漢方コラム(103)防衛の気「衛気」
新型コロナ肺炎が流行して不安ですね。風邪をひきやすい人、ひきにくい人がいますが、東洋医学的には「衛気(えき)」の強さに関係します。気は4種類あると考えられていて、「元気(げんき)」「宗気(そうき)」「栄気(えいき)」「衛気」があります。「衛気」は、体表を覆って身体を守るバリアのような気とされています。「衛気」が強い人は風邪などの病気をもらいにくく、また花粉症などアレルギー体質にもなりにくいのです。また肺が司る気なので、肺が弱い人は「衛気」も弱くなりますし、大腸は肺の裏の臓腑なので、腸が弱い人も「衛気」が弱くなりやすいです。もちろん、タバコは肺を弱らせますので、「衛気」を弱くしてしまいます。「衛気」を強くするとされる代表処方は「玉屏風散」。身体の表面に屏風を立てて外からの邪気を防ぐという由来の名前がついています。風邪をひきやすい方にオススメの漢方薬の一つです。