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紙上 Placemaking
「栄養問題は現場で起きている」
/食の和プロジェクト  所澤和代さん

「高齢者の5人に1人は低栄養という昨今、高齢者が元気で長生きでき、若い方に負担をかけない社会作りに何かしら貢献できたら・・・」と話す所澤和代さん。
管理栄養士を長年務め、上から目線で栄養指導をするのではなく、その人の暮らしの事情に合った、食生活改善のヒントを提案し続けています。

所澤和代さん(後列左端) 「男の料理講座」参加者と共に

所澤さんは60歳になって、地域の食のお困り事に対処するために活動を始めました。主に在宅訪問の栄養士活動です。
その後、地域経営論を専門に掲げる多摩大学の松本祐一教授を紹介されます。
松本教授は、所澤さんのように「何かしたいけれど、どうしたらよいかわからない」という「不器用」な人が、自分らしい事業を構想し、実践できる社会にすることを支援しています。

所澤さんはその松本教授と、低栄養の予防策として、主に高齢者の独居対策・孤食対策に目を向け、活動を始めます。

まず、高齢者の生まれたときからの食生活の聞き取りからはじめ、次に日常的に複数人で食事をする企画し実験しました。
参加した方々からは、「いつも食べないものが食べられて嬉しい」「皆で食事ができて楽しい」という声が多く上がり、そういうことが低栄養予防に大きく貢献すると思ったと言います。
その後、3品を一度に調理しても、段取りよく時間をかけずに調理できる工夫をした、レシピ本作りもしました。
調理が嫌になるのは、段取りが悪く時間がかかるからです。

また、松本教授は「食環境のプラットフォーム構想」という構想を打ち出します。
栄養問題は、たとえ栄養の知識を知っていても、金銭管理から買い物、調理、食事、片付け、ゴミ出しまでの一連の流れが、途切れることなく進むことで、初めて解決するからです。
これらのどの部分が不自由になっても、食事が上手く食べられなくなってしまいます。
ヘルパーさんが人材不足の中、こうした「食環境のプラットフォーム構想」をベースに、高齢者の低栄養問題の予防等、支援の整備を図る活動を目指すのが、「食の和プロジェクト」です。

現在は月に1回の男性向け料理講座を開催。
「男性の独居や奥様が先に介護が必要になるケースでは、食環境が悪化しやすいです。配食弁当や出来合いの総菜の購入という選択もありますが、どうしても飽きてしまいます。特に男性の方に、一人でも多く、簡単に調理できる方法を伝えていけたら、それだけ低栄養になる方を減らせると思います。皆で食事を作り皆で食事することで自然と会話も弾み、そのような仲間作りも大切です」

プラットフォームをつくって、住民を巻き込んだ食環境改善はできないものかと、現在模索中。
例えば配達員が不足の中、プラットフォームに配食弁当をまとめて配達してもらい、元気なシニアに各家庭に配達してもらうといったことです。
この提案の良いところは、配食弁当の業者にも、行政にも、利用者にも利のあることで、そうした3方良しとなることは、働くシニアにちゃんと収益が入る可能性があると考えます。
実現の可能性がある、プランではないでしょうか。
「アフガニスタンで活動された医師、故・中村哲さんが、病人をなくすために灌漑工事を進め、水を砂漠に引き、緑の大地にしたように、団地が多い多摩には、このような工夫でプラットフォームを作り、食環境を整備することが、栄養改善になると思います」

栄養改善の結果、健康な方が増え、医療・介護費の削減へとつながり、ひいては若い世代の社会保険料負担の軽減ができるようになる。
それが「食の和プロジェクト」です。
「壮大な目標ですが、足元から一歩ずつ行って行きたいと思っています」と所澤さん。

まずは、月1回開催の「男性向け料理講座」に参加してみませんか?

調理初心者の女性も参加できます。
定年退職後、奥様の料理負担を軽減したいという目的で、参加されている方も多いとか。

2026年4月は11日(土)。
煮込みハンバーグにマッシュポテト添えを作ります。
詳細は「食の和プロジェクト」の公式WEBでも紹介していますが、「もしもしWEB」のイベントページでも公開。
ご覧ください。
https://mosimosi.biz/event/mos-260411/

2026/4/11のメニュー

DATA

多摩大学の松本祐一教授の構想の下、管理栄養士の所澤さんを中心に、「食」を通じて長生きを喜べる社会づくりと共に若い世代の社会保険料負担の軽減が途切れなく進むための支援拠点実現に向けて取り組んでいる活動。その一つとして、男性向け料理講座を2025年6月から、毎月1回開催している。講座では、電子レンジや冷凍食品を上手につかって、なるべく短時間でできる方法を伝授。料理ができるようになることで生活の楽しみが増え、市販の弁当や惣菜にはない手料理ならではの味わいを感じることができる。また身近な人に食べてもらうことで、喜ばれ、それが生きがいにもつながっていく。
メンバーは、
松本祐一さん(多摩大学経営情報学部 教授)
所澤和代さん(認定栄養ケア・ステーション和 管理栄養士)
五来恒子さん(有限会社もしもし 代表取締役)
中村征一郎さん(パーソルテンプスタッフ株式会社)
https://cs-nagomi.com/

プレイスメイキング とは
そこに行ったら人と出会えて、つながって、ワクワクドキドキ楽しい時間が過ごせて、笑顔が広がって、まちが盛り上がる何かを作り出せる。そんな空間を、私たちが普段暮らすまちの中に作る取り組みが「プレイスメイキング」。

紙上プレイスメイキング とは
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#多摩市 #placemaking

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