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紙上 Placemaking
「カサンドラからの脱出を、寄り添いサポート」
/アスペルガー・アラウンド 櫻田 万里さん・藤原 真由美さん

コミュニケーションや社会性、共感性等に困難さを抱えるアスペルガー症候群。発達障がいの一つで、当事者は、自身も生きづらさを感じている人も多いです。けれど、その人に関わる周りの人も心身にさまざまな症状が生まれることも。その状況にある人を「カサンドラ」と言います。

『アスペルガー・アラウンド』はそんなカサンドラからの脱出を目指し、解決志向でそれぞれの人をサポートしている非営利の団体です。活動のスタートは多摩市で2013年。今は、日本全国に広がっています。

左・藤原さん、右・櫻田さん

立ち上げたのは夫がアスペルガー症候群と診断されている櫻田さん。13年間の特別支援学校での勤務経験と機能不全家族で育った体験を生かし始めました。そして、『非営利団体アスペルガー・アラウンド』を2015年に発足。

カサンドラ状態にある人が相談できる場が少ないという現状を受け、カサンドラからの脱出プログラムへと取り組んでいきます。

第一段階は、同じ仲間とつながること。「しゃべりば」です。話さなくてもいい、聞くだけだもいい。共感です。
参加した方が、「ああ、そうだ」「同じ」「辛かったって言っていいんだ」と感じられたらいいなと思います。

そして第二段階。自分を癒す。障害特性を理解する。
カサンドラ脱出のためには、発達障害のことを理解し、どう対応するのが大切。カサンドラ自身の学びも大切になってきます。

そして第三段階。カサンドラ脱出のための変化です。仲間とともに、自分と向き合い、カサンドラを脱出するための戦略戦術を身につけていきます。そのままの自分を認め、取り戻す。そして、変化していく新しい自分を受け入れていきます。

「本会は有志ボランティアスタッフによる運営です。人に恵まれて続けられました」と櫻田さんは話します。

おしゃべりしたり、話を聞いたり、共感の「しゃべりば」です

ステージ1のしゃべりば多摩は、6年前に参加者からスタートした藤原さんが、現在スタッフとして運営しています。
藤原さんは、「共感し合える仲間の存在に助けられてきた」と話します。
そして、「今は、発達障がいのことも、より多くの方に知ってもらいたい」とも。

 発達障がい当事者は、「困った人」ではなく「困っている人」。そしてその人に身近で関わっている人のしんどさ。それぞれがいろいろな思いを抱え生きています。
その人をその人とわかり、自身がどうあるか。そこが大切なのではないかと改めて思います。

 皆が自身の人生。
その人が自分の人生を「良かったね」と思える生き方ができる世界であるといいなと心から思います。

もしも、しんどい思いをしているのなら、自分一人で抱え込まず、話してみませんか? 大丈夫。このまちには、そんな場所があります。
連絡は公式ホームページからどうぞhttp://asperger-around.blog.jp

副読本として使用する冊子

プロフィール

アスペルガー・アラウンド

発達障がいまたはその傾向にある人と関わることで課題を抱えている「カサンドラ」状態にある人をサポートする団体『アスペルガー・アラウンド』。カサンドラにある人それぞれの思いや悩みを分かち合う「しゃべりば」をステージ1として、次に障害理解と対応を学び、最終、カサンドラ脱出のための戦略と戦術を身につけていくためにサポートする。

公式サイトはこちら

プレイスメイキング とは
そこに行ったら人と出会えて、つながって、ワクワクドキドキ楽しい時間が過ごせて、笑顔が広がって、まちが盛り上がる何かを作り出せる。そんな空間を、私たちが普段暮らすまちの中に作る取り組みが「プレイスメイキング」。

紙上プレイスメイキング とは
『もしもし』紙上が、そんな「プレイスメイキング 」の場になりたい。『もしもし』に触れることで、新しい人とつながったり、ドキドキワクワクの思いが広がったり、新しい発見があったり、このまちで暮らしていることを嬉しく思ったり、安心したり、心が豊かになったり。そして人に優しくしたいなと思えてきたり。そんな『もしもし』を皆さんに届けたい、一緒にこのまちを楽しい場所にしていくきっかけになれたら。そんな思いを込めました。

 


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