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モリテツのスペイン紀行53「意外!マドリードの語源(2)」(マドリード5)

駅に戻ったところ、今度は地元のワイナリーが飛び込んできた。ドン・キホーテと違ってこっちなら無感動ということは絶対あり得ない。

しかも「エル・ビンクロ」はラ・マンチャきっての名ワイナリー。湿気がなく、強く眩しい太陽光線が強く、夏冬の気温差が激しく、葡萄の木の成長に格好の気候風土が幸いしてリオハワインとは一味違った名酒を作り上げているらしい。まずは醸造庫の見学だ。ずらり並んだ樽の色を見るだけで何やらうまそうな感じ。美術館の鑑賞と違ってこちらはグイッと実感がある。「水は有料。ワインはただ」のお国柄。試飲も自由。ほんのり頬も赤らみいい気分になったところで、同宿のイタリア三人組への土産に15ユーロの赤ワインを一本購入。

駅で列車を待つものの、2時間近く経っても来ず、調べてみると一日3本。8㌔離れたアルカサル・デ・サン・フアン駅までタクシーを飛ばしてマドリードに帰った。

賑やかな骨董市を抜けて、プエルタ・デル・ソルのアルカラ通りを通りかかると、熊の銅像があった。こんな都会になぜ? 何と、この「クマとイチゴノキの像」は首都マドリードのシンボルだとか。一九六七年一月、20万ペセタをかけて製作したそうで石と青銅製。重さ20㌧。そういえば店の壁や地面に似たような図柄を見た覚えもある。

宿に戻ってワインを嗜みながら像の話を持ち出すと、イタリア青年の一人カルロ君がGoogle翻訳で銅像の種明かししてくれた。

デンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンに由来するとか。スペイン旅行に来たある日、母親とピクニックを楽しんでいた子どもたちが熊に襲われ、母親はまず子どもを木に登らせて避難させた。

木の上から母親の様子を心配した子どもたちが必死に「ママ、早く逃げて。熊が追いつきそう」叫び続けた。この「母さん、逃げて」はスペイン語で「Madre(母さん)、huid(逃げて)」。これが詰まってマドリード(Madrid)になり、エンブレムにもつながったという。にしても人を襲った熊の方を主役にするとは、これもお国柄か。


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