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『もしもし』長谷川豊子の生きるということ
 その17「挨拶するということ」

その17
「挨拶するということ」

今のマンションに越してきて20年超。
当たり前のことですが、私は挨拶を大切にしてきました。
「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」。
今も変わらず、私から声をかけるように心がけています。
名前は存じ上げないけれど、同じ敷地内で暮らす者同士、「袖振り合うも多少の縁」ですもの。

で、最近、私自身が日中近所を動くことが多いからか、若い年代の方をよく見かけます。
ある日、ご両親と一緒の小さなお子さんが大きな声で「こんにちは!」と挨拶してくれました。
なんだか嬉しくて、涙が出てきたんです。
たった一言ですが、元気にしてもらえたことに感謝して心を込めて笑顔で「こんにちは」と返しました。

さて「ユマニチュード」をご存知ですか?
「人間らしさを取り戻す」を意味するフランス語の造語で、フランス発祥の認知症ケア技法として、現在、日本でも注目を集めている考え方だとか。
このユマニチュードでは、介護を提供する側の心構えとして「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つのケア技術を提唱。
それは「あなたのことを大切に思っています」との思いを伝える技術だそうです。

このうちの「見る」「話す」が挨拶につながるなあと得心。
「見る」は相手を正面から真っ直ぐ、「話す」はゆっくりと穏やかに、がそれぞれのポイントです。

ともすると忙しい日々。
わずかな一言でも、しっかり相手を見つめて丁寧に挨拶しようと、心新たにしています。
私に元気をくれたあの子のように、真っ直ぐな挨拶を、出会うお一人おひとりに。

PROFILE

長谷川豊子(はせがわとよこ):
『有限会社もしもし』専務取締役。1985年9月、『もしもし』の前身である『奥さまもしもし新聞』を一人で発行。以来第一線で、編集者として取材・執筆・広告営業にと走り続けてきた。


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