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TamaHito 10 
西脇 智子さん
テクノロジーを活用して 住む人が幸せになれるまちに

テクノロジーを活用して
住む人が幸せになれるまちに

テクノロジーのワクワクを
皆に感じてもらいたい

1973年に発行された五島勉の著書『ノストラダムスの大予言』。
その中に、「1999年7の月に人類が滅亡する」という解釈が掲載されていました。
当時、公害問題などで将来への不安が渦巻いていた日本で、ベストセラーに。
以来、ことあるごとに話題になってきました。

「私、『ノストラダムスの大予言』を真剣に信じていて、24歳までしか生きられないなら、24歳以降のことを考えても仕方ないって思っていたんです。だから将来は何しようとか全くなかった。今でもそう。明日はどうなるかわからない、今を生きましょうと思っています」と西脇さん。
人見知りも激しくて、目を見て話ができないような子どもだったとも。
「大人が怖かったのかもしれませんね」

中高短大とお嬢様学校に通っている時に、人と関わらなくて良いパソコンに触れるうちに、その楽しさにのめり込みます。独学、そして、さまざまな業種の企業で、総務、人事、経理、労務、他、VBAはじめ、システム開発や社内SEとして働き、ITスキルを高めていきました。

2015年秋のこと。
友人から「智子さん、ITに強いでしょ。手伝って!」と誘われたセミナーで、“オープンデータ”を知りました。
「こんな良いテーマなのに、どうしてIT業界以外の人が参加してないの? 住んでる人がいないじゃない。もっとテクノロジーのワクワク感をみんなに楽しんでもらいたい、身近に感じてもらいたいのに」
そんな西脇さんの言葉に、「そうなんです、こんな良いことをやってるのに、なかなか皆さんに声が届かないんです。なんででしょうねえ」と、参加していたITのプロたちの反応。
「“オープンデータ”と言ったとたんに、『わからない』『無理』と普通の人達はみんなひいてしまっていました。業界用語が多すぎて、IT業界以外の人に伝わる言葉で話してなかったんですよね。だから、IT業界の中の人と外のわかっていない人の間に私が立って、通訳をすればいいんだと気づきました」

そして、西脇さんはテクノロジーを、人と人とをつなぐためのツールにしたいと考え、2016年3月、稲城市のワクワクを皆で発信するFacebookグループ『いなぎ日和』を共同主宰で立ち上げました。

「『稲城ってどんなところ?』って聞くと、『いなかで何もないんだよね』とマイナスの発想から入ってくる。いやいや、そこが良いところでしょう。その良いところに気づいてほしいなと」

西脇さんは、ママ友に、何でもいいから、稲城のあれこれ、見たもの聞いたもの、出会ったものを投稿してちょうだいと頼みました。

「最初は『私の投稿なんて普通すぎて、誰も喜ばない、恥ずかしい』と言っていた人が、“いいね”が増えるにつれ、『私が発信しなきゃ』『私も交流していいんだ』に変わっていきました。全く会ったことはないのに、つながっていく。『稲城って何もないと思っていたけど、たくさん良いところがあるんだね』と参加する皆さんが徐々に気づいていきました。それをきっかけに、他の誰でもない『自分が主役になれるまち、稲城』なんだよと伝えていきました」

『いなぎコミュニティビジネスクラブ』『2030年の稲城を描く市民会議』等、さまざまな地域活動の場に参加するうちに、西脇さんの周りに、おもしろいIT系の人が集まってきました。
で、「そろそろ…」と、2018年に立ち上げたのが『Code for INAGI』です。

「困った」をつなげる仕組みで笑顔を創る
『稲城お弁当プロジェクト』

『Code for INAGI』の活動は、行政ではなく市民が知恵と技術を出し合い、テクノロジーで地域の課題を解決していこうというもの。
「でも、課題を無理矢理作り出したところで面白いことは起こらない。テクノロジーで楽しく面白くワクワクしながら、皆の稲城での暮らしが、昨日より今日、今日より明日と、少しだけ便利で楽しくなる、そんなお手伝いができたらいいなと思っています」

こうした活動の中で、西脇さんは、3年ほど前に“シビックプライド”という考え方に出会います。
“シビックプライド”とは、「自分は、なにかこのまちにできることはないか?」と、市民自身が当事者意識をもって関わっていくことで生まれてくる、地域に対する自負心です。
「市民一人ひとりに“シビックプライド”が育つことで、本当に、このまちで暮らして良かった、暮らし続けたいという思いを抱けたら最高だなあと思います」

今回、新型コロナの感染拡大で、3月から始まった外出自粛に伴う、休校や店舗の営業自粛、テレワークの推進など、生活様式の激変が唐突に始まりました。

そんな中で西脇さんは、ママ友の「毎日毎日三食作り続けるのなんて、もう、無理!」という声を耳にします。
また、飲食店からは「営業時間の短縮や外出の自粛で来店が見込めず、売上が激減! テイクアウトやデリバリーで何とかしのぐしかない!」との声も上がりました。
皆の「困った」を感じ取り、「何とかしなきゃ!」と思っていた西脇さんに、『Code for Fuchu』のメンバーから、「デリバリーの飲食店をまとめたアプリがあるんだけど、一緒にやろうよ!」との話がありました。

西脇さんは「うん、やろう!」と即答します。

そして、アプリ『稲城おべんとうマップ』を、『Code for INAGI』のメンバーと1日で作り上げ、3月にリリース。
4月には、より多くの人が情報を発信して受け取れる、Facebookグループ『稲城お弁当プロジェクト』を立ち上げました。
そして、5月には、稲城市商工会とコラボし、市内飲食店のお弁当のデリバリー事業がスタートしました。

「困っている人がいるから1日も早く、と、とにかくその思いでいっぱいでした。そして、『Code for INAGI』のメンバーがいてくれたから、1日も早く皆の目に届くことができたと思います」
稲城に長く住むある人は、「昔からあるお店なのに行ったことがなくてね。でも『稲城お弁当プロジェクト』で紹介されいてたから、行ってみたら、良かったよ」と。
『稲城お弁当プロジェクト』は、こういった、稲城の魅力の再発見にもつながっているのです。

「これからも、『今』『未来』にできることを見つけて、楽しくみんなを巻き込みながら、稲城に住んで良かった!を広げていきたいです」

アプリ『稲城お弁当マップ』を立ち上げたこと、商工会となにかできないか? と、奈良部稲城市商工会会長に話に行ったときの1枚。ここから、商工会とのコラボが始まりました。

プロフィール

1975年生まれ。結婚を機に東京へ。人生の大波小波荒波を乗り切って、7年前から稲城市在住。2015年秋、セミナー参加をきっかけにテクノロジーで地域活動の貢献ができないかと模索を始める。現在『Code for INAGI』代表。『Code for INAGI』https://www.c4inagi.org 『稲城お弁当プロジェクト』https://inagiobento.glideapp.io/

 

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