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TamaHito 39
昆野 直樹 さん
〝あなたの命が輝く生業〟で、より良い社会を子どもたちへつなげませんか

私らしく生きるとは 私らしさとは

大学卒業直前に交通事故に遭い、後遺症を抱えつつも建設関連業大手企業の営業職に就いた昆野さん。25歳の時には劇症肝炎を患い2ヶ月間の入院。「九死に一生を得た」と言います。そして30代、40代と、本社企画や営業最前線を走り続けながら、業界全体が必要悪と考えていた「談合」と決別します。

自らを崖っぷちに追い込んだ昆野さんは、〝結局、私らしく生きるしかないな〟と思ったそうです。

「でもそこで〝私らしく生きるとは、私らしさとはどういうものなのか〟を知らない自分に気づきました。その時、メッセージが2つよみがえったんです」

1つは「人間は全てを選択している」。

「それまで私は、選択とは意識的にしているものと思っていましたが、実は無意識の選択がほとんどを占めていることに気づきました。この無意識に意識を向けることで自分を深く知ることができるのではないかと思ったのです」

もう1つは「人生は体験だ」でした。

「体験とは〝心の琴線に触れる機会〟。そこには、自分の人生を理屈抜きに楽しもうという思いが溢れています」

この2つのメッセージを実践することで、〝私らしさの輪郭〟が浮き彫りにされてきたと、昆野さんは話します。

 

より良い社会にするためのビジネスの仕組みを

〝生涯、私らしく生きよう〟と考えた昆野さんは、25年のサラリーマン生活に終止符を打ち、2008年、ビジネスによって社会に寄与したいと考え、会社を創設。その3年後の2011年3月11日、東日本大震災で、実家のある南三陸にいた家族5人を亡くしました。

「ふと私は、失ってしまったものばかりを考え、自分のことで行き詰まっていることに気づきました。困っているのは生き残った人たち。そう思った瞬間、道が開けた気がしたのです」

以来、南三陸の子どもたちが誇れる街にしたいと考え、新たな産業雇用創出に寄与する活動に取り組んでいます。

「〝私にしかできないことをやろう〟。未だに試行錯誤の連続ですが、でもこれが〝生きる〟ということなのかな」

一方で、震災後多くのボランティアの方々が感じた〝誰かの役に立つ悦び〟を、日常の仕事で実感できるビジネスの仕組みづくりをと、2015年『TEAM社会企業家』の活動を開始。今年4月には、その思いに共感する人々の輪を広げたいと『誰を生きている』を出版。

「あなたの命が輝く生業に出合いませんか」、この本はそう語りかけます。

 

プロフィール

1960年宮城県南三陸町生まれ。多摩市在住。社会企業家・社会ビジネスコンサルタント。「子供達により良い社会をつなぐ」という観点から、企業・人・ビジネスの在り方を考え、活動している。また、これまで培ってきた経験・ノウハウを生かし、地球環境問題や社会的課題の解決に寄与していきたいと考えている。閉塞感を抱く多くの人に、もう一つの生き方の選択肢があることを伝えたいと、今年4月電子書籍『誰を生きている』を出版した。

TEAM社会企業家(http://t-syaka.com/)主宰。

(株)ソーシャルキャピタル(http://socialcapital-jp.com/)代表

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