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TamaHito 34
南部 玲子 さん
自称「多様性を愛する地球人」 絵本が持つ力も伝えたい

みんな違ってみんないい そう思えるまちへ

小学5年、6年の時を父親の仕事の関係でアメリカで過ごした南部さん。当時、学校でたった一人の日本人で、初めてのマイノリティ体験だったと振り返ります。結婚後には夫の転勤で台湾へ。異国での子育てでは、できるだけその国の生活に入り込もうと現地の幼稚園へ。一方で、日本人の子育て支援グループでも活動を続けました。

そして第二子出産のため一時帰国中に本帰国が決定。日本での生活が再び始まりました。

「帰国後、〝みんな違ってみんないい〟が通らない社会、〝ねばならない〟の多い社会に息苦しさを、私も息子も感じてしまって、悩んだ時期もありました」

その中でも、南部さんは子どもたちが喜ぶならと、幼稚園や学校、地域での読み聞かせボランティアや国際交流ボランティア、PTA役員、地域の子育てマップづくり、人形劇などなど、さまざまな活動に取り組んできました。

「そうやりながら周りを見ているうちに、自分の心に蓋をして悩んでいるのは自分たちだけじゃないことに気づいたんです。皆さんが、自分らしくいられる居場所を地元で作れたらと、友人と『むすびーな』を立ち上げました」

『むすびーな』は、年齢も性別も国籍も問わず、多種多様なテーマでさまざまな人たちが交わるtea timeで、違う個性を持った人と人、想い、文化、世代をつなげ結んでいく場として評判を集めました。

絵本の読み聞かせで 自己肯定感が上がります

居場所づくりをしながら南部さんは、〝親と子のしあわせな未来をつくる・絵本の読み聞かせ方を指導する〟『一般財団法人 絵本未来創造機構』で絵本の恩恵を広げる絵本講師としての道を歩む学びを始めました。

「学んでいく中で絵本を毎日読むようになったら、潜在意識が上書きされて、私自身がどんな自分に対しても〝あるがままで大丈夫〟と思えるようになりました。すると子どもたちのあるがままも応援できる自分に変わっていき、不思議なことに子どもたち自身も変化していったんです!」

小2でいったん中断していた寝る前の絵本の読み聞かせを、このときから再開。そのおかげで思春期の子どもともコミュニケーションが取りやすかったそうです。絵本の美しく優しい言葉、イメージが膨らむ絵、ハッピーストーリーは蓋をしていた感情を動かす力があるのだと言います。

「絵本は、どんな育児書よりもスーッと、今の自分に必要なメッセージやエールを送ってくれます。小さな子どもだけのものと考えていたらもったいない。大人にこそ、読み聞かせに耳を傾ける時間を持って欲しいと思います」

「子どもたちが夢を持って未来を生きられるようにするためには、まず私たち大人が夢を持って明るく生きることが必要だと思います」と南部さん。そのための活動をさらに進めます。

動画では、絵本のある生活の効用を南部さんが語るとともに、自作の絵本を読み聞かせします。ぜひ、ご覧に。

 

プロフィール

1969年東京生まれ。稲城市在住。小5・6を父の仕事の関係でアメリカで過ごす。大学卒業後、シンクタンクや役所に勤務するも、夫の転勤で台湾へ。異国での子育てを始める。帰国後、〝みんな違ってみんないい〟が通る社会への理想が膨らみ、地元で自分らしくいられる居場所づくりをさまざまに展開しつつ、絵本を通して自己肯定感をあげる生き方を広げる活動も邁進中。「絵本未来想像機構」EQ絵本講師®︎。「and03」共宰。ICBCメンバー。今年2月絵本を主軸にした個人事業「Fruitsbasket」を設立。instagram@reichanhiran

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