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Tama Hito 56
津村 和宏 さん
「体を見つめ、鍛え、太鼓を打つ ストイックな姿勢が生む感動」

父と3兄弟の一族で叩く、世界で唯一の和太鼓集団

津村和宏さんは、三宅島の祭りで叩かれている太鼓を舞台向けに突き詰めて演奏する「三宅島芸能同志会」のメンバーの一人です。

同会は、父と3兄弟という一族だけで構成される世界で唯一の和太鼓集団で、和宏さんはその長男。三宅太鼓は腰を落として体を左右に動かしながら横から撃ち抜くその打法が特徴で、その舞台は、太鼓に神楽、木遣り、獅子舞など、動と静が緩急織り混ざり、聴く人の体に音がビリビリと響き渡ります。

2000年、三宅島の噴火によって島民は全島避難となりました。当時、和宏さんは大学生で既に東京で暮らしていましたが、他の家族も皆、八王子で生活を始めました。

「父は三宅島で民宿を経営していて、太鼓体験やワークショップもやっていました。そこで習っていた人たちが教えて欲しいと言ってくださり、『ここで勝負しよう』と動き出したんです」

22年の間に、国内外での演奏活動に加えて、国内では1都1府17県、海外でも4ヶ国で太鼓教室を毎年開くまでに一気に広がって行きました。

「教室では単に演奏方法だけではなく、太鼓を通して、体の使い方を教えています。自分の体を動かして鍛えることで、美しい型・しなやかで繊細な動きで太鼓を叩くことができるようになります。それが、聴く人の心を揺さぶる響きを生み出すのです」

コロナ禍に見舞われ、公演や教室の開催が減って時間ができたことで、和宏さんは、人の体や脳科学について改めてじっくりと勉強したといいます。

「勉強したことを自身の体に生かして鍛えることで、体が進化しているのを実感しています。その成果を生徒さんに伝えていかねばと思っています」

互いにリスペクトし合う、人との出会いが結果に

和宏さんは、2004年から2005年にかけて、太鼓芸能集団「鼓童」の研修所で訓練を受けました。そこで太鼓奏者の中込健太さんと出会います。

「人間ってここまでできるんだ、とエネルギーをもらえる人です。演出もいろんな角度から考えている。その中込さんが自分もリスペクトしてくれていて、共に第一線を走っています。太鼓で刺激し合える関係が嬉しいです」

追求して突き詰めて、その結果手にしたものを演奏や指導に昇華して、次へと真摯につなげて行く。その生き様に人は魅せられるのかもしれません。

親子4人の競演。7/17(日)「白山国際太鼓えくスタジア2022」(石川県白山市)、8/6(土)「八王子まつり」に出演。

 

教室は、子どもにも人気。多摩エリアでは、稲城教室がある。

プロフィール

1981年東京都三宅島で津村家の長男として生まれる。幼少より父の指導の下、三宅太鼓に親しみ、2000年頃から父と2人の弟と共に「三宅島芸能同志会」として一族4人で活動を開始。2004~2005年、太鼓芸能集団「鼓童」の研修所で訓練を受ける。現在、国内外で、公演活動や太鼓教室を開講し、太鼓の指導や普及に努めている。八王子市在住。株式会社3-arrows 代表取締役社長 http://miyaketaiko.com

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