になるか否かは、空き家が適切に管理されているかが重要なポイントです。
例えば、別荘などは、所有者による管理がある程度期待できるため、問題が生じる可能性は低いです。
一方、賃貸または売却の予定がなく、別荘等でもない住宅は、管理が不十分になりやすい傾向があります。
管理が不十分な空き家は、建物の劣化が放置されることとなり、結果、屋根が落下したり、外壁が崩落するなどの可能性のある危険な建物になってしまうことも。これらの建物の破損により、他人に損害を与えてしまった場合は、所有者には莫大な損害賠償金を支払う責任が課せられる恐れがあります。また、放置され人の目が届きにくい空き家は、さまざまな犯罪の温床になりやすいといわれます。
■空き家対策に「家族信託」が有効な理由
現在、深刻な日本の「空き家」問題ですが、「家族信託」でできる「空き家」対策があるのをご存知ですか?
「家族信託」は子どもや孫などの信頼できる家族を「受託者」として、親等の「委託者」が認知症発症前に財産の管理・運用・処分を託すもので、委託者が認知症を発症したとしても、家族による柔軟な財産管理が可能になります。
そんな家族信託で、どのような空き家対策ができるのか、
「問題のある空き家となることを未然に防止する」ための対策を「家族信託」で考えてみました。
事例を取り上げてご紹介します。
【認知症等による資産凍結対策の例】
母親 X:数年前に夫を亡くし、家を相続
息子 A:母親 Xの一人息子
母親Xは数年前に夫を亡くし、自宅を相続しました。その後は自宅で一人暮らしをしていましたが、つい最近、軽度の認知症を発症。一人で暮らすことも不安になり、施設へ入居することにしたため、実家は空き家となりました。
息子Aは遠方に家庭をもっているので、実家に戻る予定はありません。そこで、息子Aは実家を売却しようと考えました。自身が空き家となった実家を管理する手間が省け、売却代金は母親Xの介護費用や生活費に充てることができると考えたためです。
しかし、買主探しは難航、ようやく売却の目途が立った頃には、母親Xの認知症はかなり進行していました。結局、その後の診断において母親Xには自宅の売却を判断する能力がないとされて、家を売却することは困難になってしまいました(※)。
※ 売買契約などの法律行為を行う際に、当事者に判断能力(意思能力)がなかったときは法律行為が無効になることが民法に定められています。また、このような場合でも息子Aが母親Xの代理人として売買契約を締結することはできません。
→このような事態(上記)を防ぐ方法
【「家族信託」を利用した対策】
●「家族信託」で信託契約を締結する
委託者兼受益者:母親X
受託者:息子A
信託財産:実家・現金(母親Xの老後の資金や自宅の管理費用)
信託契約を締結することにより、家の所有者は(形式的に)息子Aになります。
そのため、自宅の売却は息子Aが母親Xの健康状態に左右されずに行うことができます。
このような方法により、自宅の売却が滞る原因の一つを防ぐことができ、ひいては実家が問題のある空き家となることを防ぐことができると考えられます。
また、母親Xの健康状態を理由に自宅の売却手続きを急いで行わなければならないといったこともなくなります。受託者である息子Aが熟考したうえで自宅売却の手続きを進めることができるのも、家族信託に取り組むメリットの一つといえるのではないでしょうか。
空き家の問題は現在空き家を所有している方だけのものではありません。
自身や家族の生活の変化、相続によって実家や自宅等が空き家になってしまう可能性があるのです。将来的に空き家になることを防ぐ対策や空き家になってしまった場合の対策を考えておくことが重要といえるでしょう。
「家族信託」は「空き家」対策にも有効です。
長期にわたり安心できる一貫した財産管理・資産承継のカタチとして「家族信託」を考えてみてはいかがでしょう。
「家族信託」や「不動産相続」についてのさまざまな疑問や悩みは、多摩地域で40年以上の実績を持つ不動産のプロ『LIXIL不動産ショップ相続サロン』が、幅広い相続や信託の知識と専門家とのネットワークを通じてサポートいたします。
また、相続勉強会も定期的に開催しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。
スポット名 | LIXIL不動産ショップ 中央企画 |
---|---|
住所 | |
お問い合わせ | FREEDIAL 0120-49-7770 |
時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | (水)、(祝) |
WEBサイト | |
備考 | *時間・定休日が掲載内容と異なる場合がございます。ご利用の際は事前に店舗にご確認ください。 |