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Tama Hito 67
荒井 永理 さん
「人と人のつながりが〝できる〟を増やし笑顔に」

人をつなぐ中間点になり、できることを増やしたい

 永理さんは、鍼灸あん摩マッサージ指圧師の二代目で、小学生の頃から住む多摩市の聖ヶ丘商店街で、地域密着の小規模デイサービスを母・姉達と始めてから約20年。認知症になった母を特養に入所させるも、在宅生活に戻すことを決断し、最期の看取りを周りの人達に支えられながら実現してきました。その後、ひとり親として子どもと一緒に、虐待から転々と居場所を変える生活を経験します。

 「しっちゃかめっちゃかな中で、いろいろな人達に出会い、支えられて生きてきました」

 その経験から、同じ立場の人に役立つ手助けができたらと『フードパントリーあらあら』を設立します。

 「一人で全部やろうとするとできないことも、人とつながっていくと可能性が増えていく。ようやく人に素直に頼れるようになった私が、人をつなげる中間点になって、恩返しをしていきたいです」

子どもの笑顔を絶やさないように

 コロナ禍前は、月に1回開催していたこども食堂。それができなくなりました。けれど、学校の休校で行き場を失った大量の給食食材を、「なんとかならないか」との相談を受け、ひとり親家庭に配る機会を得ます。そしてその後も、こども宅食として毎週土曜に支援しています。そこには母子自殺という市内での悲しい事件を受け「思い詰める前に、食事の心配がなければ回避できたのでは」との思いがあります。子ども達が笑顔であり続け、ひとり親家庭や困窮者が安心できるような社会を創りたいと、永理さんは地域の皆さんと活動中です。

 「できない」に捉われるのではなく、別視点から『ボランティアできるコインランドリーあらあら』も開設。ここではボランティアが気軽にできます。また、『むすびえ』とコラボしたおもちゃを借りられご飯も食べられ、グッドトイで遊べる『こども食堂+おもちゃライブラリー&おもちゃの広場』も月1回開催。こちらは大人も子どももワクワクする企画です。

 「己の身体という小宇宙を大切にし、大宇宙である『社会』という土壌をよくすることで皆が健康で生き生き暮らせる。東洋医学的にも、この活動は天命です」

2023/3/4(土)に開催された「こども食堂+おもちゃライブラリー&おもちゃの広場」の様子

プロフィール

1974年東京都出身。10歳で多摩市に。過労死弁護団の事務を経験後、母の後を継ぎはり灸マッサージ師に。平成16年に『デイサービス聖ヶ丘』を開設。平成21年に独立し、法人化。現在、『デイサービス聖ヶ丘』に加え、生活介護(障害者)、こども食堂『ほくの家』、『フードパントリー&コインランドリーあらあら』を運営。一般社団法人祥鶴代表理事。東洋鍼灸専門学校評議員。書韻会所属雅号「好茜」。


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