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紙上 Placemaking
「自分もマル、相手もマル。ゆめを語り、叶える場」
/小さなイエナスクール ゆめまる

「心のエネルギーチャージ」を支えたい
その思いから誕生したフリースクール

多摩市諏訪で、子ども達と保護者に寄り添って「心のエネルギーチャージ」を支えているフリースクール『ゆめまる』。近隣商店街の駄菓子屋さんやカフェでミニ職場体験をさせてもらうなどまちに飛び込み、身近な自然や地域の中で学ぶ貴重な経験を積み重ねています。

青空の下で笑顔はじける時間を過ごします

運営しているのは、異年齢クラス編成で自律と共生の力を身につける「イエナプラン教育」に魅了された有志です。

代表は、元小学校教諭・イエナプラン教育専門教員の新堀貴子さん。教員時代、イエナプランの考え方に共感した新堀さんは学級運営に取り入れ、手応えを感じていたそうです。「もっと本格的にイエナプラン教育を学びたい」と考えたものの、日本では実践者が非常に少ないことから「本場・オランダでリアルな現場を見てこよう!」と決意して退職。ところが新型コロナウイルス感染症の流行により、渡航禁止になってしまいました。そんなタイミングで出会ったのが、立ち上げメンバーのひとり・石本寛子さんでした。意気投合した二人は、「どんな子どもも安心して学べる場所を作りたい!」と、イエナプランをベースにした学びの場を作るべく、動き出しました。賛同するスタッフが集まり、2020年10月に『ゆめまる』を開校しました。

当初は、子ども達と向き合いながら関係を深める手探りの日々が続いたそうです。3年目を迎えた今年は子ども達同士の絆も強まり、基礎学習の時間である「チャレンジタイム」や、協働プロジェクトを支える「ゆめトーク(対話)」など、イエナプランベースならではの活動もしっかりできるようになりました。

「チャレンジタイム」で、一人ひとりの学びをサポート

学ぶことの楽しさ、仲間がいることの心強さ

『ゆめまる』では、学ぶ楽しさを実感できる環境をさりげなく整えています。子どもが興味を持った瞬間をしっかり学びにつなげるために、細やかな目配りが得意なスタッフが、タイミングを逃さない工夫をしています。

追いかけっこも全力で!

たとえば新堀さんがオランダ研修へ行っていた時には、スタッフが地図や地球儀、オランダの資料を見えるところにそっと置いておきました。

「そういえばたかちゃん、もうオランダに着いたかな?」
「オランダって、どこにあるんだっけ?」
「オランダって土地が低いんだって」
「どういうこと?」
何気ない会話から、子ども達は自然と地図や地球儀を手に取り始め、会話や興味がさらに広がるきっかけになったそうです。

「本や遊びも同じ。いくらよいものでも、大人が強く勧めてしまうと子どもの心には届きません。押し付けがましくないように、あくまで〝そっと〟」

この距離感が、居心地よさの秘訣のようです。

あっちに何が見えるかな?

また、『ゆめまる』では、通っている子ども達が所属している小学校との連携も図っています。先生達にも子ども達がどんな学びを経験しているのかが見えるように伝え、学校、家庭、『ゆめまる』という、ゆるやかでオープンな関係を築いています。

そして、学校行事への参加も応援。学校側から「保護者と一緒に参加しては?」と誘われても、なかなか腰を上げられない子が多いのが実情。でも「『ゆめまる』の仲間と一緒だったら、参加してみようかな」と言い出すことはよくあるのだそう。学校以外の場所で同世代との絆を築ける『ゆめまる』が、心を支える大切な存在となっていることが伺えます。

一緒に遊ぶと絆もグッと深まります

みんなで考えた、やわらかいイメージで印象に残る名前

柔らかなイメージで、ちょっと印象に残る『ゆめまる』という名前。立ち上げスタッフで何時間もかけて考えました。

「船名『○○丸』のイメージ。みんなの夢を乗せて、荒波をともに越えていく船のように」
「多摩にイエナプランという新しいひと雫がポタンと落ちて水辺に丸い輪が広がっていくように、『ゆめまる』の思いや活動も広がっていけば」
と、さまざまな思いが込められています。

「心のエネルギーがないと、どんなこともがんばれない。それは子ども達だけでなく、保護者や周りの大人も一緒。大人がポジティブなエネルギーで満たされていれば、子供もポジティブに満たされる」と大人のエネルギーチャージの場『大人のゆめまる』も開催しています。
「保護者同士もどんどん交流してもらっています」

さらに進化する『ゆめまる』。現在在籍しているのは小学3~6年生の子ども達ですが、近々中学生の受け入れや開校場所の増加も計画中です。

息ぴったりのスタッフ達

「今はスペースを借りているので、毎回活動に必要なものを持ち込んでいますが、いずれは専用の場所を!」
「今も畑仕事をしたり収穫した野菜で料理したりしているけど、作る野菜や料理の種類をもっと増やしたいな」
「在籍していない子ども達も参加できる遠足イベントを開催したい!」
「地域の親子も気軽に参加できるようなイベントも企画 して、まちの人々ともっとつながっていきたいね」

笑顔の増える活動をもっと拡大しようと、夢は膨らむばかり。『ゆめまる』の挑戦は、さらに続きます。

プロフィール

小さなイエナスクール ゆめまる
幸福度ナンバーワンといわれるオランダの教育「イエナプラン」×公立小学校のハイブリッドフリースクール。2020年10月〜、多摩市諏訪名店街隣のコミュニティスペースで毎週金曜日に開校。代表は元小学校教諭・イエナプラン教育専門教員の新堀貴子さん。スタッフには、石本寛子さん、岩根志保さん、平田道子さん、岸田めぐみさんなど、子どもや地域に関わってきた人々が集結。見学・体験の申し込みはHPから。最新情報はInstagramをチェック!

プレイスメイキング とは
そこに行ったら人と出会えて、つながって、ワクワクドキドキ楽しい時間が過ごせて、笑顔が広がって、まちが盛り上がる何かを作り出せる。そんな空間を、私たちが普段暮らすまちの中に作る取り組みが「プレイスメイキング」。

紙上プレイスメイキング とは
『もしもし』紙上が、そんな「プレイスメイキング 」の場になりたい。『もしもし』に触れることで、新しい人とつながったり、ドキドキワクワクの思いが広がったり、新しい発見があったり、このまちで暮らしていることを嬉しく思ったり、安心したり、心が豊かになったり。そして人に優しくしたいなと思えてきたり。そんな『もしもし』を皆さんに届けたい、一緒にこのまちを楽しい場所にしていくきっかけになれたら。そんな思いを込めました。

 


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