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モリテツのスペイン紀行43 「世界の若者に囲まれて⑴」(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)

真夜中の午前2時、猛烈な痛痒さを覚えてベッドから撥ね起こされた。白いシーツに黒粒の点が2つ。なんとダニである。五つ星ホテルで何ということか。足を3ヶ所刺されている。22匹を潰してナプキンに包んで眠ろうとしたものの、腹が立って寝つけない。

夜が明けて窓から見える大聖堂(写真1)にも何の感慨も起きない。朝食を済ませてさっさとチェックアウトだ。フロントにダニの入ったナプキンを渡したものの、謝りもしない。何がパラドールだッ。怒り千万。フロントに鍵を叩きつけて出て来てやった。

広場に出ると、そこには笑顔が満ち溢れており、苦虫潰した顔でいると周囲と浮き立った感じ。なんでこんな目に、と思いつつ、厚化粧して不動の姿で立ち尽くす大道芸人(写真2)のヤコブに思わず苦笑いしてしまった。子ども向けの観光列車(写真3)に乗った大人たちがはしゃいでいる。巡礼事務所を訪ねてみると猛烈な混雑(写真4)。カウンターに進み出たらシニアの職員(写真5)が「さあカメラを」。記念撮影のサービスだ。巡礼してなくともクレデンシャルを見せて2㌦支払えば、氏名と日付を記入して刻印した巡礼証明書を発行してくれる。「エノラボエナ(おめでとう)」と数人のスタッフに言われてダニの不機嫌も直ってしまった。

大聖堂に入って免罪の門(写真6)をめざした。門をくぐって聖ヤコブ像に祈りを捧げると、すべての罪は消えるといわれる。ダニは日ごろの行いのせいか。教徒でもないわが輩の罪などくぐるぐらいでは消えまいと思いつつ、神妙に歩き抜けた。キリスト教徒にとっては、黄金色に輝く聖ヤコブ像(写真7)をハグすることがなによりの目的。門の前はいつも長い列ができるという。(続く)

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