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TamaHito 42
小野 悟 さん
サッカーを通じて 人を育てる、人がつながる

サッカーを通して、健全な心と体を育てたい

多摩市には、ジュニアサッカーチームが9つあり、中学生になると部活動やクラブチームでのプレーを選択するのですが、近年、部活動の廃部やクラブチームの入部セレクションなどにより中学生になってサッカーを続けていける環境が限られてきてしまっているそうです。そこで、全ての選手たちがサッカーを続けられる受け皿にと、『鶴牧サッカークラブ』のジュニアユースを発展させたチームが、『TTAFF(タフ/東京多摩フットボールファミリオ)』です。2018年の設立以来、その代表を務めるのが小野悟さんです。

「小学生時代にサッカーを頑張ってきたのに、環境がなくてサッカーを続けられない中学生がいるのが残念で。なので、セレクションなしで、地域も限定せず、経験も性別も関係なく、誰でも入部できるようにしています」

『TTAFF』の基本理念は、「サッカーを通じて人を育てる」。

「多感な中学生時代に、サッカーだけやっていればいいはずがありません。なので、学校生活とサッカーをバランスよく過ごせるようなスケジュールを組んでいます。団体スポーツであるサッカーに真剣に、そして何より楽しく取り組むことで、大切な仲間づくりや身体的成長、心の成長も促していけたら、とスタッフ一同で願って活動しています」

〝セレクション無し〟が他に比べて物足りなく見えるのか、レベルが低いのではと思われがちだと。
けれど、「実は、コーチ陣は世代別元日本代表や全国大会出場経験者、フットサル元日本代表、そして現役の学校の先生や先生志望の学生など、技術・指導力のあるメンバーが揃っています。全て、サッカーのつながりで集まってきたメンバーです」と胸を張る小野さん。

「通常のサッカー活動の他に、月に1回のメンタルコーチングや月に2回の英会話クラス、そして、オーストラリアへのショートホームステイなどの取り組みをしているのも『TTAFF』の特徴です。目標を掲げ、一生懸命やることの楽しさを味わってほしいですね。そして生涯、サッカーを続けてほしいです」

そこには、小野さん自身が小学生時代からサッカーを続け、人生の節目節目でサッカーを通して人とつながり、地域とつながることができた貴重な経験があったからでした。

サッカーを通して、地域で人をつなげたい

小中高とサッカーに明け暮れた小野さん。大学生時代からは自身の競技とともに子どもたちの指導もはじめました。卒業後、就職で大阪に転任した時も、28歳で海外留学した時も、そして地元・多摩に戻ってきた時も、サッカーがあったから人の出会いに恵まれ、生涯のつながりが生まれたと話します。

「用具がなくともボールさえあれば、皆で集まり誰とでもプレーできるのがサッカー。日本国内はもちろん、海外でも、どこにいてもサッカーを通じて友達ができることを経験しました。人生の節目節目でサッカーに助けてもらった気がします」

「自身の身近な環境を自分たちでどれだけ充実させられるのかが、人生において大切だと気付いたんです。これからも、サッカーを通して仲間を作り、触れ合い話し合い、地域に根ざしたコミュニティを創って行きたいと考えています」

『TTAFF』では現在、ジュニアユース部門、29歳以下部門、オーバー30部門、オーバー40部門があり、100人以上の選手たちが世代を超えた付き合いをしています。

「いずれは、オーバー50、オーバー60、そしてオーバー70も作れたらいいなと思っています」

「生涯サッカー」、そんな地域コミュニティをを多摩に創ることが小野さんの願いです。

練習試合でボードを使いながら動きを指導する小野さん

プロフィール

1974年宮城県出身。物心がつく前に多摩市に転入。以来、多摩市で育つ「多摩っ子」。小学生でサッカーをはじめ、大学生時代からは競技しながら指導も行う。28歳で留学しMBAを取得。30歳で帰国し大手通信会社で最先端の仕事に携わるものの、40歳で母親の営む米店『百将屋』に、頼み込んで入店。以来、サッカーと食の安全の二面で地域に根ざした人生を展開中。『TTAFF』代表、NPO法人多摩サッカー協会理事。『TTAFF』ホームページはこちら  FaceBookはこちら

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