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漢方コラム(135)漢方の精神安定剤

漢方では、心(シン)には神が宿るとされ、その神を穏やかに安定させる作用の生薬を安神薬といいます。神(シン)とは聞き慣れませんが、例えば意識を失うことを「失神」といいますね。精神活動の一つです。怒りや不安、恐怖などの状態は、神が不安定と考え、安神(アンジン)作用がある漢方薬を用います。
よく使われる身近な生薬に「牡蠣(ボレイ)」がありますが、これは「重鎮安神薬(ジュウチンアンジンヤク)」といって、高ぶった気を下に降ろす水に沈むような重い薬という意味です。気が上昇するとイライラしたり、落ち着けなくなったりしますのでそれを鎮めます。柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)の構成生薬の一つです。また、心の気血が足りないことも心神(シンシン)の不調の原因となります。酸棗仁(サンソウニン)は血虚(ケッキョ)体質の不眠症に使われる代表的な生薬で、酸棗仁湯があります。安神薬や安神作用を有する生薬はさまざまあり、穏やかに効果を得たい場合には漢方薬のご利用もお勧めです。

こだま堂漢方薬局
薬剤師:長峯 輝明

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